「BHN桑原基金寄付講座」2020年度講義、無事終了!

2021年2月4日(木)14:15

 

大学院生対象の「国際科学技術コミュニケーション論」

 

去る1月29日の最終回講義では、「科学技術コミュニケーションに関する課題発表と討論」が活発に行われ、無事終了することができました。電気通信大学の本講座担当の先生方はもちろんの事、私ども関係者は胸を撫で下ろしたところです。

 

この講座は、2020年度後学期講座として、10月9日にスタートしました。当時の新型コロナ感染者数は第2波のピークが過ぎ減少傾向にありましたが、11月に入って増加傾向に転じ、ほどなく急拡大し、年明けの1月8日には1日の感染者数は7882人を数え、予定通り講義の最終日を迎えられるか、本当に心配しました。

電気通信大学では、対面授業とオンライン授業を併用しつつ、他大学はオンライン授業で進めることで、コロナ感染対策として考えられる対策には万全を期した結果であろうと思っています。参考までに、この講座(選択科目2単位)の受講生は10名(このうち6名は留学生)で、電気通信大学博士前期課程1年生4名、交換留学生2名、オンライン授業で参加の室蘭工業大学博士前期課程2年生2名、秋田県立大学博士前期課程1年生2名です。

 

この講座の狙いは、講義と演習(ともに原則英語)によって、科学技術の国際的な活動である国際標準化、国際学会、国際プロジェクト、報道発表などを理解するとともに、それらの場面で求められるコミュニケーション力を修得することです。

これまでの十数回の講義で、科学技術の標準化、共同研究などの国際活動の仕組み、科学技術に関する報道発表の仕組み、国際機関や国際会議における活動の慣習、科学技術関連記事の文章力・コミュニケーション力等について学びました。中でも、「無線通信分野の標準化活動」(新 博行講師(NTTドコモ))、「OECDの科学技術への取り組み」(栗崎由子講師(元BHNテレコム支援協議会欧州代表)の講義が目に留まりました。今回の最終講義では、科学技術コミュニケーションに関する課題について、事前にレポートとして提出し、それに基づいて一人発表5分、質問・コメント5分で行うこととして進められました。

(経済協力開発機構:Organisation for Economic Co-operation and Development)

 

興味を引いた課題は以下の通りです。

(1)科学技術報道におけるオールドメディア(新聞)とニューメディア(インターネット)の比較

(2)ニュースメディアにおける日本と他国の違い

(3)新型コロナウィルス関連の情報収集に関する調査、フェークニュースによる弊害

(4)報道自由度国別比較とメディアの信頼性

(5)科学技術報道における正確さと分かり易さ、両立の悩み、等です。

彼等が、大学院の過程を無事修了し、それぞれの立場で大いに活躍されることを期待しています。

 

課題発表模様

 

質疑応答模様

 

 

参与 紀伊寛伍

 

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