飯舘村避難者への支援を継続しています!~借り上げ住宅入居避難者へ健康維持支援を拡大~

2013年11月8日(金)16:15

 

当会は福島県飯舘村で全村避難が開始された2011年6月の直後から避難者へのネットワーク構築、健康維持・向上などの支援を継続してきました。本年7月からは、借り上げ住宅居住者の避難者に対しても、「飯舘村借り上げ住宅避難村民等の健康維持・向上事業」(ジャパンプラットフォーム支援)を開始しました。

● 医師、看護師による健康相談

健康維持支援活動のうち、2012年5月から実施している健康相談については、いずれも認定NPO法人災害人道医療支援会(HuMA)の協力により医師、看護師の派遣を受けて実施しています。

「いいたて全村見守り隊」の詰所では月に1回2日間(土、日)実施しており、毎回の相談者は20名近くです。

また、借り上げ住宅入居者を対象に、8月には南相馬市原町区福祉会館で開催しました。相談者は6名でしたが、相談に入る前に看護師による血圧、体重のチェックを受けて、内容のある健康相談となりました。

そして9月は、川俣町飯舘自治会「きつつきの会」の集会所で健康相談を開催しました。9名の方が参加され、相談内容が多かったため予定時刻を30分延長し、充実した相談会になりました。

●健康相談システムの活用

健康相談と同時期に開始した健康維持活動支援のもうひとつ支援事業に「健康相談システム」の活用があります。このシステムは、「ID兼歩数計」の利用者が健康相談システム端末にアクセスすると毎日の歩数がサーバーに記録され、更に血圧計、体重計と連携して血圧、体重も記録される仕組みになっています。

川俣町、南相馬市、伊達市、福島市内(2区域)では、飯舘社会福祉協議会(以後社協)が開催している「お茶のみ会」で、このID兼歩数計の希望者を募り、社協の生活支援相談員により避難先の申請者に届けられました。

ID兼歩数計の利用者は、社協から配布された健康記録用紙に毎日の歩数を記録し、「お茶のみ会」に持参すると、それを当会が預かり「健康相談システム」に登録しています。

このデータは生活支援相談員が対象者の毎日の健康状態をチェックするツールとして活躍しています。8月末からは血圧も記録するようにしたので、ますます活用範囲の広がりが期待されています。

また、希望があれば利用者へはグラフを印刷してお渡ししています。利用者自身が、日々の体調の変化を記録として残すことが出来ます。

●タイ式マッサージ

佐藤真紀さんによるタイ式マッサージを健康維持活動に取り入れています。「いいたて全村見守り隊」の詰所がある飯舘村内の「いちばん館」では毎月2回実施しています。そのほか、借り上げ住宅の避難者にも各自治会で月1回実施しています。

8月23日には、川俣町飯舘自治会の集会所で、8月28日には南相馬市飯舘自治会の集会所で実施しましたが、とても評判がよく、施術を受けた人が、帰り際に次回の予約を希望されるという状況でした。この支援も9月、10月とも各一回ずつ両自治会で実施しました。

●ICTを活用した農業従事者への新たな支援活動

このほか新たな試みとして、現在、福島市内の遊休農地を借りて営農を再開した農家への支援も実施しております。今春からハウスでトルコキキョウの栽培を行っていた農家の方々は、7月に無事、花を出荷されました。

 

出荷作業で忙しい中、Tさんの農場を訪ねて、農作業状況を伺ったところ、“農地と避難先の住居が離れていて気象条件も異なるのでハウスの管理が大変”とのことでした。そして、Tさんから“停電したら警報をメールしてくれたら助かる”というニーズを得ることもできました。

そこで、9月末にTさんの自宅のパソコンに自宅でモニターできるような装置(停電通知システムイメージ図参照)を設置しました。今後、このシステムが有用なことが実証されれば、他の農地でもこ支援を広げていく計画です。

>>飯舘村被災者支援事業に関する前の記事はこちら

 

飯舘村被災者支援事業担当:横野(参与)

     

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