2025年5月16日 『BHN桑原基金寄付講座』 :第6回 「農業・漁業におけるICT」

2025年5月22日(木)13:15

 

4月11日(金)からスタートしている前学期の授業科目名 「SDGsを支える情報通信論」の6回目となる授業が、5月16日(金)に電気通信大学(以下、電通大)で実施され、対面とオンラインによる授業形式で進められました。

この日は、電通大の教室に19名、オンラインでは6名の参加がありました。なお、本講座では後でビデオによるオンデマンドで受講をする学生もいます。

今回は、「農業・漁業分野におけるICT」というテーマで 石橋 孝一郎/電通大名誉教授(BHN参与)による、農業・漁業分野での遠隔情報通信(スマートアグリ・アクアカルチャー)について講義が行われました。なお、本講義も終始講義は終始英語でおこなわれました。

 

[第6回講義]: 「農業・漁業分野におけるICT」  石橋 孝一郎講師/電通大名誉教授(BHN参与)

 

電通大キャンパス 東門側の新C棟403号教室での様子

 

スマート農業システムについて説明する石橋講師

 

●スマートアグリ・アクアカルチャー(スマート農業システム)について

典型的なスマート農業システムの概要が話されました。

・スマート農業には様々なスタイルがあり、センサーで感知したデータはインターネットを通じてサーバーに送信され、その後、データベース内でデータ処理がされたのちAI システムによって分析処理されるものもあります。

・分析処理されたデータをもとに、種まき時期、水位、施肥場所やタイミング等、役立つ情報や提案が生成されます。役立つ情報や提案は農家に送信され、農家は農場に対して効果的な行動をとることができます。

・最近では、ロボットによる種まき、自動給水、ドローンによる施肥等の作業がおこなわれています。

 

また、近年の日本国内及び海外でのIoT(Internet of Things)を活用した、スマート農業の事例もYouTubeの動画で紹介され、各国の事例から、IOT利活用がSDGsの社会課題解決に有効であることが話されました。

 

●スマートアグリ・アクアカルチャーの例

IoTセンサーからのデータが農業と水産養殖にどのように有用な情報を提供するかが紹介されました。

 

例1:IoT支援農業→スマート農業
ビートセンサーを使用した植物成長センシング

 

例2:IoT支援水産養殖→スマート水産養殖
ベトナムのエビ会社のセンサーネットワーク

 

特に例2のベトナムでの水産養殖産業強化のため、エビ養殖場で行ったセンサーネットワークの研究に関しては、研究結果が細かなデータや写真を交えて説明されました。

 

●今回の講義の最終的な結論として

・IoT技術は農業や水産業の生産性向上に役立つ

・スマート農業とスマート水産養殖業は多くのSDGsに貢献している

 

最後に学生からは、以下の質問がありました。

Q1:なぜビートセンサーが低消費電力なのでしょうか?

A:ビートセンサーはセンサー内の各送信器にID番号をふり、そのIDの信号だけを送信する仕組みなので、消費電力を抑えることができます。

 

講義最後の質疑応答で発言をする学生

 

ビートセンサーについて説明をする石橋講師

 

今回参加した学生たちは、動画を通じて世界の様々な環境の中でICT農業システムが活用されていることを知り、興味をもって授業に集中していた様子でした。

電通大での学びを活かし、今後も更にIoT市場規模を拡大させる人材として活躍して欲しいと思います。

 

     

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