デルタ地帯・雨期の中でのワークショップを終えて

2017年7月25日(火)14:51

 

2017年6月29日に実施したワークショップは、ヤンゴンから車で3時間以上離れたピアポンで開催しました。私たちが車でデコボコ道を進む中、バス、自転車、徒歩、小舟と様々な交通手段で学校に通う子どもたちの姿がみられました。ピアポンの街の朝は、自転車やオートバイがあふれ、活気がみなぎっています。

これまでワークショップは、農閑期である乾期に実施していましたが、今回はスケジュール調整上、雨期に開催せざるを得ませんでした。この地域に住む住民の多くは、交通手段を小舟に頼っています。雨期に入ると毎日のように大雨が降り、風も強くなるので、移動に時間がかかり、また、危険も伴います。しかし、今回は運よく開催数時間前に小雨となり、プログラムは予定通りに実施することができました。

今回のワークショッププログラムは、CAシステム(一斉同報システム)、ハザードマップ、防災研修と内容が豊富でした。ピアポン郡の副郡長も出席され、緊張感の中で開会しました。これまでは出席者のほとんどが男性でしたが、今回は数人の女性も参加していました。昼休みは、村を代表して来た参加者たちが互いに交流しながら、和気あいあいとランチタイムを楽しんでいました。

村民からの要望・課題を聞くセッションでは、CAシステムとハザードマップの設置要望が大半でした。これは、CAシステムとハザードマップが村民の生活に欠かせない必需品になり、その評判が隣接した村落にも拡がった結果と思います。今後のシステム保守を地域で自立して行ってもらうために、バッテリー等の更改に伴う費用を村落ごとに積み立てるよう村民に呼びかけました。

ミャンマー南部デルタ地帯に住む住民は、雷、サイクロン等による津波の襲来に絶えず恐怖を抱いています。そのため、防災研修の中で、特定非営利活動法人SEEDS Asiaから、防災モデルを使った災害メカニズムの説明があった時には、村人たちの真剣な眼差しを目のあたりにしました。

プロジェクトオフィサー 渡辺 栄一

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