バングラデシュ・ハティア島プロジェクト8: ノアカリで事業開始説明会を開催
2013年8月21日(水)17:00



※JICA草の根技術協力支援事業(パートナー型)である「コミュニティラジオによる早期災害情報提供を活用した地域住民災害対応能力強化プロジェクト」は、バングラデシュのノアカリ県ハティア島およびニジュンディップで、①島民が必要とする正確な気象・災害情報を公平に伝達し、②災害情報を島民が正確に把握し避難行動に移せるよう、支援を行うものです。実施期間は2013年3月15日~2017年8月31日です。プロジェクトの概要はこちら。
● ノアカリでのワークショップ開催
6月10日に開催したハティア島での事業開始説明会に続き、6月16日にノアカリの県行政長官事務所で事業開始説明会を開催しました。ノアカリ県はハティア島が属する県で、バングラデシュ本土南部に位置しています。
当日は行政官、政府機関職員、教師、NGO職員、宗教リーダー、ジャーナリスト、活動家など様々な組織・団体から60名以上が出席しました。
今回このノアカリで事業開始説明会を行った理由は、県行政長官事務所を含むその他多くの行政組織関係者に、ハティア島で実施している当プロジェクトと開局予定のコミュニティラジオ(CR)局「シャゴール・ディップ」の紹介をして、理解を深めてもらうことで、今後様々な協力を得られることが期待される為です。
より多くの人びとに当CR局の存在を知ってもらい、さらに関わってもらうことが、今後持続的にCR局を運営していく上での重要な要素なのです。
ノアカリでの説明会は3つのセッションに分かれています。第1セッションは関係スタッフによる当プロジェクト等の概要説明、第2セッションは質疑応答およびオープン・ディスカッション、そして第3セッションはスペシャル・ゲストらによるスピーチです。
● 第1セッションの様子
説明会は15時から始まり、ハティア島での事業説明会同様、以下の流れで第1セッションは進められました。
- Md. Rafiqul Alam氏(Dwip Unnayan Songstha (DUS)代表):ウェルカムスピーチ
- 玉木杏奈プロジェクト調整員(BHN東京事務所):キーノートスピーチ
- ?Sanjoy Majumder氏(BHNバングラデシュ事務所代表):プロジェクト概要説明
- AHM Bazlur Rahman氏(Bangladesh Network NGOs Radio and Communication(BNNRC)代表):バングラデシュにおけるコミュニティラジオ局の現状説明
- ?Md. Abdullah Bin Hossain氏(国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所アシスタント・プログラム・オフィサー):バングラデシュにおけるJICAの活動概要説明
ハティア島での説明会と異なる点は、JICA バングラデシュ事務所からアブドゥラ氏が出席し、プレゼンテーションをしてくれた点です。当プロジェクトの財政サポートをしてくれているJICAの存在は現地でもとても大きく、バングラデシュでのJICAの活動に皆真剣な眼差しで耳を傾け聞き入っていました。
● 第2セッションの様子
第1セッション終了後、会場から様々な質問や意見が挙がりました。例えば 、国営放送のBangladesh Betaとの違いは何か、CR局からの放送はハティア島全体をカバーできるのか、持続的にCR局を運営していく為の案はあるのか、リスナーを増やす為の対策はあるのか、など。
これらの質問に対しては、バングラデシュにおけるコミュニティラジオ局をまとめるネットワークNGOである、BNNRCのBazlur氏が中心となって回答してくれました。
またCR局への貴重な意見として、ハティアの視聴者全員が理解できるよう、ハティア島の方言で全て放送するべきだといったコメントや、自分の所属する組織やその他の組織などと協力しコミュニティラジオを通じて啓発することで、社会課題への取り組みを強化できるだろうといったコメントがありました。
● 第3セッション
第3セッションは、ノアカリ県救済復興事務所のBorhan Uddin氏、ノアカリ県警察庁次長のParitosh Hajra氏、ノアカリ県行政長官Md. Sirajul Islam氏、そしてDUS理事長 Enamul Haque氏の4名によるスピーチです。
ハティア島の災害に対する脆弱性の高さや、過去のサイクロンの被害などを良く知る彼らは、一同口を揃えて、CR局シャゴール・ディップはハティアの人たちの命を災害から守るのに大いに役立つだろう、今後のCR局の活動に期待したいといった言葉を述べました。
ハティア島とノアカリの2カ所で行った事業説明会は、行政長官など貴重かつ重要な参加者に恵まれ、また多様な組織のリーダー達の出席も得ることが出来ました。引き続き彼らとのつながりを大切に、今後は今回出席しなかった人びと、特にハティア島に住む人たちに対し説明や意見交換を行っていく予定です。
※現地での写真はFacebookの写真アルバムをご覧ください。
>>バングラデシュ・ハティア島プロジェクトに関する前の記事はこちら
バングラデシュ・ハティア島CRプロジェクト
玉木(プロジェクト・オフィサー)