第24回BHN人材育成プログラム前期研修 

2023年4月18日(火)14:28

 

―久しぶりに10名の研修員を迎えてのオンライン研修―

第24回BHN人材育成プログラムの前期研修は、2023年3月3日から3月31日の間実施しました。

コロナが世界的に蔓延した影響で大幅な変更を余儀なくされた前期と後期の研修日程を新たに望ましい形にすべく、第24回前期研修の23年3月開催を目指して、昨年12月初めに修了した第23回後期研修後、間髪を入れず、従来の9カ国の派遣元に新たな研修員募集のための招待状を送ることを皮切りに準備を開始しました。招待状と一緒に直近の第23回前期と後期研修の研修内容を説明して派遣元にBHN人材育成研修に対する理解を更に深めてもらい、広い視野を持ちバランス感覚と国際感覚を養成して「情報通信分野の将来のリーダー育成を目指す研修」という本研修の狙いに沿った候補者の選定をお願いしました。その結果、今回は招待国9カ国全てから合計20名の候補者の推薦がありました。その中には直近3回を欠席したインドネシアからも参加表明があり、更に前回欠席したウズベキスタンからは本研修のOGでデジタル技術省国際部門のヘッドになっている本研修の窓口責任者から是非2名派遣したいとの熱心な要請があり、検討の結果招待する研修員を9カ国から10名とすることにしました。

今回も推薦された有力な候補者20名から10名を選考するという難業に選考委員一同頭を悩ませましたが、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、スリランカ、ウズベキスタン、ベトナムから精鋭を10名(ウズベキスタンから2名、他の国は各国1名)、その内訳は男女5名ずつ、技術系6名・事務系4名という構成です。

 

研修員一覧表 (画像をクリックするとPDFが開きます)

 

今回の前期研修もマレーシアマルチメディア大学(MMU)教授陣に講義をお願いして実施しましたが、準備時間が限られていたこともあり対面方式ではなくオンラインリアルタイム方式(OR方式)での研修としました。

OR方式は研修員のマレーシアへの移動が不要になるメリットがありますが、一方プログラム作成にあたって考慮すべき事として、参加9か国とマレーシアとの時差、研修員の受講場所が職場か自宅かにかかわらず、数週間にわたり毎日長時間連続受講する事は、研修員自身の職場や家庭での時間調整問題が発生します(職場の問題は、事前に当方より派遣元責任者を通し要請し研修員の上司や同僚の理解と協力の取得を確認していました)。研修期間については、最終的に従来の4週間から3週間に短縮、1日当たりの講義時間を4時間として、1教科当たりの講義時間を従来の30時間から20時時間にする一方、講義内容については従来のレベルを維持することについてMMU教授陣と何回か打ち合わせを重ねて理解と協力を得ることが出来ました。MMUでの前期研修は、後期研修と違って講義は技術系向けの教科2教科と事務系向けの教科2教科ずつと全研修員共通の教科1教科(各教科の講義時間は20時間ずつ、一人の研修員の熟する講義時間は合計60時間です。

 

■講義の時間割表 (画像をクリックするとPDFが開きます)

第24回前期研修の技術系・事務系別の強化・必要単位・講師(教授)名一覧表

 

第24回前期研修の技術系研修員向け時間割表

 

第24回前期研修の事務系研修員向け時間割表

 

OR方式の場合ですと研修員と一緒にBHNの担当者も同時受講が可能なので、受講した印象記を一部ご紹介します。先ず、研修員の通信環境にバラツキがあり全員が最初からGoogle MeetによるOR方式での講義への対応がスムーズだった訳ではなく、一部最初はスマホを併用しての受講者がいたほか、研修の初めはまだ中国に出張中だった研修員は中国で受講可能と考えていたが何故か接続が不可能でかろうじてスマホで不完全な受講を余儀なくされ、後日レコーディングされた講義でカバーしたケースも発生しました。

また、OR方式での受講に不慣れな一部研修員は当初講師との質疑応答がぎこちなかったりしましたが、講師の熱心な講義に加えリーダー格のインドネシアやフィリピンの研修員の積極的な受講姿勢が良い見本として影響を与えたこともあり、時間の経過とともに講師と研修員が一体となって活発な受講シーンが展開されました。特に最終週のプレゼンテーション手法を学ぶ講義では、実習を交えながらの講義という事もあり、研修員のボルテージは予想以上に高くなり、そこで学んだ新しいプレゼンテーション手法を早速活用して、3月31日の修了式においては動画を駆使した研修報告をして、その報告の中で研修員にとって学ぶことが大変多い研修であったと研修成果を発表しました。

最後に、筆者はこの人材育成プログラムに10年以上携わってきて、人を育てかつ日本贔屓を育てる難しさと楽しさを味わいました。これまでを振り返って、近代の政治家 後藤 新平の言葉である「材を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上とする」を思い出し、その意味するところは、それぞれの達成の価値に加え、達成の難しさを言い現わしている言葉であることを改めて実感し、人材育成という活動は、この年老いた若輩者にとって目標達成には程遠い、かなり荷の重い活動であったとの感を深く抱く次第です。

 

2023年3月31日の修了式におけるスクリーンショット

 

 

BHN人材育成プログラム・プロジェクトマネージャー

古野間 計久

     

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