ミャンマー少数民族帰還民支援プロジェクト第2期がスタート

2014年6月12日(木)12:00

 

広がるソーラー発電と通信

昨年スタートしたJPF((特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム)の援助によるミャンマー少数民族帰還民支援プロジェクトが、2014年4月から1年間の活動予定で新たに承認が下り、第2期の活動に入りました。 第1期では、2か所にソーラー発電システムと電話を設置しました。

 

昨年の初期調査には軍の警備が同行していましたが、今年に入ってからは、それも無くなりゆっくりですが和平の進行が感じられます。そして、今年の1月から現地事務所のあるパアンから第1期の事業地シャンユワティ村までの道路の大幅な拡幅工事が行われ、4月末に開通しました。

今までは14か所も冠水した川を渡っていましたが、改修工事後は、道幅が片側2車線分の簡易舗装となり、川を渡らなければならないところは3か所程度になりました。事業地までの所要時間も片道3.5時間も掛っていたところが、2時間に短縮される発展ぶりです。

第2期の活動計画は、
1)要請のあったパインチョン・サブタウンシップのパウン村にある学校と、現在シャンユワティ村に建設中の地域病院へのソーラー発電システムの設置
2)病院の完成後、シャンユワティ村の地域病院と周辺の無医村地域を結ぶ、小型のソーラー発電システムを伴った携帯電話による通信システムの設置
3)州政府の技術者を対象に、より詳しいソーラー発電システムの設計技術者の育成教育の実施
を主な実行計画としています。

また、ソーラー発電システムを設置した地域では、引き続き電気に関するリテラシー教育をBHNの現地スタッフが行えるように指導を続けていきます。

 

第1期でシャンユワティ村に設置したソーラー発電システムは2か所とも順調に作動しており、コミュニティセンターには、50インチのテレビも設置したため、コミュニティーの人たちが集まりやすくなり、情報の提供や、夜の娯楽が増えたと喜ばれています。学校については、夜の勉強の際に使っていた蝋燭を購入する必要が無くなったと喜んでいます。

第2期の活動で計画している無医村における携帯電話の設置場所については、既に村の管理者から候補地を上げてもらい電波調査をしましたが、いずれもエリア外が多く(日本では使われていませんが、CDMA2000 1Xの450MHz帯バージョンです。)外付けアンテナを使っても繋がらない所が多くありました。それでも、何箇所かを候補として選びました。

郵電省(MPT)からは、今後GSM方式のエリア拡大の計画があるということなので、その進展を見守りながら、更に追加の調査を行う予定です。

カレン州ではどの村でもタイへの出稼ぎ者が多くいるため、ミャンマー側にいる親族は、タイの電話システムをミャンマー国内で使用している例が散見されました。

住民の「ミャンマー国内には、電話をかけることはあまり無い」と言っていたことが印象的でした。
5月中旬には、パウン村の学校のソーラー発電システムの工事が完了し、早速、村の人たち約30名を集め、電気の取り扱いから、ソーラー発電システムについての講習を行ないました。システムの詳細が解ったとのことで受講者からは好評でした。

今後も多くの方に電気の利便性と、それによる通信の便利さを伝えていこうと思います。学校は6月から新学期が始まります。学校が始まって私たちの設置した灯りの下で、子供たちが一生懸命勉強をすることを楽しみにしています。

>>当事業に関する前の記事はこちら

ミャンマー少数民族帰還民支援プロジェクト技術担当

志村 直茂

     

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