ハティア島プロジェクト12:コミュニティラジオ局放送設備工事が進行中!

2014年1月15日(水)9:30

 
※JICA草の根技術協力支援事業(パートナー型)である「コミュニティラジオによる早期災害情報提供を活用した地域住民災害対応能力強化プロジェクト」は、バングラデシュのノアカリ県ハティア島およびニジュンディップで、①島民が必要とする正確な気象・災害情報を公平に伝達し、②災害情報を島民が正確に把握し避難行動に移せるよう、支援を行うものです。実施期間は2013年3月15日~2017年8月31日です。プロジェクトの概要はこちら

 

● ラジオ局設備工事開始

 

1.スタジオ工事

10月28日にようやくラジオ局の工事が始まりました。

 

最初に建設が始まったのはハティア島に建設する放送局のスタジオです。工事開始直前になって、DUSから使用する部屋を変更したいと申し出があり、現地では多少混乱がありましたが、先方の意見を尊重して部屋を変更することにしました。

 

大きな部屋に煉瓦を積んでスタジオ2か所と機器室を作ります。スタジオには地域住民が放送現場を見ることが出来るように大きなガラス窓を取り付けます。部屋を変更したため、追加で窓を作る事になりましたが、結果として、住民が集えるように明るいスペースを作る事が出来ました。

2. アンテナタワー工事

ハティア島には送信用のアンテナタワーを建設します。

 

タワーは高さ32mの支持型のタワーです。スタジオの部屋が変更になったことに伴い、タワーの建設位置も変更になりました。タワーと機器室の間には立派なヤシの木が植わっていたのですが、サイクロンで倒れるとケーブルを切断する恐れがあるため、泣く泣く伐採してしまうことになりました。

 

現地では日本でなら問題なく入手できるような資材がなかなか手に入らない場合があります。堆積地が多いこのエリアではコンクリートに使う砂利が採れません。建設の途中で砂利が無くなり、ラジオ局長が島中を走り回ってようやく手配してくれましたが、お蔭で工事が2日間も中断してしまいました。

 

離れ小島のニジュンディップには3か所のサイクロンシェルターの屋上に15mのアンテナマストを受信用に建設します。写真はサイクロンシェルターに建設した、アンテナマストと太陽光発電パネルです。

 

 

3. 太陽光発電設備

商用電源が利用できない当地では、必要な電力を太陽光発電で賄います。

 

夜間や日照が無い日の運用のために大きなバッテリーを組み合わせた設備になっています。想定している運用時間で3日間無日照でも運用できるようなバッテリーを据えつけました。万が一バッテリーがなくなっても大丈夫なように小型の発電機も設置することになっています。

●現状と見込み

 

2014年1月の時点でタワーとスタジオは約80%、太陽光発電設備は約90%程度工事が進んでいます。

 

肝心の放送機材はバングラデッシュ政府の周波数割り当てが未だ許可が出ていない為に、調達できずに止まっています。昨年4月に提出した申請書の認可が、総選挙に絡む政情不安定や内閣再編などの影響で止まっていたようです。

 

現地パートナーのDUSは政府機関に折衝していますが、なかなか埒があきません。ラジオ局は周波数許可が出れば調達を含めて1か月半くらいで完成すると見込んでいます。何とか今年度中には開局したいものです。

>>バングラデシュ・ハティア島プロジェクトに関する前の記事はこちら

 

バングラデシュ・ハティア島CRプロジェクト

小峠(プロジェクト・マネージャー)

 

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