台東区協働事業を総括するワークショップを実施

2025年4月23日(水)15:08

 

災害時の「伝え方・受け取り方」を地域全体で考える

BHNと台東区は、令和6年度実施協働事業として「災害情報マネジメント」をテーマにしたワークショップを開催してきました。最終回となる第五回ワークショップ(2025年3月4日)では、これまでの成果を振り返るとともに、災害時の情報発信をアナウンスする、実践型の演習を行いました。

 

 

■これまでの学びの共有

 

ワークショップの前半では、BHNの瀬戸 義章より、過去の振り返りが行われました。

 

第一回(対象:台東区職員)では、災害情報の優先順位付けや、LINEによる発信の有効性等を学びました。第二回(対象:外国ルーツの住民)では、「やさしい日本語」や多言語放送の重要性が共有されました。第三回(対象:障害当事者と支援団体)では、災害時のスマートフォン活用や、日常的な関係づくりの意義が語られています。そして、第四回(対象:町会・マンション理事会等)では、災害時の連携と具体的な伝達手段(LINE、防災地図、スターリンク等)について、各自の取り組みが紹介されました。

災害時にはデマや誤情報が飛び交いやすいため、「正しい情報を入手し、身近な人へ伝えること」が重要です。技術や制度だけでなく、「伝える人の顔が見える関係性」が、誰一人取り残さない地域づくりに欠かせないことを、改めて参加者に問いかけました。

 

台東区職員や、町会関係者、NPO職員など多様なメンバーが参加

 

※ワークショップ第一回~四回までの様子は、2024年12月26日の活動レポートに掲載しています。

 

 

■災害時の「ゴミの出し方」をアナウンス

 

後半は、BHNの前田 牧絵の進行で、災害時の「ゴミの出し方」について、アナウンス原稿を作成し、ミニFMの機材で実際に読み上げる実践をおこないました。

 

BHN前田による災害情報アナウンス体験を実施

 

ゴミの出し方についての原稿をまとめる

 

参加者は台東区職員や町会関係者、NPO等立場の異なるメンバーの混成チーム。まずは事前に用意した資料をもとに、「臨時集積所の場所」「衛生リスクの高いごみ(糞尿・生ごみ等)の扱い」「大型廃棄物の分別と搬出方法」等について、音声だけで分かりやすく伝える工夫をした原稿を作成します。そして、ミニFM(微弱電波でのラジオ放送)の機材を使って、マイクに向かって語りかけてもらい、持参したラジオで聴いてもらいました。

 

ミニFMの機材で実際に放送

 

参加者からは、下記のような声が寄せられました。

 

「災害ラジオのアナウンスを実際にやってみることができてよかった」

「情報の取捨選択、わかりやすい言葉の使い方等、実際にやると難しかった」

「伝えることの難しさを体験できて、自分の中の気づきになった」

「発信だけでなく、被災者を元気づけるような放送があってもいい」

 

この1年間、BHNは行政や町会、外国人住民、障害当事者、NPO等多様な人々と手を取り合いながら、「情報の助け合い」の可能性を広げてきました。今後も、台東区や他地域でこの活動を発展させていきたいと思います。

 

 

プロジェクトオフィサー 瀬戸 義章
 

 

     

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