令和2年7月24日、「BHN桑原基金寄附講座」 第11回講義 (8)
2020年7月28日(火)16:59








2020年度前期「SDGs実現に向けた情報通信政策」
7月24日(金)に今期・第11回目の講義が実施されました。
当面のコロナ禍対応として、今回もe-ラーニングによるオンライン講義により実施されています。
本講座の今期の講義は、今回で終了となり、次回は受講生の皆さんのレポート発表会が実施されます。
[第11回講義]「農業・漁業におけるICT」 講師:石橋 孝一郎 氏 (電通大学教授)

[講師:石橋孝一郎 氏 電気通信大学教授]
☆ 講義内容の要点
農業と漁業は、国連が提唱しているSustainable Development Goals(SDGs)の中でも、特にSDG-1 (貧困の解消)、SDG-2 (飢餓からの解放)、SDG-12(情報通信技術の振興)、SDG-14(水中生態系の保護)との関連が深く、情報通信技術を活用することで農業・漁業分野の効率化を図ることにより、上記SDGsの課題を解決できることを、具体的な事例を挙げて説明されました。
☆ 講義内容は以下のような構成になっています。
1. Introduction
2. Research on sensor technology for agriculture application
3. Sensor network in shrimp firm in Vietnam
4. Conclusion
☆ 特に強調されていたのは以下の内容です。
1.”Sensor Universe”と呼ばれるほど、世界的に多数のセンサー類が既に使用されていますが、今後もあらゆる分野で幾何級数的に導入・利用が進み、2024年には世界中で1兆個ものセンサーが使用されることになると予測されること。
2.センサーの導入は極めて広い範囲に及ぶと予想されますが、その代表的な例として次のような分野・機能が想定されること:
・大気汚染センサー ・人感センサー
・監視カメラ ・火災報知器
・車両検知器 ・水位センサー
・ひずみセンサー ・加速度センサー
・速度センサー ・雨量計
・温湿度センサー ・圧電センサー
・傾きセンサー ・太陽光パネル
3.これらのセンサーから、インターネットを通じてデータを収集し、“Big Data”としてAIにて処理することにより、社会のあらゆる分野で役立つ情報として、有効利用されていくようになること。
4.日本及び東南アジア各国にて、センサーを農業・漁業分野に活用した事例を紹介されました:
長野県では、傘が岳の山頂に積もる雪の形状から、稲作の種まき及び収穫の最適時期を予測するシステムを開発し、実用化されていること。
5. ベトナムにおいては、エビの養殖場に、水の温度・PH・酸素濃度を計測するセンサーを導入し、安定した養殖を可能にするシステムを提供し、生産性の向上を実現されていること。
参与 紀伊 寛伍