広島サミット、厳戒態勢の地元から
2023年6月2日(金)10:04
BHN広島事務所 沖野 啓子さんから現地レポートをお届けします。
2023年5月19日~21日、第49回先進国首脳会議(G7広島サミット2023)が開催されました。首脳会議の会場となった「広島県広島市のグランドプリンスホテル広島」は、地元では「元宇品(もとうじな)にある」と言っていますが、今回のテレビ報道では「宇品島(うじなじま)にある」という言い方が多かったです。
もともと島だったのが、宇品の埋め立て工事を経ていったん地続きになりました。その後、また地元民の要望に沿って小船の往来ができるように切り開き、「暁橋(あかつきばし)」と言う小さな橋を架けた宇品島(うじなじま)になったといういきさつがあります。宇品島は瀬戸内海国立公園に指定され、美しい原生林や自然海岸が保護され、四季折々の散策や自然観察に最適な場所です。
広島サミット開始前から、海岸線や宇品灯台への登り口は進入禁止になり、ホテルを守るように急遽立てたと思われる高い防護壁がいくつも設置されていました。暁橋の手前には、元宇品口という広島電鉄の路面電車の停車場があり、島民はそこを通って元宇品に入っていくのですが、そこにもフェンスが設置されて通行証が無いと入れなくなっていました。島民は不便な暮らしを強いられたことと思います。
広島サミット期間中はマツダの工場や学校もお休みになっていました。バスも電車も休日用の間引き運転になり、マイカーも自粛となる等、朝の通勤時の混み方は異常だったと聞きました。
終日飛び回るヘリの音、パトカーのサイレンが大きく響いてずっと気になりました。BHN広島事務所は元宇品口の停車場から徒歩15分くらい離れていますが、大きな通りに面していたため、警備員が数メートルごとに立っている状況が続いていて、早朝から夜遅くまで警備されていました。
普段、買い物に行くスーパーは平和公園に向かう高速道路出入り口の近くにあるため、夜間はフェンスで囲って駐車場に入れないよう厳重な警備になっていました。裏の公園は待機車両の駐車場として利用され、他府県ナンバーの車両がたくさん停まっていました。
広島サミット終了後の朝は、地元の人々や元宇品小学校の子ども達が集まって、帰っていく応援部隊の方達に「ありがとうございました」と手を振って和やかな光景だったと参加した友人から聞きました。
広島サミット開催期間中は自宅にじっとしていましたが、終了後の月曜日の午後にスーパーに行ったら生鮮食料品の棚がほとんど空になっていて驚きました。流通も止まっていた影響でしょうか。また後日、平和公園に向かう通りを通ったら、道路舗装の整備や雑草の刈り取りで見違えるようにきれいになっていました。
様々な思いをそれぞれの胸に残して閉幕した広島サミットの「世界平和」への願いが継続して世界中に届いていくことを願っています。
BHN広島事務所 沖野 啓子