ミャンマーカレン州少数民族帰還民支援事業:太陽光発電で医療、教育サービスの充実を

2015年4月24日(金)13:53

 

BHNは2013年10月以来、カレン州の無電化地域の公共施設にソーラー発電システムを設置し、システムの保守・運営に関する研修を行っています。

これまでに、高等学校(4校)、コミュニティセンター(1ヵ所)病院(1ヵ所)でソーラー発電システムの設置工事と研修が完了しました。

ソーラー発電システムが導入される前の高校では保護者が燃料代を出し合ってエンジン発電機で発電していましたが、燃料代の負担が大きく使用できる時間がかなり限定的で、それ以外の時間帯は蝋燭の灯りで勉強せざるを得ない状況でした。しかしソーラー発電で電気が使えるようになった学校では、大学受験を目指す生徒たちが夜間や早朝の時間帯でも明るい教室で勉強できるようになりました。テレビモニターとDVDプレーヤーも設置したことで、DVD教材の利用も可能となりました。

 

家が遠いため学校に寝袋を持ち込んで学校で寝泊まりしている生徒たち、寮で暮らしている先生たちも電気があることで安心して生活できるようになったと喜んでいます。

 

病院は新しく建設された病院で、間もなく開院する予定です。電気が供給されることで、夜間の分娩、救急医療サービスも問題なくできるようになり、電気が必要な器具なども使用可能となります。また、医師がいない周辺の村に小型ソーラー発電装置と電話を取り付け、病院との緊急連絡がとれるようにしました。

2015年4月からは第3期事業がスタートし、来年3月末まで本事業が継続されることになりました。この1年間でさらに病院(2ヵ所)と高校(3ヵ所)へのソーラー発電システムの設置、そして保守・運用に関する研修を予定しています。

小型ソーラー発電装置を住民に配布し電気の普及に力を入れ始めたカレン州政府からの要請で、3期事業では政府職員を対象とした研修にも力を入れて取り組む計画をしています。ソーラー発電装置の安全で持続的な使用について住民に指導できる職員の養成を支援していきます。

ミャンマー少数民族帰還民支援プロジェクト

プロジェクト・オフィサー 秋場 美奈子

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