特定非営利活動法人( 認定NPO法人 )
BHNテレコム支援協議会
                                                                                                   
 
更新: 2010-09-20A
ハイチ・コミュニティ放送局の修復終了、放送再開
ラジオの音楽に合わせてダンスをする子供たちも

ジャパン・プラットフォームの助成金によるハイチ地震被災者支援事業で、修復を終え放送を再開したVWA放送局。送信機を入れ替えて、周波数、出力ともに震災前のレベルに復活させました。この事業の模様は、NHK・BS1「地球アゴラ」で放送されました。


大雨の中で続くテントでの生活

 1月12日の地震から、7ヵ月余りが経ちました。現地では、まだ大半の被災者は避難所でテント生活を続けています。
 テント村の住民は、長引く避難生活に不満も募っている様子が伺われます。住民に対するインタビューでも、仕事もなく何もやることがない、毎日子どもに何を食べさせるかばかり考えている、学校が再開されるが子供を通学させられるかどうか分からない、経済的な問題もある、ストレスがずっと続いている、食事が不十分で貧血になっている人が多い、などの声が聞かれました。
 首都ポルトープランスでは、9月10日に、今までにないような豪雨に見舞われました。最近は毎晩のように雨が降っていることから、テント村のことが心配になります。
 BHNでは、8月21日から2名が現地に出張し、7月に各事業地を 回って設計した資料に基づき、地震で壊れた6つのラジオ局の修復とレオーガン地域内の13ヵ所に地域防災情報システム(CAシステム)の設置支援をしています。

震災から8ヵ月以上経った今も、多くの被災者はキャンプ生活を強いられています(写真提供:大月美佳)

被災者の生活は劣悪です(写真提供:大月美佳)

多くの放送局が首都から遠隔地にあり、途中の道路も舗装がないところがほとんどです。BHNの出張者は、事業地周辺で宿舎を探しながらの「転戦」になりました

今回出張した志村会員(右端)と事務局の秋場(右から2人目)


6つのコミュニティラジオ局の修復

8月25日、放送設備修復の第1局目になる、Zetwal Payzan Fondwaの 改修が完了し、7月以来ほぼ停止していた放送が再開されました。 BHNのスタッフが帰りの車の中で放送を聞いていたところ、DJが「放送再開にとても感謝している」と話していたとのことです。 このときの感動的な模様や現地の状況は9月5日のNHK・BS1の番組「地球アゴラ」で放送され、出張中の2名も出演してインタビューに応じました。
 現在は、予定していた全てのラジオ局の復旧工事が終了し、放送を再開しています。

 工事が完成して早速再開した放送に、地元の人々は大喜びです。テレビには、ラジオを手にした子供が、音楽に合わせて楽しそうにダンスをしている様子が映し出されました。
 現地の人たちの日常語であるクレオール語で流される放送は、多くの人たちにとって、唯一の情報入手手段であり、また気を紛らわすことの出来る数少ない娯楽でもあります。
 ラジオ局の修復については、神戸新聞の取材も受けています。


地震直後のつぶれたFM放送局

放送再開を喜ぶスタッフたち

放送局修復後に、研修を実施。局舎中が埃だらけのため、掃除のやり方も指導しました

太陽電池で発電し、人工 衛星経由でキー局からの番組を受信するシステムになりました


CAシステムの設置

 ほとんどの家屋が倒壊したレオーガン地域の13ヵ所に、日本全国の自治体が建設したような、スピーカで地域の重要情報を周知するCAシステム(Community Addressing System) を設置しました。 このシステムは、太陽電池で稼動し、ラジオの受信機に接続されており、地震で情報受信手段をなくした住民に各種の重要情報を伝えることが出来ます。
  このシステムはハイチでは初めてになる施設のため、コミュニティの住民に対する設備の効用の説明から、土地所有権者との折衝、今後のメンテナンスのための体制作りなど、工事に取り掛かるまでの準備にかなりの時間を費やしました。
 その結果、想像を超える反響がありました。
 BHNによる住民への取材でも、「ラジオを持っているけど、電気はないし、電池を買うお金がなくて、ラジオはほとんど聴いていない。だからこのシステムが設置されて、本当に感謝している」との声が聞かれました。また、CAから流れてくる言葉に合わせて「ベッドのなかで祈った」、と一人の住民は語っていました。
 被災者の多くが地震でラジオも失っています。CAシステムの具体的内容が理解できると、どこの住民説明会でも「早く欲しい」との声が一斉に起きています。


ハイチでは初めてのCAシステムを理解してもらうため、各設置場所で説明会を開催しました

避難所に設置された街灯つきのCAシステム


「I'm in シャンマス!」


 街灯を付けてシステムを設置し、その概要を国際機関などに提供したところ、強い関心が示されました。これが将来日本のように全国的に展開することも視野に入れて、活動しています。
 また、イオンターニュースがCAシステムに関するラジオ番組をつくり、いくつものラジオ局に配信されます。番組のタイトルは「News we need to know」という意味のクレオール語の番組で、大きな商業ラジオ放送局に配信され、ほぼ全国にその放送が流れるそうです。
 住民たちは、震災後、初めて明るい夜を過ごし、「I'm in シャンマス!」とみんなで喜び合ったとのことです。シャンマスとは、ポルトープランスの大統領府の前にある場所で、地震が起きる前は、夜でも外灯がたくさんあり非常に明るい場所としてよく知られていました。住民は、明るい夜を迎えた喜びを「まるでシャンマスにいるみたい!」と表現していました。
  CAシステムで夜は明るくなり、これまで聴きたくてもきけなかったラジオ番組を聴くことができて、住民の生活に大きな変化をCAシステムはもたらしました。


広場に街灯付きのシステムを設置して、直接その効果を体験してもらいました

うまくポールが立つか、心配そうに見守る子供たち


志村会員も心配そうに見守っています

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