【バングラデシュ】ハティア島プロジェクト28:みんなで歌ってみよう!台風ロックンロール ー小学校での防災ビデオを上映ー

2015年6月11日(木)13:50

 
※JICA草の根技術協力支援事業(パートナー型)「コミュニティラジオによる早期災害情報提供を活用した地域住民災害対応能力強化プロジェクト(バングラデシュ・ハティア島)」の概要はこちら

このプロジェクトでは、災害時におけるラジオの役割を知ってもらうことと、子どもたちの防災意識を高めることを目的として、小学校で行うAVコンテンツ「台風ロックンロール」を作成しました。

子どもたちが、楽しみながら防災について知識を身につければ、子どもたちに促されて大人も避難をするようになり、サイクロンが来た時に子どもたちはもちろん島のみんなの命も助かるでしょう。

このAVコンテンツは、和歌山大学のご協力により作成したもので、昨年12月にハティア島の小学校で視聴してもらい子どもたちの反応を聞かせてもらったことを以前報告しましたが、その後改良したものを、現在島内の各小学校で実施しています。

スタッフ:サイクロンって知っている?

子どもたち:知っている!

スタッフ:強い風が吹いて家が壊れたりして学校に行けないよね。人が死んでしまったり、牛やヤギなども死んでしまったりすることもあるよね。そうならないように、サイクロンが来たとき、どうしたらいい?

子どもたち:サイクロン・シェルターに行く!

だれもがシェルターに行って身を守ることの大切さは教えられており、知っています。しかし、「家からシェルターが遠い、狭い」「家畜や家財を守るため、家にじっとして通り過ぎるのを待つ」「アラーに祈る」と言い、シェルターに避難しない人も少なくありません。

サイクロンが来たときに、自分たちや家族を守るためにどうしたらいいのか。それを歌にしたビデオ「台風ロックンロール」を小学3-4年生のクラスで見てもらいました。

 

その後、ビデオの場面をスライドにしたものを、スタッフがクイズ形式にすることで内容への理解を深めました。

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スタッフ:みんな心配そうに何か聞いているけど、(ラジオの絵を指して)これは何?

子どもたち:ラジオ

スタッフ:ラジオで何を聞いているんだと思う?

子どもたち:サイクロンの状況や避難したほうがいいのかを聞いている

スタッフ:これは何をしているところ?

子どもたち:お母さんが家族みんなでシェルターに行こう!って家族みんなに声をかけているところ。

スタッフ:これはどんな場面だと思う?

子どもたち:みんな笑っている

スタッフ:サイクロンが去ったあと、家が壊れたり木が倒れてしまったりしているのに、なんでみんな笑っているのだろう?

子どもたち:うーん…

スタッフ:家族でシェルターに避難したことで、家族みんなが無事だったらうれしいよね。子どもたち:うれしい!

スタッフ:もう一度ビデオを見て、一緒に歌ってみよう!

スタッフが手拍子をして、歌い始めると、字幕を見ながら子どもたちも一緒に歌い始めました。
その時の様子は、こちら

終わってからの子どもたちに感想を聞くと、楽しかった、家に帰ったら家族に今日のことを話するよ!との声。先生からは、音源と歌詞や避難の大切さが書かれた紙があれば、子どもたちにより伝えやすいし、継続して伝えることができるとのコメントをもらいました。

コミュニティ・ラジオ(CR)が開局したら、毎日のラジオからこの音楽や様々な情報が流れることで、住民の意識に避難の重要性が根付く。災害時には、CRを通じて避難のよびかけを知り、シェルターに行く。そのことで多くの命が助かる。

そのような役割をCRが担えるよう、地域のボランティアとともに、CR開局に向けた準備を進めています。

プロジェクト・コーディネーター

内山智子

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