ラカイン州グワ郡の学校及び村落における防災支援及び保健衛生意識向上事業

2023年1月25日(水)16:09

 

第2年次 完了報告

 

本事業は、第1年次事業(採択:2019年度、実施時期:2020年1月~2020年12月)に引き続き実施する第2年次事業として、2020年度外務省日本NGO連携無償資金協力(以下N連)(注)の採択を受け、ミャンマーの西南部において2021年3月から支援活動を行い、2022年10月に作業を完了しました。

本事業は、サイクロンによる災害の多いラカイン州最南端グア郡の中学校等に学習支援及び村落伝達支援システム(Learning and Communication Assist system for students and residents, LCAシステム)とハザードマップを設置し、それを利用して生徒及び住民の防災能力の向上及び保健衛生意識向上を図ることです。

 

図1:LCAシステムおよびハザードマップ設置学校の位置
(クリックまたはタップで拡大画像が表示されます)

 

事業内容は下記の通りです。

➀LCAシステムの導入:26校(第1年次からの繰り越し分11校を含む)
➁ハザードマップの作成と設置:15校
③教師向け防災研修
④保健衛生意識の向上

 

第1年次事業はコロナ禍の影響で、一部の設置工事が次年度へ繰り越しとなり、第2年次事業は、2月1日の軍部によるクーデターの影響で、予定より3カ月遅れとなり最初の事業地入りは6月末でした。しかしながら、関係者の努力により、1年次から繰り越された11校も含めて26校に視聴覚教育用のテレビを設置したことで学校関係者、タウンシップの教育部門から喜ばれ、教育部長より感謝状をいただきました。

その後もコロナ禍及びクーデターの影響で工事等が大幅に遅れるとの見通しから、外務省にご相談し、事業期間を2022年10月末までに延長承認いただきました。この間、工事等作業全般にわたる安全を確保しつつ、関係者の一致協力した努力により、当初計画した26校のLCAシステム設置工事、ハザードマップの設置等すべての作業を完了することができました。

プロジェクトの成果を示す締めくくりとして、ワークショップ、及び活動報告会を行政機関の幹部、保健衛生部門関係者を招いて開催しました(2022年8月)。

 

写真1 学校のLCAシステム設置風景

 

写真2 設置されたLCAシステム

 

写真3 LCAシステム説明会における取り扱い方法の説明の様子

 

写真4 会場の建物とワークショップの様子
(当団体の本部スタッフはオンラインで参加)

 

写真5 ハザードマップ設置完了時の説明会に集まった人々

 

写真6 生徒の健康状況調査の様子

 

写真7 戸別訪問して住民の健康状況を調査しました

 

写真8 LCAシステムを利用した保健衛生授業の様子

 

写真9 活動報告会参加者による記念撮影
(当団体の本部スタッフはオンラインで参加)

 

今回の報告会では、日本から現地に行くことは難しく、初めての試みとしてオンラインでグア郡の寺院・ヤンゴン・日本を結び、セレモニーを行いました。9月には今後のメンテナンスを考慮して1・2年次事業実施の学校等を訪問し、設備の稼働状況及び保健衛生意識向上の実施状況の指導をして、プロジェクトは延長期間内で2022年10月末に完了しました。

最後になりますが、現地での活動模様について、ビデオでまとめてみました。URLは下記の通りです。是非ご覧になって下さい。

 

ラカイン州プロジェクト紹介ビデオ:活動編(字幕あり 約6分)

リンク:https://youtu.be/qdco8APd0EU

 

 

注:日本NGO連携無償資金協力は、日本の国際協力NGOが開発途上国・地域で実施する経済社会開発事業に外務省より必要な資金が供与される制度。

 

渡辺 栄一 参与

     

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