珍しい「こも巻」と椿の紹介

2022年2月2日(水)11:58

 

BHN 広島事務所 沖野 啓子さんからの現地レポートをお届けします。

 

2月の声を聴くと「縮景園の梅が咲き始めた」と言うニュースを心待ちにします。

縮景園(しゅっけいえん))は広島市中区幟町にあり、広島藩初代藩主 浅野 長晟(あさの ながあきら)が別邸の庭として作らせたという四季折々の風景が楽しめる庭園です。そこではこの時期になると珍しい風景を見ることができます。

冬の寒さが厳しくなる立冬に合わせて「こも巻」が行われます。稲わらで編んだ菰(こも)を数人の庭師が松やソテツの木に巻いていきます。松には小さな腹巻のように巻くのですが、寒さに弱いソテツはしっかりグルグルと菰を巻きつけられて、藁でできた柱みたいになっています。いかにも暖かそうな出で立ちのソテツの大木がニョキニョキと立っている様子は、思わず笑顔になる冬の風物詩として親しまれています。菰まきは啓蟄の頃に外されるまで続きます。立春が近づき、少し暖かさを感じる頃になると梅林では気の早い梅が咲き始めて、同時に早春の息吹も感じることができます。

 

縮景園の「こも巻」

 

浅野氏と言えば、私の地元で散歩コースの元宇品にも縁のある椿の木があります。広島港から暁橋(あかつきばし)を渡って元宇品に入り、緩やかな長い坂道を登っていくと海を見晴らす高台に観音寺があります。ここの境内に一本の椿があり、浅野長晟の妻で徳川家康の娘の振姫(ふりひめ)にゆかりの「広島椿」と言われています。この椿は、八重椿で一本の木に咲く花の色が単色だったり、斑入りだったりと数種類の花が咲く珍しい木です。代々の浅野藩主も船で宮島参詣する折に立ち寄ったとされる観音寺で、今も大切に守られています。

 

観音寺の「広島椿」

 

寺から急な階段を降りたところに常夜灯があり、昔はここまで海が来ていたんだと驚かされます。

明るいニュースが少なく自宅待機の毎日ですが、春の気配がしたらゆっくり散歩したいと思うこの頃です。

 

BHN広島事務所 沖野 啓子

 

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