ハティア島プロジェクト26:早婚や結婚持参金を減らすために 

2015年4月14日(火)10:22

 
※JICA草の根技術協力支援事業(パートナー型)「コミュニティラジオによる早期災害情報提供を活用した地域住民災害対応能力強化プロジェクト(バングラデシュ・ハティア島)」の概要はこちら

このプロジェクトで開局予定のコミュニティラジオは、防災情報だけではなく、地域住民が抱える課題を伝え、啓発していくことも目的としています。住民にラジオで伝えてほしい情報について聞き取りを行った際、この地域には早婚と持参金の問題が大きく、そのことを取り上げてほしいとの要望がありました。そこで、2015年2月14日、早婚と結婚持参金について宗教指導者や行政官などをとともに考えるワークショップを開催しました。

バングラデシュでは、近年少しずつ減ってはきているものの、女の子は12、13歳で結婚をさせられてしまう早婚がまだ残っています。また、結婚の際に夫の家に持参金(お金、やぎ、牛など)を差し出す習慣が各地にあります。その持参金を少なくするためにも年齢の低いうちに(条件の良いうちに)結婚させる早婚がなくならないのです。

この日のワークショップには、宗教指導者や弁護士のほか、行政職員や地元の記者、主婦など、20人ほどが集まり、早婚と持参金がなぜ行われているのか、その原因と弊害について話をした後、その解決のために何ができるか意見交換を行いました。

 

宗教指導者からは、イスラム教では持参金は禁止されていることや、早婚の弊害についてマドラサ(宗教学校)などで伝えていく、との話がありました。また、行政官からは、結婚できる年齢は、男性は21歳、女性は18歳であり、登録の際には卒業証明や身分証明書の提示が必要であり、それがない結婚登録はさせないとの発言がありました。また、バングラデシュの法律には、女性の権利は男性と同等であることが明記されており、早婚や持参金はこの法律に違反しているということを、島の住民に知ってもらうことの重要性などが語られました。

参加者からは、早婚や持参金といった社会課題を地域の人々に意識づけていくために、コミュニティラジオというツールは有効であるとの大きな期待が寄せられました。

今後も、コミュニティラジオ・プロジェクトを通じて、様々な社会課題解決のための話し合いを続けていきます。

Md.アシュラフ・ウディン(DRR コーディネーター、DUS)

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