「国際科学技術コミュニケーション論」第10及び11回 「論文発表会」を実施

2020年12月25日(金)9:13

 

「BHN桑原基金寄附講座」 2020年度後学期講座

電気通信大学において、昨・2019年度に発足した本講座は、今学期は十分なコロナ対策を実施したうえで、本来の対面授業によって講義が実施されており、提携先の他大学に対してはオンラインによる遠隔授業の形態で配信されています。

研修生が、今回の講義を通して学んだことを参考にして、所属している研究室で行われている研究開発テーマ、または研修生自身が関心を持っている外部の研究開発テーマに関して発表しました。

研修生がその研究開発テーマを提案するにあたり、SDGsへの寄与の度合いや提案内容の卓越性、及びその波及効果についてアピールすることが求められていました。

 

☆発表の評価ポイントは以下のような項目とされています:

1. 卓越性

・目的と研究開発計画の明瞭さ

・イノベーションの可能性(例:画期的な目標、新しい概念、新しい取り組み)

2. 効果

・SDGsの達成への寄与

・研究開発成果の波及効果

 

☆発表及び質疑応答の時間配分は次のように定められており、短時間で要領よく発表することが必要でした:

・発表時間:7分、     ・質疑応答:7分

 

☆各研修生とも、それぞれ独創的な研究開発テーマを紹介していましたが、その中で特にユニークなものは以下の通りです:

・大雨による被害が多いアフリカの南スーダンで、河川の水位上昇を衛星で監視して、洪水が発生する前に、住民に避難警報を発するシステムを構築する方法が発表されました。

・人間の健康な生活の基本は健全な睡眠にあり、という理念の下、良い睡眠を確保することにより、人類の健康を向上させ、ひいては医療費の軽減などの社会的なメリットを実現させられるという発表がありました。

・従来、太陽電池には主にシリコンが使われてきましたが、これからプロブスカイトという物質が有望な材料として使われる可能性がある、という発表がありました。

・人類以外のすべての動物にも、人間と同じような生きる権利があるという理念の下に、食肉となる動物の屠殺の方法にも然るべき配慮を施すべき、という発表がありました。

このテーマに関連して、日本では江戸時代に、動物をみだりに殺してはならない、という「生類憐みの令」なる法律が施行された歴史的事例があるので、その内容の良い面並びに問題点をトレースしておくべきではないか、というコメントが参加者から出されるなど、活発な質疑・討論が行われました。

 

論文発表の様子(その1)

 

論文発表の様子(その2)

 

参与 紀伊寛伍

     

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