2014年9月:宮城県石巻市・東松島市及び南三陸町等における被災者の地域コミュニティ支援事業報告

2014年11月6日(木)15:25

 

● 様々なイベントが開催

3.11東日本大震災から3年半の時が過ぎました。 今年の秋は、被災地でも収穫の季節を迎えました。

東日本大震災による塩害などの影響を調査するため、震災後初めて試験的に作付けされていた宮城県石巻市・大川地区長面(ながつら)工区と宮城県東松島市・野蒜(のびる)地区では、4年ぶりの稲刈りが行われ、満面の笑みで刈り取りする農家の方々の姿が伝えられました。

また、全国有数のサンマの水揚げを誇る宮城県牡鹿郡・女川(おながわ)町では9月21日(日)、新鮮なサンマを振る舞う「おながわさんま収穫祭」が開かれました。町内外から訪れた大勢の家族づれなどが、女川港に水揚げされた旬のサンマの炭火焼き等を堪能している姿が伝えられました。

9月14日(日)、被災地を自転車で走る「ツール・ド・東北2014」が開催されました。 この大会は昨年、復興を支援し震災の記憶を未来に引き継いでいく目的で創設さたものです。石巻専修大学(宮城県石巻市南境新水戸1番地)キャンパスを発着点として、「宮城県牡鹿郡・女川町~宮城県本吉郡・南三陸町~宮城県・気仙沼市の沿岸部」を走る4コースが設定され、国内外から約2,800人の愛好者が参加しました。

順位やタイムを競わない方式であることから、愛用の自転車で初秋の風を受けながら、復興状況を確認し、休憩ポイントでは、地域住民が振る舞うホタテ焼き・サンマつみれ汁等、地元の海産物を使った郷土料理のもてなしを受け、交流の輪を広げていました。

今回は、米国ケネディ駐日大使が参加し、被災地の現状を確認しながらペダルを漕ぐ姿や「女川汁」を試食している様子等も報道され、大いに盛り上がった一日となりました。

● 被災者の地域コミュニティ支援の継続

当会は、石巻市、東松島市、登米市及び南三陸町に広く点在する仮設住宅団地を対象に「被災者の地域コミュニティ支援事業」を実施しています。2014年9月末現在、38か箇所の仮設住宅団地を対象にパソコンを設置し(このうちの28か所には、更に光インターネット回線を加えて)、続けている事業です。

当事業は「仮設住宅団地の自治会役員向けパソコン研修教室」と「インターネット設備環境の巡回点検業務」の二つを支援事業の柱として実施してきました。2013年末までは現地スタッフ4名、週3日体制で実施してきました。仮設住宅団地の自治会役員のパソコン習熟度向上に伴い、2014年1月からは現地スタッフ2名、週1日体制に絞りながら事業の継続をしています。

●  インターネット設備環境の巡回点検

さて、今月は日程上の都合から、いつもの「自治会役員向けパソコン研修」は実施せず、仮設住宅団地に設置したインターネット設備環境(インターネット回線、パソコン、プリンター等)の循環点検のみを行いました。

石巻市に点在する仮設糠塚団地、仮設糠塚前団地、仮設山崎前団地、仮設黄金袋団地、仮設桃生中津山団地の合計5カ所を訪問し、パソコン・プリンタ点検等メンテナンス作業、ノートンのアップデート、スキャン作業を行いました。

また、各仮設住宅団地の自治会長さんから設置したパソコンの利用状況等について聞き取りしました。全ての自治会長さんが一番目に挙げたのは「石巻仮設住宅自治連合推進会との連絡」でした。当初は、電話連絡や郵送で届けられていた資料等が、今ではインターネットのメール添付で届けられ、いち早く内容が確認でき仮設住宅団地の住民に周知できているとのこと。

その他インターネットで行政のホームページ等を閲覧し、市の行事予定や支援状況等が把握でき、申請等に役立ったこと等も挙げています。その後、落ち着いてきた頃は、各仮設住宅団地の「自治会内の周知文書作成・印刷」や「イベント企画・案内のチラシ作成・印刷」等に利用してきたとのことです。

なんといっても、「仮設住宅団地の自治会役員向けパソコン研修」が一番よかったことが判りました。

インターネット設備環境を整えてもらっても、これまでパソコンに触れたことがない役員が多くインターネット設備環境を使いこなせませんでした。しかし、当会のインターネット設備環境整備に合わせて開始した「各仮設住宅団地へ繰り返し出向いて実施したIT出前研修型のパソコン教室」のおかげで、インターネット検索、メール送受、イベントチラシ作成等ができるようになったと大変感謝されました。

残り少ない事業期間となりましたが、今後も快適に使用していただくために巡回点検、パソコン教室を継続していくこととします。

以下写真は、石巻市・仮設桃生中津山団地の様子、宮城県石巻市・新蛇田地区被災市街地復興土地区画整理、災害公営住宅建設の様子です。

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当事業収支報告書はこちら

石巻周辺被災者支援事業担当 有馬修二(参与)

     

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