| 2010/07/30 |
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ミャンマーのデルタ地帯住民の貴重な情報伝達手段に
防災情報システム(CAシステム)構築第一次事業終了、7月から第二次事業開始
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各家庭に商用電源がなく、ラジオ保有者も極めて稀な地域で、天気予報や住民の福利厚生のための情報伝達手段として活用されています。なお、第一次、第二次事業とも、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成金で、ミャンマー商工会議所と提携して実施しています。
(写真は、ボガレータウンシップ内の村で)
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通信インフラのない自然災害多発南部デルタ地帯に防災・減災支援
本事業は、2008年のサイクロン被災地で雨季には水害が多発する南部デルタ地帯に、緊急時に正確な情報を迅速に届けるためのCAシステム(Community
Addressing System)を構築するものです。
本事業で構築するのは、日本の防災行政無線システムに類似した、スピーカを用いて地域住民に一斉に情報を伝達するシステムです。成熟した技術を用いていながら、安価で操作が容易で裨益効果が大きいことは、日本では実証されています。ミャンマーでも、寺院や船着場等に常設されているところもあり、人々にはなじみのあるシステムです。
第一次事業は、本年1月12日から4ヵ月間かけて、エーヤワディ管区ボガレータウンシップ(日本の郡に相当)内25村落で実施しました。 |

この村では、スピーカを据え付けるやぐらを、
村民が自力で建設してくれました |

消防隊事務所に設置したシステム。サイクロン
の前にも類似のシステムを使っていたが、サイ
クロンで完全に壊されてしまったとのことでした。 |
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住民の貴重な情報源
4月上旬のシステム設置工事完了から約1ヵ月後に、システムの保守と運用状況のモニタリングを行いました。
その結果、設置直後でありながら、一日に一回か二回は必ず放送しているという村が25村落中、16村落もあることがわかりました。
当初の予想を上回る高い利用率は、何と言っても、2年前に膨大な数の犠牲者を出したサイクロンを経験したことにあります。この地域の大半の家庭には商用電源がなく、ラジオの保有者も極めて稀で、住民に緊急情報を伝達する手段がありません。そのため住民は常に災害に敏感になっていて、雨季が近づくと、一層警戒するようになるそうです。
こうした多くの村では、防災を意識して、毎日ラジオの天気予報を放送していました。 |
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| モニタリングで、BHN現地スタッフのインタビューに答える村の役員たち |
放送内容の記録もつけられています
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集まってくれた村人たちがJPFのステッカーを持って記念写真
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川沿いにある民家。川の水位が上昇したときに雨が降ると、直ぐに家の中が水浸しになるそうです。 |
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一日二日放送を怠ると、住民から苦情
25の村落で行ったシステム管理者に対する聞き取り調査では、
以下のような声が寄せられました。
・住民はサイクロンの襲来を恐れいつも天候に関する放送に注意を払っている
・システムを村の最も重要なものと位置付けて大切に扱っている
・自然災害や気象に関して無知であった。今は、住民の生活はシステムから流れる
ニュースに頼るようになった。
・これからは、自然災害に見舞われる前に、住民が事前の準備をするのに役立つ。
特に自然災害に関してシステムを使用できることが住民にとっては幸運である
・今年4月20日、サイクロンに関する噂が流れたが、ラジオの毎日の気象情報に
よって正確な情報が得られた。システムは地域にとって大変有効で、人々は、
システムから流れるニュースに耳を傾けている。
・短時間で住民に必要な事柄を伝えることが出来るようになった
・これは、防災、防火、公的な会議などに非常に有効であることを皆知っている。
地方の 当局は、このシステムを住民の利益のために使う計画である。
・我々は今、事前に気象情報を学ぶことが出来る立場になった。
このシステムで必要な備えをすることができる。 |
2008年の自主事業地ではより広範に利用
5月中旬、2008年11月にパイロット事業として同システム構築支援を行ったヤンゴン管区内6村落でも、3回目となるモニタリングを行いました。
この地域では、地方自治体からのお知らせや、小児感染症予防対策、土木工事の現場、学校からの連絡、地域の催し物、子供への帰宅の呼びかけなど、日本とほぼ同様に広く地域の生活情報伝達手段として使われていることがわかりました。
特に、死者が出るほどの猛暑が続く本年は、暑い日の外出時の注意や、給水車からの飲料水の配給時間の周知、海外のNGOが建設した井戸水の配給時間の連絡など、住民の生活に直接役立つ連絡に使われていたことは、支援を行った側には大変嬉しいニュースとして受け止めています。 |
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| システムを設置した公民館の隣に海外のNGOが井戸を建設。井戸水の配給時間の周知にスピーカが使われていました |
給水車からの排水の順番を待つ村人達 |
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より広範な地域に
7月1日から12月末までの予定で、同じ管区内の3タウンシップ60村落で第二次の事業を開始しました。
この国では、外国人のヤンゴンからの移動には制限が設けられていることから、設置施設における基本設計、資機材調達、施工とミニ運用研修までの業務は、日本人スタッフが現地スタッフにヤンゴンで研修を実施し、現地スタッフだけで行っています。
すでに、ピヤポンタウンシップの20村落とデダイエタウンシップの10村落における基本設計とこれら2地域で必要な資機材の調達をほぼ終了しています。
提携団体のミャンマー商工会議所によれば、システムの設置に対する地域住民の期待の大きさが伝わってきているとのことです。
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全ての村で行った基本設計で、村の役員に事業の概要を説明し、討議するBHNミャンマー人スタッフ。村の役員は、会議の席に必ずGSM方式の電話を携帯している。
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7月中旬、日本人スタッフが事業地を訪問して、村の役員との意見交換と村の様子の下見を行いました。出迎えてくれた村の役員の出で立ちは、正装でした。村では、BHNとの会合を重要な行事と位置付けている様子が伝わってきました。 |
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川の水位が上がると水没する位置を指す地区の警察官
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サイクロンの被災状況が書かれたミャンマーの地図を背景に、システム設置について話し合うデダイエの防災事務所の職員とBHNスタッフ(左端) |
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| 本事業で設置する一つの村の様子 |
海外のNGOによって建設されたサイクロンシェルター。ここにもシステムが設置されます。 |
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システムの地域への定着化に向けて
BHNでは事業終了後も年に2回2年間程度は全ての事業地を巡回して、システムの地域への定着化を図ることにしています。放送内容の充実化、保守管理、音声が届かない地域への対応などの課題解決に向けて住民と協議を重ねながら、改善して行くことにしています。
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