2013年11月:宮城県石巻市・東松島市及び南三陸町等における被災者の地域コミュニティ支援事業報告

2014年1月9日(木)14:00

 

● 様々なイベントで盛り上がる石巻

2013年10月から11月にかけて、宮城県石巻市及び周辺地域は、全国有数の水揚げを誇る「水産都市・石巻」の海の幸をPRする「いしのまき大漁まつり」をはじめとして、各地に伝わる「ふるさと秋まつり、収穫祭、産業祭」などで盛り上がりました。

特に、石巻市では11月2日(土)、今からおよそ400年前の1613年(慶長18年)仙台藩主伊達政宗の命を受け、現在の石巻市月浦地区からスペイン、ローマを目指してサン・ファン・バウティスタ号で出帆し、苦難の末ヨーロッパへ渡った支倉常長の「慶長遣欧使節のスペイン派遣400周年」と3.11東日本大震災で被災し余儀なく休館していた宮城県慶長使節船ミュージアム「サン・ファン館」の2年8か月ぶりの「再開館」を祝う「記念式典」が盛大に行われました。

 

 

翌11月3日(日)、石巻市内中心部では、選ばれた市民が鎧と兜を身にまとった武将姿で400年前を思わせる「伊達武者甲冑行列」を再現させました。伊達武者甲冑行列では、武家甲冑隊、伊達武将隊、花山鉄砲組、片倉鉄砲隊などに扮した約100人の武将達が街中を練り歩きました。

祭りを祝って沿道に集まった大勢の地元市民と観光客からは、大きな声援と拍手が送られ、石巻市街は夏の旧北上川の「石巻川開き祭り2013」以来の活気にあふれ、賑わいを取り戻していました。

● 自治会役員向けのパソコン研修

今月は、「登米市・横山仮設1・2期団地」での自治会役員向けパソコン研修状況をご報告します。

登米市・横山仮設1・2期団地には南三陸町の方々が暮らしています。当初の入居世帯数は78世帯でしたが、家屋修理完了等生活再建のメドがたって南三陸町に戻った方もおり、現在は61世帯の方が生活しています。

同団地では5月にインターネット環境構築が完了し、町や県からの情報収集をすること等に活用していました。自治会役員から、このインターネット環境をより一層積極的に活用して、全戸に配布する案内や総会資料等を作成できるようになりたいと強い要望があり、8月から「自治会役員向けパソコン研修」を開始しました。

 

 

研修ではパソコン基本操作から始め、インターネットでの検索方法、チラシ案内作成へと進みました。簡単な文書が作れるようになると、仮設イベントの打ち合わせや活動報告にメールを使いたいという要望が出て、メールの研修を行いました。初めてのメールに写真を添付し、仮設イベントの様子を報告することが出来たとたいへん喜んでいました。受講者全員がメールを送れるようになりたいという声も聞かれ、研修に対する熱意が直接伝わってきて教えるほうもやりがいを感じました。

毎回4~5人の自治会役員の方が参加され、10回目に達したころには、若い役員の方がパソコン操作に慣れてきたこともあり、どうしても操作手順を忘れてしまう年配の役員の方に教えることができるようになりました。11月までに合計11回の研修を行いました。

なお、当会が支援対象としてきた多くの仮設住宅団地の中には、自治会役員の一部にパソコン既修者が居るからという理由で、これまで自治会役員向けパソコン研修は不要と連絡してこられた仮設住宅団地がありました。

しかし、自治会役員向けに実施した10月アンケート調査の結果、やはり研修をしてほしいとの要望が新たに寄せられました。これらの中から、先ず押切沼団地、大橋団地、万石浦団地に対し11月から研修を開始しました。

今後、復興の進展に伴い、仮設住宅を退去する人の増加、仮設住宅の統廃合、自治会役員交代等が起こってきます。地域コミュニティ維持活動にインターネット環境活用の重要性が一層増してきます。

どの団地の自治会役員の方々も、自治会業務の向上のため意欲的に研修に参加されています。当会は、今後も引き続き、インターネット環境維持に向けた巡回・メンテナンス作業、及びメール・インターネット・パソコン活用研修等「自治会役員向けIT出前(パソコン)研修」を通して復興支援活動を継続していきます。

事業担当 有馬修二(参与)

     

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