トップ活動を知る活動報告

【熊本】熊本地震被災者支援 避難所から仮設住宅団地へ

2016年4月14日の前震から始まった熊本地震の被災地に対し、当会では、災害時等の緊急・人道支援を行うジャパン・プラットフォーム(JPF)に事業申請し承認を得て、「熊本県益城町等7市町村の避難所・仮設住宅団地運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援事業」を、6月2日から10月15日の事業期間で実施しています。
 
これに先立ち、当会は5月11日から15日の日程で被災地に入り、現地ニーズ調査を実施しました。調査活動の目的は、大きく二点に絞りました。一点は、避難所の管理・運営状況、被災者の情報受発信に必要なパソコン・プリンター等ICT機器による支援状況の把握でした。もう一点は、長期化する避難所生活に対して、遠隔健康相談などICTを活用した被災者健康支援のニーズ確認です。
 
被災地では、既に避難所の集約拠点化、仮設住宅団地への入居募集が開始されるなど、目まぐるしく状況が変化する時期に入っていました。そこで、調査結果及び被災地の激しい状況変化を考慮して、当会が支援すべきことは「避難所やその後の仮設住宅団地の運営業務の円滑化・活性化に資するパソコン環境整備・運用支援」であると判断しました。この支援活動では、パソコンやプリンターをただ配布するだけではなく、被災者自身が自立して使いこなせるよう、巡回指導を繰り返す等運用面の支援に力点をおいて行うことにしました。それは、私たちが東日本大震災被災地での支援活動から学んだことです。
 
事業開始5日後の6月7日、私たちは再び熊本地震被災地に入り、九州電電同友会熊本支部(支部長 宮本金生氏)と熊本シニアネット(KSN代表 色見高司氏)の協力を得て現地支援体制づくりに取り組みました。まず、BHN熊本事務所とBHNテレコムパソコン支援センターを開設し、ここを拠点に、現地8人の協力者をコアとするボランティア体制を編成し「支援事業全体及び実務部隊キックオフミーティング」を実施しました。
 
併せて、「被災者側代表者に加わっていただいた企画型被災者支援活動キックオフミーティング」を行いました。ここでは、被災地の地元組織と連携した取り組みについて話し合いました。具体的には、避難所が抱える課題に対し「パソコン・プリンターを活用した解決法」、熊本地震でより困難な状況に陥っている人の心に寄り添う「熊本いのちの電話のお知らせ法」、これまでも地域に貢献してきた熊本シニアネットのパソコン研修を「熊本地震被災者支援パソコン講座として再開し、仮設住宅団地自治会役員等を対象とした巡回出前パソコン講座への展開法」、高齢被災者向け企画として「法律相談」、小さな子供向け企画として「伝承あそび」等について、幅広く話し合いました。
 

今回の機器調達は、被災地での調達にこだわって実施しました。機器調達をお願いした株式会社SYSKEN様には被災地支援事業に伴う困難を乗り切るため数々の配慮(調達機器一部先行納入、中間保管庫提供等)をしていただきました。
 
現地調達したパソコン・プリンター53セットに対し記録を残しながら行う初期設定作業は将来の機器障害を回避する上で大変重要な工程でした。初期設置作業を終了するとJPFとBHNのロゴステッカーを貼付し、現地での設置作業に備えました。
 
被災地市町村によっては、最初から仮設住宅団地集会所等へのパソコン・プリンターを配備して欲しいとの要望を受けました。8月下旬には、当会が支援対象としてきた避難所の半数が既に閉鎖され、当会の被災者支援活動の重点は避難所から仮設住宅団地へと移行しました。
 
 
 

9月1日には、益城中央小学校避難所運営責任者を務めた吉村静代氏、情報担当責任者松舟氏に約1時間の特別インタビューをさせていただきました。吉村氏は、自身が作り上げた「避難所被災者自主運営モデル」によって成し得た最大の事柄は、「地域コミュニティ形成を仮設住宅団地入居後からではなく、避難所からスタートさせることであった」と述べました。避難所の中にコミュニティスペース(コミュニティカフェきままに、キッズサロン、応接コーナー)を予め確保し機能させました。当会が提供したパソコン・プリンターはこのスペースの中核部に配置されました。「避難所内部活動を活発化させる為の情報交流機能(パソコンで資料を自ら作成し、プリンターで自ら印刷して配布)」、「避難所を取り巻く被災地状況・避難所運営状況を外部に知らせる為の情報発信機能」の役割を果たしました。Facebookを使った益城中央小学校避難所ホームページには大きな反響が寄せられ、全国から新しい支援が届けられました。避難所で深めた絆・繋がりを仮設住宅団地以降へ繋げていく仕組みも熱く語ってくださいました。
 
 
 
9月以降は、新たに調達した「ドコモおくダケWiFiアクセスポイント」25セットを仮設住宅団地集会所等に順次設置していきます。今後の被災者支援活動で最も基本的かつ重要なポイントは、仮設住宅団地自治会役員等皆様に対し巡回出前パソコン研修を繰り返し実施し、被災者の自立化、地域コミュニティ活性化をICT面から支援していくことです。
 

熊本地震被災者支援事業担当(理事)有馬修二

 

<熊本地震の体験から生まれた「防災ハンドブック」>

 協力団体「熊本シニアネット」のメンバーが関わり、シニア向けに作成された冊子をご紹介します。
「明日はあなた!その日は突然やってくる!-熊本の仲間からのメッセージ-」
紹介文
第1章1-3(被災した個人の記録集、15M)
第1章4-10(被害と支援の概要、10M)
第2章~第4章(防災ハンドブックなど、6M)