フィリピン台風ハイエン被害者支援事業の現況

2014年1月20日(月)18:00

 

11月中旬からの初動調査を踏まえて、12月中旬から開始している支援事業です。

内容は、①ICTステーション(移動型を含む)を開設して被災者や支援機関が必要な情報や連絡を得るためのインターネット環境の提供、②地域情報伝達システム(CAシステム)を設置し緊急な情報を同時に多くの地域住民に伝達できるようにすることを目的としています。

年末年始を通じて支援活動を続けていた横野参与に代わって、一次帰国していた伊藤参与が1月10日から現地入りするのに合わせて、藤田理事長、前川副理事長が支援先現地のレイテ島のオルモック市及びメリダ町に入りました。

被災後2ヶ月が経過しましたが、電気・水道・通信関係も多少は復旧の兆しが見えるかなという感じで、住環境はほとんどの家・建物の屋根が吹き飛んだままで、トタンやシートでかろうじて風雨を凌いでいる状態です。

電気の完全復旧にはまだ数ヶ月は要するとのことです。その中にあって、必死に明るく復興に向けて努力されている現地の方々の姿勢にほっとさせられた一面も感じました。あるバランガイ(最小行政区)事務所を訪問したときも、我々の訪問に際して準備されたのか、壁に「Thank You BHN」の手作りの張り紙も貼ってあり、具体的な支援作業活動で昼食、夕食時間にまでかかったときも手作りでの食事の用意までしていただき恐縮しました。

BHNが支援している活動に対して、大変喜ばれていることを実感しました。

ただ、CAシステムを活用するのはよいとして、地域住民の気持ちを和ませる意味も含めて音楽を長時間流している場所もありました。雨期でこのところ日照時間が少ないため、ソーラーシステムによる充電が思うようにいっていない電力事情の中で長時間の使用はいかがなものかと関係者に注意喚起もしました。

機材の引取りのためタクロバン市に出向きましたが、台風による被害は強風雨に加えて高潮もあったため惨状はオルモック市より厳しい状況と判断しました。未だに水浸しの場所もあり、電柱も倒れ放し、電線も垂れ下がったままで、あちらこちらでUNHCRの雨風を凌ぐだけの仮設テントが点在していました。

副理事長 前川 榮夫

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