【危機管理演習を実施しました】

2020年1月29日(水)13:39

 

「事業地でスタッフ2名が負傷した!近くの病院に搬送中」。1月20日、12時55分、パアン事務所からの1本の緊急電話連絡からはじまった今回の危機管理演習は、『ミャンマーの事業地で少数民族武装勢力同士の小競り合いが銃撃戦へと発展し、その流れ弾に邦人スタッフとローカルスタッフがあたって重傷を負う』という想定のもとで行われました。理事長以下、危機管理本部メンバー、実施協力者、そしてミャンマーカレン州のスタッフを含め、総勢34人が参加しました。

 

外部関係者への連絡を行う情報チームと総務班

 

ホワイトボードを使って情報共有をしました

 

第一報以降、次々と現地からもたらされる情報に応じて、危機管理本部メンバーは外部関係機関への連絡、家族対応、マスコミ対応、現地へのスタッフ派遣や医療搬送の手配等に追われ、3時間の演習が終わったときには、「疲れた~」との声があちらこちらから聞かれました。

 

家族対応を行う担当者。家族の連絡先確認のために電話中

 

マスコミ対応班による記者会見も行われました

 

シナリオを確認しながら、迫真の演技で家族役に臨むスタッフ

 

演習協力者が集まるバックヤード。写真右下のパソコンで事務所の様子をチェックしながら演習を行いました。

 

NGOが海外で支援を届け続けるためには、組織としての安全対策をしっかりと行い、スタッフや地域住民、関係者の安全を確保する必要があるということは言うまでもありませんが、どんなに対策をしても、事故や事件に巻き込まれたり、病気になったりするリスクをゼロにすることはできません。

万が一活動中にそのようなことが起こってしまった場合には、迅速かつ適切な判断と行動によって命を守り、被害を最小限にとどめ、そして家族や多くの関係者に対してしっかりと説明責任を果たさなければなりません。この万が一の時の対応を間違えると、組織にとって致命的な結果を招くことにもなりかねません。そんなことにならないよう、万が一の事態にも日頃から備えておくことが重要です。

今回の演習は危機的事象が発生した際にそれぞれが役割に応じて対応ができるか、安全管理・危機管理マニュアルの内容に不備はないかを検証することを目的に実施しました。

一部のスタッフ・ボランティアの皆さんに外務省、現地大使館職員、家族、マスコミ等、様々な役を熱演してもらい、電話やメール、対面でのやりとりとりを行うことで、リアリティと緊迫感のある演習としました。中でも、現地で重傷を負ったとされるスタッフの母親役の迫真の演技は見事で、家族対応の担当者が「本当の母親に間違って電話をかけてしまった!」と勘違いして慌てる場面もあるほどでした。

 

全体でのふり返りでは多くの改善提案が出されました

 

演習後の振り返りで出された課題・改善提案を、次の安全管理・危機管理マニュアルの改定に反映させ、さらなるBHNの安全管理向上につなげていきたいと思います。

 

事務局次長 秋場美奈子

 

     

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