【東日本】宮城県、被災地の今 ~東松島市でのパソコン研修会が新しい運営形態に~

2016年10月13日(木)11:18

 

3.11東日本大震災から5年半が経過しましたが、被災地の復興は道半ばです。当会が実施した指定寄附金による仮設住宅団地向け「地域コミュニティ支援事業」は、2014年12月末で終了しました。しかし、その後も集会所に設置済みパソコン及びプリンターの継続使用要望が寄せられ、現在も電話相談及び個別訪問指導を継続しています。
さらに、地元の復興大学が主催し当会が協力してきた「ICTオープンカレッジ事業」は、4年間にわたり6回開催し、2016年度からは、復興大学に代わり地元組織が中心となってパソコン研修を引き継いでいます。そのなかで当会は、集合研修用パソコン及びプリンターを貸し出す事により、支援活動を継続しています。
当会はこれら二つの支援活動を被災地・被災者に寄り添って行うため、BHN宮城事務所(所長 石垣正一)によるサポートを継続しています。なお、本支援事業は株式会社シマンテック社から寄附金を頂戴して実施しています。


宮城事務所から届けられた最近の活動状況等を写真で紹介します。

宮城県石巻市では、震災で被災した旧石巻市立病院が、JR石巻駅前に移転新築されました。2016年8月10日開院記念式典があり、9月1日から診療が開始され、市民の安心がまた一つ増えました。

石巻市蛇田新立野地区を始め、被災地には復興公営住宅が整備され、戸建て住宅の建築も進んでいる状況です。防災集団移転団地の入居者は、被災したいろいろな地域から集まってきているため、新しいコミュニティ形成が最重要課題だと言われています。

 本吉郡南三陸町では山を削った造成地に、戸建て住宅等の新築工事が始まっています。南三陸町旧防災庁舎の周辺では、大規模な嵩上げ工事が行われています。

 

 東松島市下区ふれあい公園仮設住宅集会所では、当会が過去に設置したパソコン・プリンターを使って、長期間に渡って熱心にパソコン研修会が開催されてきました。9月30日には最後の居住者が転居し仮設住宅団地は閉鎖されました。設置していたパソコン・プリンターも回収して、最後の研修会を終えました。

2016年7月28日から9月15日まで10回連続のパソコン研修会が、東松島市柳北区センターで実施されました。主催は(特活)いしのまきNPOセンターと(公財)仙台応用情報学研究振興財団、協力組織は東松島市復興政策部市民協働課、東北圏地域づくりコンソーシアム東松島市復興まちづくり推進員、そして当会でした。(公財)仙台応用情報学研究振興財団の阿部真司氏が講師を担当、宮城大学の学生数名が補助講師を担当しました。

今回のパソコン研修会の最大の特徴は、受講生募集活動・問い合わせ対応・申し込み受付業務を、「柳北区自治会長」に担当頂いたことです。講習の途中ではお茶会休憩が設けられ、受講生同士や講師との親睦が深められました。本パソコン研修会が、災害公営住宅を拠点とする新しい地域コミュニティが形成されていく、その過程の一つになっていることが窺えました。今回のパソコン研修会は大変好評で、年度末までに更に二回追加開催されることになっています。

宮城地域ICT支援事業担当(理事)有馬 修二

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