BHN広島事務所の西日本豪雨被災者支援活動 ~新しいデジタル被災者支援活動を目指して~

2022年6月20日(月)15:46

 

 

BHN広島事務所(所長 福田 卓夫氏)では、2018年西日本豪雨被災地(広島県呉市等)において復興フェーズ(仮設住宅団地フェーズ、災害公営住宅団地フェーズ、市営住宅団地フェーズ)の進展に合わせ「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しています。2022年度からは、市営住宅団地フェーズに入り、「コロナ蔓延時期には、ネット活用型被災者支援活動」、そして「コロナが落ち着いてきたら、現地に出向いた実践的研修会」の二つの活動手法を柔軟に組み合わせて実施しています。

BHN広島事務所では、これらの被災者支援活動を一層進化させるために「広島県安芸郡府中町・府中南公民館を活動拠点として被災者支援活動ツールのデジタルキット化作業」に取り組んでいます。

まず、「被災者支援活動ツールのデジタルキット化作業」の取り組み状況(2022年4月21日・26日、5月24日実施状況)をご報告します。被災者支援活動ツールのデジタルキット化作業には、BHN広島事務所(沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、杉原 瑞枝氏、寺迫 和代氏、岡崎 幸子氏、岩本 一子氏等)の皆さまが活躍しました。

① 西日本豪雨被災者支援活動記録の整理等

最初に、これまで実施してきた西日本豪雨被災者支援活動記録(日時、場所、参加者、活動内容、写真へのリンク等)を整理し一覧表にまとめました。そして、西日本豪雨被災者支援活動のパソコン研修会で使用してきた研修用資料を見直し、アップデートすべきものを抽出しました。これまで実施してきたパソコン研修会の経験を踏まえて、より使いやすく、より喜ばれるものにするために、順次アップデート作業を実施していきます。

続いて、デジタルキット化作業ための基本的な準備作業に着手しました。

② ポケットCO2センサーをパソコンに接続して利用

新型コロナウイルス感染防止対策用のポケットCO2センサーは、これまで、タブレットまたはスマホに接続して使用してきましたが、パソコンにも接続して確実に動作させる方法を発見したので、そのマニュアルを作成し、全員が指導できるように利用方法を習得しました。

③ GmailのGmailの利用方法の習得

被災者がパソコン及びタブレットを自在に利活用できるようになるためには、パソコン及びタブレット等に設定しているGmailの利用方法を習得することが大切です。全員が指導できるように利用方法を習得しました。ここでは、シニアネットひろしまで作成したGmail活用マニュアル「基礎編」の内容を確認し、指導方法を研究しました。

④ タブレットの積極的活用

パソコンで作成し保存している各種資料を、クラウド経由でタブレットに送って保存し活用する手順を確認してから、全員が活用方法を習得しました。これらの作業は、パソコン用に作成した研修教材をタブレット上で自在に参照・学習・自習できるようにするために必要な作業となります。

⑤ パソコン研修教材の追加

BHN広島事務所の母体組織・シニアネットひろしま(理事長 福田 卓夫氏)で作成しているオンラインパソコン研修教材(PDF資料及び解説動画)を整理し、これらもBHN広島事務所「被災者支援活動ツールのデジタルキットの一部」として提供できるように作業しました。これからも追加されます。

 

ポケットCO2センサーをパソコンに接続して利用確認

 

パソコン研修で使用した各種教材を手分けして見直し作業中

 

Gmail活用マニュアル「基礎編」の内容確認・指導方法を研究

 

続けて、「被災者支援活動ツールのデジタルキット化作業」の取り組み状況(2022年6月9日実施状況)をご報告します。この日は、新しい被災者支援活動教材として、「ポケット防災手帳の作成」、「災害もしもブック」、「防災グッズリスト」、「防災ドリル」等の活用準備作業を実施しました。寺岡 和子氏が講師となり、NHK「ひろしま放送局」の「くらしと安全」及びNHK「そなえる防災」の情報を全員で確認しながら、被災者支援活動に使える情報やグッズを準備しました。また、それらの情報をタブレットでも利用できるように設定を行いました。

⑥ NHK広島放送局「くらしと安全」から「ポケット防災手帳の作成」

このサイトにある「ポケット防災手帳」の内容を確認し、印刷して準備しました。避難情報の意味や防災情報へのリンク(QRコード)があり、災害時の行動や備蓄品について家族で話し合うこと等が示されていて、防災に役立つ内容となっています。

★NHK広島放送局の「くらしと安全」

https://www.nhk.or.jp/hiroshima/anzen/index.html

⑦ NHK「そなえる防災」から「災害もしもブック」と「防災グッズリスト」

このサイトにある「災害もしもブック」と「防災グッズリスト」の内容を確認し、印刷して準備しました。「災害もしもブック」には、災害が発生したときにどのように対応したいのかあらかじめ考え、知っておくべき内容が載っていて、「防災グッズリスト」には災害に備えて用意しておいた方がよいものが載っています。

★NHKの「そなえる防災」

https://www.nhk.or.jp/sonae/

⑧ NHK「そなえる防災」から「防災ドリル」

クイズ形式で知識や理解を深めることができるサイトの内容を確認しました。防災の知識をクイズ形式で知ることができるので、様々な機会に活用できるのではないかと考えています。

★防災ドリル

https://www.nhk.or.jp/sonae/drill/index.html

これらの資料を、BHN広島事務所がこれまで活用してきた「緊急連絡カード」と合わせて、「ICTを活用し防災・減災分野を強化した新しいデジタル被災者支援活動」に役立てていきます。

この日は、特に、次回の呉市天応地区での被災者支援活動に活用できるように「ポケット防災手帳」等の作成の勉強と準備に注力しました。

 

寺岡 和子氏が講師となって作業開始

 

パソコンだけでなく、タブレットも使って見てもらえるように準備

 

呉市天応地区で活用するポケット防災手帳も印刷して準備

 

ポケット防災手帳

 

ハサミで切り取るのも真剣に

 

フムフム・・山折り谷折り・・・「えっ!どうやって折るのかな?」

 

小さくたたんで、持ちやすいポケット防災手帳が完成

 

防災意識を高めるためのやさしいクイズにも挑戦

 

呉市天応地区で活用する研修用教材を印刷して準備

 

デジタルキット化作業に取り組むBHN広島事務所の皆さま

 

BHN広島事務所では、これからの被災者支援活動を一層進化させるために、これまでの被災者支援活動の実践で獲得してきた経験・ノウハウのデジタル資料化に取り組んでいきます。

 

 

西日本豪雨被災者支援事業
プロジェクトマネジャー(理事)
有馬 修二

 

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*BHN 自主事業「西日本豪雨地域ICT支援事業」、事業期間:「2018年7月9日~2023年3月31日予定」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社(NTTグループカード)、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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