【バングラデシュ】ハティア島プロジェクト31:ついに開局!ラジオ・シャゴールディップ

2015年12月22日(火)13:27

 
※JICA草の根技術協力支援事業(パートナー型)「コ ミュニティラジオによる早期災害情報提供を活用した地域住民災害対応能力強化プロジェクト(バングラデシュ・ハティア島)」の概要はこちら

バングラデシュのハティア島で、ついにコミュニティラジオ局の開局式を迎えることができました。

ハティア島は、川の水流により運ばれた土砂が堆積してできた平坦な島で高い所でも水面より5~6mの高さしかなく、毎年サイクロンなどの自然災害による危機にさらされています。また、電気が通っているのは島の中心部のみであり、いわゆるインフラ開発も遅れている地域です。
この小さな島に約30万人が暮らしていますが、ラジオやテレビから放送される入ってくる情報は首都ダッカのニュースが中心で、この島に特化した情報は流れません。そのため、地域住民からは地域情報を伝えるコミュニティラジオの開局に大きな期待が寄せられています。

2015年12月現在、バングラデシュは、外務省の海外安全情報によると「レベル2(不要不急の渡航中止)」となっています。今回の開局式でも、渡航を控えるべきか直前まで調整が続きましたが、予定どおり当会・藤田理事長も出席し、11月12日(木)無事に開局式を迎えることができました。

開局式には、内務大臣やJICAバングラデシュ所長の出席が決まり、当初の予定よりも盛大に行われることになりました。それからは、「この小さな島に内務大臣がやってくる!」と、掃除をしたり看板を設置したりの大騒ぎで、準備は万端に整えられました。


?

会場には、大勢の島民たちが集まり、警察官が取り囲む中、内務大臣、情報省次官、JICAバングラデシュ所長等から挨拶をいただき、開局が宣言されました。


この開局式では、放送資機材(タワー、スタジオ機材、ソーラーパネル)の引き渡し文書の調印式も行いました。今後は、パートナーNGOであるDUSが機材の適切な使用とメンテナンスを行っていくことになります。

この度やっと開局式を迎えることができましたが、プロジェクトはこれからが本番です。このコミュニティラジオ局が、島の人たちにとって有益かつ身近な情報源となるよう、地域のボランティアたちと共に活動を行っていきます。必要とされる情報、正しい情報が放送されるラジオ局として信用を得ることで、災害時には一人でも多くの命が助かることを目的に、今後も活動を行っていきます。

プロジェクト・コーディネーター 内山智子

寄附をする