【望さんのボランティア体験レポート】
2019年3月15日(金)10:37
〇『望さんのボランティア体験レポート』とは
今年の2月から9月までBHNでボランティアとしてお手伝いして下さっている、武田望さん(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科4年生)が、BHN受託プロジェクト『APT-J4人材育成プログラム』で宮城県仙台市への研修に同行参加しました。その時の旅の思い出や研修生の様子をレポートして下さったのでご紹介します。
アジア太平洋電気通信共同体(APT)よりBHNが受託している人材育成研修が、2019年2月19日から3月1日の約2週間にわたって行われました。BHNの活動の3本柱の一つ、人を育てる支援の一貫として、今回はアジア太平洋地域の9カ国、ブータン・中国・ミャンマー・ラオス・マレーシア・インド・ネパール・ツバル(順不同)から情報通信主管官庁の若手行政官9名を迎えて、研修を実施しました。
今回私はボランティアとして、仙台への研修に同伴させていただきました。
仙台では、東北大学の災害科学国際研究所と電気通信研究所、国立研究開発法人情報通信研究機構 耐災害ICT研究センター、そして東日本大震災の被災地でICT技術を活用した先端農業を行っているいちご農家GRA(General Reconstruction Association)を見学訪問しました。
震災を経験した仙台では、特に災害や農業へICTを活用する取り組みが先進的に行われており、これらの取り組みを学んで、自国で新たなICT利活用の方法を模索しようとする研修生の方々の、真剣なまなざしが印象的でした。
また、この約2週間のプログラムを終えた研修生の方々に感想を聞きました。
Q: このプログラムで新たに学んだことは何ですか?
インド:
SDGs達成のためのICT活用についてや、自国の課題をICTを活用してどのように解決することが出来るのかについてヒントを得た。特に、仙台において、過疎地域における高い失業率、農家の高齢化や働き手不足等の問題を、ICT利活用によって効率化しコスト削減につなげていたイチゴ農家の取り組みは、勉強になった。
中国:
中国ではEコマースを活用したビジネスの効率化など、経済発展を目的にしたICT利活用に重点が置かれている一方、日本のICT政策や取り組みにおいては、SDGsのための活用や、少子高齢化や防災などの社会課題の解決により重点が置かれていることを学び、今後自国においてもそのような取り組みに力を入れていきたいと思った。
ラオス:
5Gなどの新しいテクノロジーを使ったICT政策など、今まで知らなかったことが学べた。
ツバル:
ICTについては、特に農業について多くを学んだ。ツバルでは現在も農家が手作業で農業を行っているが、ICTを活用すれば、農業における時短化・効率化を実現出来るのではないかと思った。
Q:BHNの印象を教えてください。
ブータン:
はじめはボランティアの年齢層の高さに驚いたが、たくさんの経験豊富なエキスパートと知り合うことが出来た。この研修を実現させてくださった皆さまに感謝している。
モンゴル:
とてもよかった。将来私の国からもっと多くの人が研修を受けに来られたら良いと思う。日本は私の国に比べて発展しているので、日本で学ぶことは助けになる。
ミャンマー:
BHNはミャンマーでソーラーパネルの設置など様々な活動をしており、とても助けられている。感謝している。
Q:BHNへのメッセージはありますか?
ネパール:
また近い将来トレーニングを運営して下さることを楽しみにしている。
マレーシア:
良いイニシアチブだと思うので、今まで行ってきた事業を続けつつ、羽を広げるように支援国を広げられるのではないか。
研修生の方々は気さくな方ばかりで、特に研修終盤ではBHNのボランティアの方々を交え歓談したりと、和やかな雰囲気でした。今回の研修での縁が、今後も続いていくことを願います。
ボランティア 武田 望