BHN広島事務所の西日本豪雨被災者支援活動 ~坂町災害伝承ホールでの交流会~

2022年7月14日(木)9:58

 

 

BHN広島事務所(所長 福田 卓夫氏)では、2018年西日本豪雨被災地(広島県呉市等)において復興フェーズ(仮設住宅団地フェーズ、災害公営住宅団地フェーズ、市営住宅団地フェーズ)の進展に合わせ「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しています。2022年度からは、市営住宅団地フェーズに入りました。「コロナ蔓延時期には、ネット活用型被災者支援活動」、そして「コロナが落ち着いてきたら、現地に出向いた実践研修会」の二つの活動手法を柔軟に組み合わせて実施しています。

 

坂町災害伝承ホールでの交流会

 一方、BHN広島事務所が西日本豪雨被災者支援活動として実施した中には、仮設住宅団地フェーズ終了と共に被災者支援活動を終了した「広島市坂町・平成ヶ浜中央公園仮設住宅団地」がありました。BHN広島事務所が開催したパソコン研修会に熱心に参加した方が沢山いらっしゃいました。自宅再建等を果たしたメンバーは次々に仮設住宅団地を離れ、「広島市坂町・平成ヶ浜中央公園仮設住宅団地」終了と共に被災者支援活動を終了しました。

坂町での支援活動(パソコン研修会)において、特に熱心に参加してくれていた3人の方には、「復興を目指す被災地において、新しい地域コミュニティの再生・活性化に役立てるICT活用を期待して、パソコンを貸与し、時々、オンラインでの交流・サポート」を実施してきました。

2022年7月で、西日本豪雨災害の発災から4年間の月日が経つことから、再度集合して今後の支援活動内容について相談してみることにしました。6月30日、坂町側から3名、BHN広島事務所側から7名(沖野氏、寺岡氏、杉原氏、寺迫氏、岡崎氏、岩本氏、廣中氏)が参加して、坂町災害伝承ホール(坂町小屋浦地区、2022年4月オープン)で交流会を持ちました。約2年ぶりの再会でした。

以下、坂町小屋浦地区の現状と交流会の模様を廣中氏のまとめに基づき報告していきます。

 

坂町災害伝承ホールまでの道のり

JR呉線小屋浦駅で待ち合わせ、今年4月に完成したばかりの坂町災害伝承ホールに向かいます。6月とは思えない猛暑の中、汗を拭いながら川沿いの細い道を進みます。

民家があったに違いない場所が、今は更地になっています。この地域には他にも更地が目立ちました。元の場所への住宅再建をあきらめた世帯が多いのでしょう。

そんな更地の片隅にきれいな花が咲いていました。この炎天下でも花を咲かせる生命力の強さを感じずにはいられません。道路わきを流れる小さな川も、大雨が降ると水嵩が道路まで達するそうです。

 

道路わきを流れる小さな川(2022年6月30日撮影)

 

街中を歩いていると、西日本豪雨の際には、ブロック塀の上部まで洪水が押し寄せたと歩きながら当時のお話を聞きました。そのまま、坂町災害伝承ホールを目指して歩いていると、向こうには「新しい砂防ダム」が完成していました。坂町小屋浦地区には天地川(てんちがわ)が流れています。天地川の上部には、長い間小湯浦地区を守ってきた「古い石積の砂防ダム」がありましたが、2018年西日本豪雨の際にこの古い砂防ダムが崩壊し大きな災害となりました。

 

新しく建設された砂防ダムへ続く道(2022年6月30日撮影)

 

やっと坂町災害伝承ホールに到着しました。2022年4月に開館したばかりのホールで、周りは公園になっていました。

 

2022年4月に開館した坂町災害伝承ホール(2022年6月30日撮影)

 

施設前の慰霊碑「坂町水害碑」(2022年6月30日撮影)

 

坂町災害伝承ホールが建設された付近では、まだ工事中で大型トラックが出入りしていました。

 

坂町災害伝承ホールが建設された付近(2022年6月30日撮影)

 

 

坂町災害伝承ホール施設内の様子と交流

坂町災害伝承ホールの玄関には新型コロナウイルス感染症対策として、手指消毒と自動検温システムサーモカメラが設置されています。非常持ち出し袋の一例が展示されていました。館内閲覧コーナーには、被災された方々の生々しい災害記録集が配備されていました。

被災された方々の生々しい記録が時系被災された方々の生々しい記録が時系列で書かれてありました。

2018西日本豪雨災害時の写真が数多く展示されています。災害の大きさを改めて実感することができました。

映像コーナーのモニターからは、災害時から復興までの貴重な様子が映像として流れます。来館者がいつでも自由に観覧できるようにUSBに保存され、映像の出し方の説明書きがありました。

 

2018西日本豪雨災害の映像コーナー(2022年6月30日撮影)

 

2018年西日本豪雨災害を体験された方には辛い思い出です。当時の映像や写真を見て辛くないですかの問いに『大丈夫よ、あの頃の事だから、あの頃はボランティアの方々もたくさんこの坂町に来てくださり、大変助かり、ありがたかった。今はコロナ禍で、ボランティアの行き来もままならない。いつどこで災害が起こるかわからない世の中なのにね』また『早めの避難が大切で、日頃からご近所同士で雨が降ったら一緒に避難しようと決めていた。あの時も雨が続いていたので危険を感じてみんなに声をかけて避難した。避難先で大きな災害になったことを知り、また自分の家も流されたと聞いた。避難所生活を経験して自分は強くなった』と、とても前向きな気持ちを話してくださいました。

今だからこそ話せた内容かもしれません。想像もつかない辛い体験だったと思われますが、話すことで気持ちが少し楽になったと話されたことが印象的でした。

被災された方だからこそ、備えの大切さも心得ておられます。私たちが持参した【NHKポケット防災手帳】も関心を持たれ、マイタイムラインの必要性も理解しておられました。

 

持参したNHKポケット防災手帳を紹介(2022年6月30日撮影)

 

この日は、貴重な体験談を聞かせていただきました。早めの避難の大切さを改めて感じることができました。

 

みんな揃って記念撮影(2022年6月30日撮影)

 

これからの取り組み

パソコン教室という集いの場がなくなり、寂しく感じられている3人、『災害後にスマホに変えたから、まだまだ知らないことが多いのよ。私たちが声をかけたらスマホを習いたい人がいるかもしれない』、『住民は集いの場を求めていても音頭を取る人がいない』等、地域が抱える問題はどこも同じだと感じました。パソコン教室が開催されれば、パソコンを習うことだけではなく、参加される住民同士の見守りにもなります。定期的に集まり、交流することでいざという時に声を掛け合う関係にもなるのではないでしょうか。

BHN広島事務所では、今後、坂町内で適切な場所を探し、パソコン・スマホの研修会を開催すると共に、オンラインでの交流・サポートも継続していきたいと考えています。

 

 

西日本豪雨被災者支援事業
プロジェクトマネジャー(理事)
有馬 修二

 

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*BHN 自主事業「西日本豪雨地域ICT支援事業」、事業期間:「2018年7月9日~2023年3月31日予定」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社(NTTグループカード)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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