ミャンマー・カレン州、モン州での最近の事業進捗状況

2022年5月31日(火)15:09

 

 

既にこれまでにもご報告しましたが、BHNのミャンマーでの活動はコロナ禍と2021年2月のクーデター勃発の影響を強く受けています。

これらの問題に重なって、中国各地での「ロックダウン」による生産中断の結果、ソーラーシステムの生産が1カ月 以上も中断され、本事業の終了予定が5月から8月にまで延長されることとなりました。

 

学校でのパソコン授業

 

また、紛争の影響を受けやすい地域からより安全な地域への事業地の移し替えも必要となり、少数民族武装勢力(Ethnic Armed Organizations=EAO)からの理解も得て事業地域の変更もできたことから、工事中断後の個人の住宅へのソーラーシステムの設置工事はその後順調に進捗し、おそらく7月中には完成すると期待しています。

一方、紛争地域がカレン州に比べてはるかに少ないモン州では,中国でのロックダウンの影響に伴う遅れを除き、新設作業は順調に推移しています。

 

フォローアップミーティング

 

これまで様々な問題が起きましたが、さらに、最近ミャンマーの中央銀行から、国外から国内に開設された銀行口座宛に送金された外貨は「直ちに」「公定レートで」ミャンマーチャットに交換されるべし、との布告が出されました(現在の公定レートは市場レートより13%ほど低くなっています)。この布告によりミャンマーでの商業活動には多大の混乱と困難がもたらされました。

 

モン族とカイン族のスタッフ

 

以上のように、ミャンマーの現状は混乱を極めておりますが、厳しい経済状況に置かれているEAOからは強い要望が出されており、BHNとしても現在の事業に続く次期案件の立案も始めています。

しかし、軍政当局とこれに反対する市民防衛軍(People’s Defense Force=PDF)との闘いは当面続くと想定し、BHNとしては、個々人の家庭へのソーラーシステムよりも、EAOの村々での学校教育と医療サービスの向上に重点を置いて計画を進めたいと考えています。 学校やクリニック等であれば軍からの攻撃にもさらされにくいと思えるからです。

 

ソーラーシステムの設置

 

副理事長 相澤 紘史

     

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