「宮城地域ICT支援プロジェクト」実施状況報告

2015年8月13日(木)16:48

 

当会は3.11東日本大震災の被災地宮城県石巻市及び周辺地域において、これまでICT技術を活用した支援活動として「宮城県石巻市等被災者IT研修・就労支援活動」及び「宮城県石巻市及び周辺市町被災者のコミュニティ支援活動」等を実施してきました。現在は、それらの支援活動を「宮城地域ICT支援プロジェクト」に集約して実施しております。

先日、2015年7月6日~7日の2日間、3.11東日本大震災から4年半を迎えた宮城県石巻市、東松島市、南三陸町及び女川町の関連個所を訪問して参りましたので、被災地の復興状況を示す写真とあわせて報告します。

●宮城県石巻市及び周辺地域における支援活動経緯
宮城県石巻市等被災者IT研修・就労支援活動として、「石巻通信ボランティアセンター/石巻テレワークセンター(2011年)」、「趣味のパソコン教室/パソコン図書館(2012年)」、「女川町高齢者生きがい講座(2012年、2013年)」、「石巻専修大学ICTオープンカレッジ(2012年第1期、第2期、2013年第3期)」及び「牡鹿半島佐須浜、東浜、大原浜ICTオープンカレッジ出前研修PC講座(2013年)」等を地元組織の協力を得て実施しました。
その後、ICTオープンカレッジ事業は被災地から継続希望が強く寄せられました。当会は継続希望に応えるため、2014年1月より「宮城地域ICT支援プロジェクト」をスタートさせ、地元復興大学に研修用パソコンを貸与して支援活動を継続しました。2014年には、復興大学主催(当会協力)で、JA石巻桃生PC講座(2014年)、宮戸市民センターPC講座第1期(2014年)、石巻専修大学ICTオープンカレッジ事業(2014年第4期・5期)等が継続実施されました。

宮城県石巻市及び周辺市町被災者の支援活動は仮設住宅団地の地域コミュニティ支援事業として、「28仮設住宅団地集会所に光インターネット回線開通工事、回線サービス提供」、「38仮設住宅団地の自治会役員向けIT出前研修業務」及び「38仮設住宅団地のインターネット設備環境・巡回点検業務」等を2012年半ばより順次開始し、指定寄附金制度終了の2014年末まで実施して終了しました。
その後、仮設住宅団地集会所に設置したパソコン等の継続使用要望が寄せられた14仮設住宅団地自治会及び石巻仮設住宅自治連合推進会に対しパソコン・プリンター等を残置し、2015年1月より「宮城地域ICT支援プロジェクト」に加えて支援活動を継続しました。

上記継続支援活動を円滑に実施するために、当会は宮城事務所を(所長 石垣正一)を存続させることにしました。

以下、2015年7月6日~7日の2日間、3.11東日本大震災から4年半を迎えた宮城県石巻市、東松島市、南三陸町及び女川町の「関連個所を訪ねた模様」及び「被災地復興状況」について、写真を使って報告します。

● 宮戸市民センターPC講座第2期研修模様
宮戸市民センター(宮城県東松島市宮戸字里81-18)において、復興大学主催(当会協力)で「ICTオープンカレッジ 宮戸市民センターPC講座第2期研修」を2015年7月週2回、8回コースで開催しました。7月7日(火)午前、4名の受講者が参加して明るい雰囲気で研修が行われていました。研修模様を、講師を担当していた阿部真司氏及び石垣雅樹氏から伺いました。

● 復興大学石巻センター訪問
7月7日(火)午後、復興大学石巻センター(石巻市役所2階)を訪ねました。当初より復興大学石巻センターで中心的活動をしている四倉禎一朗氏、伊東孝浩氏そして石垣雅樹氏からお話を伺いました。石巻専修大ICTオープンカレッジ事業第6期(2015年)は復興大学主催(当会協力)で、石巻信用金庫本店5階会議室において2015年9月中旬~11月中旬週2回、15回コースで計画されました。ICTオープンカレッジ事業は、被災地から2016年以降に対しても強い継続希望が寄せられていることが述べられました。

● 二つの仮設住宅団地自治会訪問
7月6日(月)午後、及び7月7日(火)午後、光インターネット回線契約を継承した二つの仮設住宅団地自治会(宮城県本吉郡南三陸町・中瀬町仮設住宅 佐藤徳郎自治会長、及び宮城県石巻市・仮設大橋団地 山崎信哉自治会長)のその後の様子を訪ねました。二つの仮設住宅では光インターネット回線及びパソコン等が仮設住宅団地内のコミュニティ活動に、引き続き重要な役割を果たしていることが述べられました。

 

● 石巻仮設住宅自治連合推進会訪問
7月7日(火)午後、新しい石巻仮設住宅自治連合推進会事務局オフィスを訪ねました。当会と自治連合推進会は、宮城県石巻市等指定寄附金支援活動の最初の段階から常に相談しながら事業を進めてきました。最近、事務局が新体制に変わり(山崎名誉会長、増田会長、内海事務局長)、事務局オフィスが宮城県石巻市不動町から石巻市蛇田字新立野の市営新立野第1復興住宅集会所内へ移転しました。そのタイミングを捉えて訪ねました。

被災地では、仮設住宅団地生活から新しく土地整備された街区の災害公営住宅入居や自己資金自宅建設への本格的な移行段階へ入っています。住民が減り続ける仮設住宅団地でのコミュニティ維持、新しい場所でのコミュニティ再構築の難しさが述べられました。

 

● 被災地の復興状況
東日本大震災発生後4年半を迎えた宮城県石巻市、東松島市、南三陸町及び女川町の復興状況を、写真を使って報告します。
宮城県南三陸町では、被災したまま保存されている防災庁舎跡地の周辺でも次々に嵩上工事が行われていました。

宮城県女川町では、山を削り下ろして街全体の嵩上工事が進んでいました。嵩上工事を終えた場所にはJR石巻線女川駅の新駅舎が完成し、線路は開通していました。

被災し長期間不通となっていたJR仙石線は、一部線路区間の高架工事を含む高台移転を終え、2015年5月30日に全線開通しました。JR仙石線(新)野蒜駅から(新)東名駅の線路山側は大きく削られ野蒜北部丘陵団地建設のための土地整備が進んでいました。
 

2015年6月末現在、仮設住宅には今なお約4分の3の被災者が暮らしています。大多数の被災者は2015年~2016年末にかけて土地区画整備を終えた街区へ順次移住し、新しい地域コミュニティを再構築していくことになります。当会は継続支援活動を通じて被災者に寄り添っていきます。

宮城地域ICT支援プロジェクト担当 有馬修二(理事)

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