『災害FMワークショップin 南相馬』を開催

2012年12月19日(水)12:00

 

● 東日本大震災と臨時災害放送局

東北地方では大震災以降、数多くの「臨時災害放送局」が開局しました。これらの中には、大震災以前から町のコミュニティ放送局として活動してきた放送局もありますが、多くの局が全く放送に関係したことのない素人たちで運営されており、それぞれが手さぐりで「自分流」の放送番組作りをしてきました。

当初は被災者への市町村からの広報資料を流すだけでも手一杯だったこれらの局でも、徐々に復興に向けて地域の住民を元気づけ、また仮設住宅などに移り、離れ離れになった住民の一体感を作り上げるための番組作りが重要になってきました。

● 災害FMワークショップを開催

この様な背景から、コミュニティ番組作りで長い経験のある協力団体のFMわぃわぃ (神戸)、南相馬市を支援している日本国際ボランティアセンター(JVC)と共催で、12月11日に「災害FMワークショップ」を開催しました。

このワークショップは、各災害FMが知識と経験を持ち寄りそれを共有し、今後の災害FMのあり方を考える場とすること、また現場での経験が豊富な有識者を招き、放送コンテンツや技術的な面を学ぶことを目的としています。

ワークショップの様子。中央の机に集まりディスカッションを行う

会場は、原発の影響で今も市の南側3分の1が避難区域となっている南相馬市の複合施設を利用し、放送局スタッフだけでなく、マスコミや支援サポーター等30名ほどの参加を得ました。

11日は大震災の月命日に当たり、すべての被災自治体ではこの日に黙とうをささげており、会場でも発災の2時46分にすべてのプログラムを中断して、参加者全員で黙とうをささげました。

また、たまたまこのワークショップ直前の週末に震度7.4と言う大きな余震があり、小規模ながらも津波も発生したことから、議論も非常に熱を帯びたものになりました。

ワークショップの様子  ワークショップの様子2

多くの臨時災害放送局では、自治体が責任者となって運営する「臨時災害放送局」から、今後は市民のための「コミュニティ放送局」への移行を目指しており、そのための資金面、運営面での問題から、放送番組作りの工夫など、様々な課題が真剣に議論され盛会裏に終了しました。

>> 東北臨時災害放送局支援事業の過去の記事はこちら

 

東北臨時災害放送局支援事業担当:相澤(理事)

     

寄付をする