BHN桑原基金寄付講座(電気通信大学 博士・修士課程)「SDGsを支える情報通信論」

2023年12月14日(木)13:33

 

2023 Autumn Technical Tour

2023年度BHN桑原基金寄付講座前学期 SDGsを支える情報通信論」の技術見学会として、去る11月27日(月)に、「2023 Autumn Technical Tour」が実施されました。

調布市にある電気通信大学(以下、電通大)キャンパスに集合し、貸切りバスにてNTT中央研修センター内のe-City Laboと、NICT(情報通信研究機構)を訪問して、ICTを活用した国家規模での研究や、その技術が産業界でも有効活用されている事例等を見学しました。

 

◆e-City Laboについて

「NTT e-City Labo」は、地域の課題解決に向けて NTT東日本グループが取り組むソリューションを体感できる施設で、東京都調布市のNTT中央研修センター内にあります。施設内では、以下の項目に関する資料や実際稼働している展示物を見ることができます。

今年の7月に施設見学会(2023年7月の見学会記事が開きます)をBHN内にて開催し、好評でしたので、是非、桑原基金寄附講座での技術見学コースにという経緯から、この度の見学会となりました。

 

【見学の様子】

● Digitalアート

文化財を高精細にデジタル化することで可能となる、新しい文化芸術の鑑賞方法を体験しました。

 

● スマートストア

AIを活用し、省力効率化に貢献する無人店舗“スマートストア”での買い方の説明を受けました。

 

● ローカル5G実証ハウス

ローカル5Gを活用した次世代の営農環境を備えた農業ハウスを見学

 

● スマートグラス

➀桐本 哲郎教授(電通大)がスマートグラスを装着し、グラスを通して見た映像が...

 

➁施設内のモニター管理システムに映し出されます

 

実際の使用方法としては、作業者のグラスを通して映し出された画像を元に、管理者から作業者に指示を出すことや、モニター越しでの育成状況確認等をおこないます。

ここに紹介したものはほんの一部で、それ以外にも色々な研究・開発が日々行われています。

 

 

◆国立研究開発法人 情報通信研究機構 (以下、NICT) について

NICTは情報通信分野を専門とする、日本で唯一の公的研究機関です。情報通信技術の研究開発を基礎から応用まで統合的な視点で推進して、大学、産業界、自治体、国内外の研究機関等と連携しながら研究開発成果を広く社会に還元し、イノベーションを創出することを目指しています。

 

【見学の様子】

NICTは東京都小金井に本部があります

 

メインエントランスにて、参加者の皆さんで集合写真(前列:電通大学生さん達、後列:右から榑松BHN顧問、 桐本電通大客員教授、松浦電通大教授、三木電通大名誉教授、佐藤BHN顧問、鈴木BHN参与)

 

● フィリップ・バロン氏によるリモートセンシング技術の説明

航空機搭載合成開口レーダーによる災害モニタリング技術の説明をするフィリップ・バロン研究員

 

【フィリップ・バロン氏について】****************
電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター
リモートセンシング研究室 研究員
1970年フランス生まれ。1999年大学院博士課程修了後、ストックホルム大学(スウェーデン)での研究員、ノベルティス社(仏トゥールーズ)での研究員を経て、2007年にNICT入所。電磁波を用いた大気センシングの研究に従事。博士(物理学)。
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学生からはリモートセンシングについて多くの専門的な質問がありました

 

● 古川 英昭氏によるフォトニックネットワーク、光ファイバ通信技術等の説明

 

説明をする 古川研究室長

 

【古川 英昭氏について】**************************
ネットワーク研究所 フォトニックICT研究センター
フォトニックネットワーク研究室 研究室長
大学院博士後期課程修了後、2005年、NICTに入所。以来、フォトニックネットワーク、光情報処理に関わる研究、AKARIアーキテクチャ設計プロジェクトなどに従事。博士(工学)。
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超大容量の光ファイバ研究開発の成果を顕微鏡で見ている様子

 

● NICT本部展示室

NICT本部には、120年以上にわたる歴史の展示や、5つの研究分野に関する研究成果の紹介等を映像や実物をとおして見ることのできる「展示室」が併設されています。

5つの研究分野には、電磁波先進技術、革新的ネットワーク、サイバーセキュリティ、ユニバーサルコミュニケーション、フロンティアサイエンス等があり、社会課題・地域課題解決への日々の研究開発成果を知ることができます。

 

インシデント分析センターNICTER(端末映像・リアルタイム観測結果表示)の展示

 

多言語音声翻訳アプリVoiceTra(操作・体験型展示)体験の様子

 

音声マルチスポット再生技術により、特定のエリアから特定の音声が流れるのを聴いている様子

 

他にも5つの研究分野に沿った興味深い研究展示がたくさんあり、参加者からもこの技術を事業に活用できないか。という感想がありました。

最後に来場者への記念として、希望者には展示室来場証明書(ポストカード型)がプレゼントされました。

今回のBHN桑原基金寄附講座での技術見学会を通して、学生の皆さんがICTについてのより深い技術や知識を吸収し、幅広い視点から、社会において活躍してくれることを願います。

 

 

     

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