「BHN桑原基金寄附講座」 2021年度後学期講座

2021年12月28日(火)14:27

 

第10回・第11回 授業 :SDGsに寄与する研究開発に関する課題発表と討論

 

電気通信大学において、2019年度に発足した本講座は、今学期は十分なコロナ対策を実施したうえで、本来の対面授業によって講義が実施されており、提携先の他大学に対してはオンラインによる遠隔授業の形態で配信されています。

電気通信大学での発表の様子

 

研修生が、今回の講義を通して学んだことを参考にして、所属している研究室で行われている研究開発テーマ、または研修生自身が関心を持っている外部の研究開発テーマに関して発表しました。

研修生がその研究開発テーマを提案するにあたり、SDGsへの寄与の度合いや提案内容の卓越性、及びその波及効果について課題発表と討論が求められていました。

 

発表の評価ポイントは以下のような項目とされています:

1.卓越性

・目的と研究開発計画の明瞭さ

・野心性,イノベーションの可能性,先端性(例:画期的な目標、新しい概念、新しい取り組み)

 

発表及び質疑応答の時間配分は次のように定められており、短時間で要領よく発表することが必要でした:

・発表時間:6分

・質疑応答:4分

     計10分

 なお、今回の発表会には、対面受講の受講生が14名、オンラインでは3名参加しました。

 

各研修生とも、それぞれ独創的な研究開発テーマで「義手の制御方法 手の動きの意図認識のための構造」、「X線吸収分光マップを用いた燃料電池の劣化予測」等、色々紹介していましたが、その中で特にユニークなものとして

●MITミニチーターの開発

・速度2.45m / s(8.8km / h)(重量9kg)
堅牢性、広い可動域を持つ動物型ロボット
利用が将来的に可能になる項目:捜索救助、探索行動、交通

 

●インドネシアにおけるクリーンエネルギーと健康・気候改善のための地熱の可能性
大気汚染の現状とインドネシアにおける地熱発電プロジェクトについて

地熱発電所プロジェクトを推進することにより推測される結果として
・石炭使用量を30%削減(インドネシアで)
・発電所による大気汚染を40%削減します。
・呼吸器疾患を50%減らします。
(特にベンテンとジャカルタおよび石炭火力発電所の近くの他の地域で)

 

●MCU (Memory Control Unit)を用いたバイタルサイン検出システム ICUのベッド不足がCOVID-19による数千人の過剰死亡と関連(エール大学研究)。

この研究の期待される貢献
従来のECG&PPGに代わる正確なバイタルサインの検出ソリューションを提供します。薄型、低消費電力、医療環境の悪い地域(中近東、アフリカ)でも運用しやすい。

 

●代替エネルギーから効率的にエネルギーを蓄える

新規リチウムイオン電池の電極材料としてのヘテロ原子ドープカーボン:代替エネルギーからエネルギーを効率的に蓄える。エネルギー効率と環境にやさしいことは、2030年のSDGs(貧困撲滅、不平等削減、環境保護)の達成に向けた重要な鍵のひとつとなりえます。

 

発表後のQ&Aでは、様々な質問が出され、今後の研究への新たな課題も見つけられた受講生もいました。

発表への質問をする受講生

 

今後の研究への提案と質問をされた、榑松副理事長(BHN)

 

なお、年内の講義はこの回で終了し、年明け2022年は1月7日(金)に第12回講義の開催が予定されています。

 

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