スリランカにおけるスマートビレッジ・システムの構築
2025年9月2日(火)15:34





―コロナ禍を挟んでのシステム構築―
BHNは、APT(アジア太平洋電気通信共同体)から委託された、スリランカ中部におけるスマートヴィレッジ・パイロットプロジェクトを、本2025年2月に完成させました。
このプロジェクトは、APTから2019年度に受託したものですが、直後に起こった世界的なコロナ禍のため約4年間の中断を余儀なくされ、昨2024年3月に再開して、このたびシステムを完成させることができました。
スマートヴィレッジ・システムが設置された場所は、スリランカ中央部にある古都Kandy市の南・約15Kmの田園地帯にあるエルピティヤ地区になります。

現地には身近な距離に野生のクジャクがいた

河川水位検知センサーの取り付け基台
本プロジェクトでは、日本のNICT(国立情報通信研究機構)が開発された、NerveNet(ナーブネット)という通信基盤に、現地のソフト開発グループ及び日本の(株)ナシュアが開発したアプリケーションソフトを組み込み、BHNがハードウェア部分を製作してシステムを構築したものです。

無線中継器キャビン
コロナ禍が収まった2024年2月に本プロジェクトを再スタートさせた後、ソフトウェア開発及びハードウェア製作を進めながら、5月に現地の詳細な地形調査を実施してシステム構築のグランドデザインを決定し、現地の土木工事並びに電気関係の工事を実施してシステムを完成させたものです。
本システムの内容について、学術的な面から取りまとめた記事が、電子情報通信学会誌に掲載されていますので、下記URLを使用してご参照ください。
【Private LoRa メッシュネットワークを用いたスマートビレッジアプリケーションシステムの開発とスリランカへの実装】
※画像をクリックするとPDFが開きます
去る2月28日、現地エルピティアにおいて、APTバンコク本部の代表者、NICTの幹部、スリランカTRC (Telecommunications Regulatory Commission of Sri Lanka)の幹部及び地元関係者出席のもと、システムの引き渡し式が実施されました。

システムの引き渡し式
今後、地元の基幹産業である紅茶工場の効率化を進めるために活用されることで、地域事業の拡充が計られることを期待しています。
参与 紀伊 寛伍