第1次飯舘村被災者支援事業概要

2012年6月4日(月)10:00

 

「避難所生活が終われば、仮設住宅に入る人、県外に移る人、仲間がちりぢりになりコミュニティがくずれてしまう。ネットの力で地域の絆を繋ぎ止める。」「つながりさえすればネットは力を発揮する(管野村長談)。」 東北大震災による原発事故で、計画的避難を余儀なくされた福島県飯舘村被災者支援情報ネットワーク事業(までいかえるネット構築事業)はこうしてスタートしました。

本事業では、役場と避難住宅の集会施設をインターネット回線で結び、パソコン、テレビ電話、テレビ会議システム、健康管理にも配慮した遠隔健康相談システムや介護予防体操システムなどを整備しました。しかし回線の整備には、かなりの時間を要しました。

 

第一次避難先のネットワーク整備は、被災者の動きが慌ただしくかつ大きかったことから、見送り。また被災地3県が一斉に仮設住宅の建設を進めていたことから、回線整備のための作業員確保の難航、放射能汚染の風評と県内業者の申し合わせによる、一日あたり限られた作業時間に沿った整備日程の調整による遅れ、さらには借上避難住宅の集会場の扱いを巡り、居住用に限るといった意見との調整など、紆余曲折を経てようやく27の仮設避難住宅集会場等(29ヶ所)にインターネット回線が整備されました。

一方、本事業で整備したシステムの円滑な利用促進のため県の緊急雇用創出基金事業「がんばろう福島!“絆”づくり応援事業」によるICT支援要員の雇用も行われています。

本事業の成果の一つとして、インターネット回線の整備が上げられます。回線の整備により各仮設住宅が結ばれ、遠隔健康相談も可能となったことから、村では県の「地域支援再生作り助成事業」を利用し、仮設住宅に住む60歳以上の高齢者を対象に「仮設住宅入居高齢者健康管理事業」の実施が計画されています。

今後の課題として、これから村の中核を担う壮年層や60歳未満の村民の健康配慮があげられます。現在「飯舘村全村見守り隊」として、放射線量による活動制限の中、3交代で活動する約400名の村民や役場職員及び支援する村民の方々、借り上げ住宅等に住む村民の方々などが対象です。当協議会では、第二の被災者支援事業として、医療NPOと協力して健康相談や医療相談の取り組みを始めています。

?事業担当:藤田・秦

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