2014年2月:宮城県石巻市・東松島市及び南三陸町等における被災者の地域コミュニティ支援事業報告

2014年4月7日(月)16:55

 

首都圏に記録的な大雪をもたらした低気圧が北上し、2月8日から9日朝にかけて宮城県・石巻地方でも38cmの積雪を記録しました。これは、この地域における観測史上2番目となる積雪量で1923年以来91年ぶりの大雪となりました。この雪により、JRの運休、三陸道の通行止め等交通機関や市民生活に大きな影響がでました。

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仮設住宅団地では、住民らが協力して除雪している姿や、休日にもかかわらず率先して高齢者所帯の雪かきを手伝う大学生等のボランティア活動を伝える報道がありました。

この月の最大の出来事は、なんといってもソチ五輪フィギュアスケート男子シングルで宮城出身の羽生結弦選手が世界の頂点に立ち、金メダルに輝いたことでした。自身が被災者であった羽生選手が東日本大震災を乗り越えて栄冠をつかんだことは、復興に向けて歩む被災地の人々に大きな希望をもたらしました。

自治会役員向けパソコン研修

2月の「仮設住宅団地の自治会役員向けパソコン研修」は、石巻市・仮設水押球場団地、仮設山崎前団地、東松島市・赤井下区ふれあい公園仮設住宅、登米市・横山第1・2期仮設住宅、南三陸町・中瀬町仮設住宅の5ヶ所の仮設住宅団地を対象に実施しました。

今月は、「石巻市・仮設水押球場団地での自治会役員向けパソコン一人研修」の模様を報告します。

 

仮設水押球場団地では、旧北上川に隣接した市営水押球場のグランドに建てられた126戸に約280名の方々が生活しており、当会は昨年2013年8月よりインターネット設備環境を提供してきました。当初パソコン研修も予定していましたが、自治会前会長の体調不良等で延び延びになっていました。

 

今回、会長が交代し、新会長の要望により研修実施の運びとなりました。研修当日の集会所ではお茶会が開かれており、ちょっと騒がしい中での一人研修にもかかわらず、自治会を引っ張っていくという気概に溢れ、パワーポイントを使った回覧チラシの作成に熱心に取り組んでいました。

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インターネット設備環境の巡回点検

2月も引き続き、仮設住宅団地に設置したインターネット設備環境の巡回点検を行いました。

石巻市・仮設にっこりサンパーク団地、仮設飯野川校団地、仮設大森第3団地、仮設大森第4団地、仮設開成第1団地、仮設押切沼団地、仮設糠塚前団地、仮設糠塚団地、仮設前山団地、東松島市・堰の内南仮設住宅の10ヶ所の仮設住宅団地を訪問し、パソコン・プリンタ点検等メンテナンス作業を行いました。

 

今月は、先ず、「石巻市・仮設大森第3団地の巡回点検」模様を報告します。
仮設大森第3団地は、216戸約350名の方々が暮らす仮設団地で、石巻市中心部より約8Kmの静かな環境の中にあります。

自治会長は外出で不在でしたが、副会長立会いのもと点検しました。マイクロソフトのプログラム更新もしっかり実施しており、特に問題はありませんでした。

 

この団地の一部で最近、家屋の傾斜が見つかり、改修工事が必要ということから住民説明会があったそうです。「家屋の傾斜は健康被害をもたらすとのことで早急に改修工事に入ることになるだろう。集会所近辺は幸いにして対象外だった。」と副会長は話してくれました。

 

次に、「石巻市・仮設にっこりサンパーク団地の巡回点検」模様を報告します。

仮設にっこりサンパーク団地は市の中心部から約25km。新北上川を望む運動公園内に建てられた178戸、約450人が生活する仮設団地です。

 

宮城事務所を出発するときは晴天でしたが、目的地に着くころにはすっかり曇り、雪空になってしまいました。

自治会会長には事前アポをとっていましたが、急用が出来たということで「集会所の鍵は開けておくので点検してほしい」とのこと。点検は異常なしでしたが、マイクロソフトのアップデートが入っており更新にちょっと時間を要しました。完了し、外に出てびっくり。吹雪で雪が5cmほど積もっていました。

 

新北上川は堤防の嵩上げのため、ダンプカーがひっきりなしに動いており、道路は泥だらけです。対向車に泥をはね上げられると一瞬前が見えなくなってしまい、たいへん危険な状態に陥ります。お互いスピードは出さずに運転していますが、車が真っ黒になるため、今の時期は誰もが敬遠したい方面です。しかし、こんな時期だからこそインターネット設備環境の重要性を考え巡回点検を実施しているところです。

 

石巻周辺被災者支援事業担当 有馬修二(参与)

     

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