ネパール案件調査(2)フィールド訪問から見えてきたこと

2018年1月17日(水)17:19

 

チョウジャリ病院から片道4時間の山道を歩き、現地NGOスタッフのフィールドワークに同行させてもらいました。スタッフや住民といろいろな話をしながら、この地域の状況を知ることができました。

水の確保と保健衛生

・地域行政により7~8世帯に1本のパイプが設置されているが、町の中心部のみかつ供給時間は限定的。丘陵地域ではパイプ設置箇所が少なく、遠くまで水を汲みに行く必要がある。
・女性たちが30~40キロの水を担いで山道を登っている。
・保健衛生の知識はNGOなどの活動によりある程度は伝えられているが、実行されていない。なぜなら、水が貴重であるために、頻繁にしない・できないから。

女性の立場の低さ

・近年女の子も学校に行くようになってきたが、家の手伝いや結婚などを理由に途中でやめてしまう子が多い。
・15~16歳での結婚が多く、低年齢での出産の危険性や身体的負担が十分に理解されていない。
・薪運びや水汲みなど力仕事などは女性の仕事であり、体への負担が大きい。
・経済的困難や民族的差別による、女子の誘拐・人身売買が起きている。

限定的な仕事と急激な資本主義経済の流入

・米やとうもろこしを作っているが、乾期は水がないため、畑で作っているのは落花生程度。
・野菜を作っている人は少なく、作っても自分たちで食べずに現金化するために売ってしまう。
・農業以外の仕事がないため、男性の多くはカトマンズ、もしくは海外へ出稼ぎにでている。
・基本的な保健衛生などの社会開発よりも先に、市場にはモノが運ばれてくるようになり、現金なしでは生活できなくなった。

 今回の現地訪問で実際に見聞きしてきたことをもとに、BHNとしてこの地域住民の状況改善のためにどのような事業を展開するか、パートナー団体候補である現地NGOと意見交換を始めています。

担当 内山智子

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