「BHN桑原基金寄付講座」 2023年度後学期講座
2024年2月2日(金)15:40
「国際科学技術コミュニケーション論」 第12回~第15回 演習:科学技術コミュニケーションに関する課題発表と討論
電気通信大学(以下、電通大)において、2019年度に始まりました本講座は、今学期も十分なコロナ対策を実施したうえで、本来の対面授業によって講義が実施されています。
今回の課題発表と討論の演習は、1月19日(金)と1月26日(金)の2回に亘り行われました。演習は、学生が今学期の講義を通して学んだことを踏まえて、所属している研究室の研究テーマ、または学生自身が関心を持っている研究テーマにおいてSDGsに関する課題と解決方法を提案し、参加者にいかに情報を発信できるかについて討論するという形で行われました。
各自研究開発テーマを提案するにあたり、SDGsへの寄与の度合いや提案内容の卓越性、及びその波及効果について示すことが求められていました。
演習は以下の日時に行われました。
第12回・第13回 1月19日(金) 5-6時限
演習:科学技術コミュニケーションに関する課題発表と討論(その1)
発表者:10名(発表時間:各10分間)
〔西野教授,松浦教授,桐本名誉教授, 三木名誉教授,榑松講師〕
第14回・第15回 1月26日(金) 5 – 6時限
演習:科学技術コミュニケーションに関する課題発表と討論(その2)
発表者:12名(発表時間:各10分間)
〔西野教授,松浦教授,桐本名誉教授, 三木名誉教授,榑松講師〕
発表の評価ポイントは以下のような項目とされています。
(1) 卓越性
(2) 目的と研究開発計画の明瞭さ
(3) 野心性,イノベーションの可能性,先端性(例:画期的な目標、新しい概念、新しい取り組み)
今回特徴的だった点として、はっきりとした声で発表した学生が多く、時にはマイクが要らないほどでした。
【研究発表について】
今回印象的だった研究発表をいくつか紹介いたします。
●「AIの開発と産業革命」(マレーシアの学生)
・「産業革命」の定義と歴史について話し、第一次産業革命→技術革命→デジタル革命と推移していることを紹介
・進歩するインダストリー4.0[第4次産業革命(進行中)]の説明
・産業労働者や研究者向けVRベースのシミュレーションとレーニング/マニュアル作成の提案とその効果等
●「Iotのためのオープンソースシリコン:SoCとハードウエアシステムについての研修」(日本の学生)
・研究内容の紹介:より高い速度と省電力のためのハードウエアへの情報処理システムを実装したチップの生産と評価
・半導体産業に関するRISC-V 世界の代表的な2つのCPUの紹介と課題
・RISC-Vの紹介
発表後のQ&Aでは、様々な質問が出され、今後の研究への新たな課題が見つけられた受講生もいました。
最後に、榑松講師(BHN顧問)から「皆さんが研究していることをSDGs目標達成に活用していただきたい。焦ることはないのでじっくり取り組んでいただきたい」との期待の言葉で課題発表の演習を終わりました。
今学期もこの2日間の課題発表と討論の演習をもって無事終了することができました。電通大の本講座担当の先生方はもちろんのこと、私ども関係者も胸を撫で下ろしたところです。
本講座は今後3年継続することを予定しており、受講した学生たちが大学院の過程を無事修了し、それぞれの立場で大いに活躍されることを期待しています。