APTの人材育成プログラム専門家会合に出席しました

2013年6月28日(金)14:37   イベント、その他

 

去る6月11日から13日にかけてタイ国バンコック市で開催された、第2回 アジア・太平洋電気通信共同体(Asia-Pacific Telecommunity :APT)人材育成プログラム専門家会合に出席しました。同会合は、APT資金により実施されている人材育成プログラムを今後さらに改善していくために、BHNのような研修実施機関と研修生の派遣国が集まって議論するものです。

 

会合には17カ国から42名が参加しました。日本からは BHN以外に、同じく研修実施機関であるJTEC, KDDIF, YRPが参加しました。BHNからは、APT研修を含め、BHNが実施している人材育成プログラムを紹介するとともに、今後に向けての改善提案を行いました。

 

参加者の集合写真

人材育成はAPT事業の中でも大きな役割を占めるもので、1979年以来実施されてきています。投入される予算は年間総額約130万ドルであり、このうち、約100万ドルは日本政府からの特別拠出金です。現在、研修は日本、中国、タイ、インドのアフィリエートメンバー(賛助加盟員)により引き受けられ、毎年約20コースで約200名の研修が行われています。

 

平均的な研修期間は5~10日(日本開催のコースにはもっと長期のものもあります)で、研修テーマはセルラー技術、周波数管理、サイバーセキュリティーなど、最新のICT技術をカバーしています。途上国からの研修生に対しては、フェローシップと称し、研修実施国までの航空券、日当、研修地滞在費及び研修費がAPTから支払われ、そのうち航空賃が全体予算の47%を占めるに至っています。

 

グループ議論の様子

これらの状況を受け、APTの人材育成事業をよりよいものにしていく必要性が認識され、昨年に第一回の専門家会合が開かれました。第二回目となる今回は、昨年、専門家達により行われた提言に対する措置状況を確認するとともに、新たな改善案を議論する場となりました。また、経費の相当部分を占める渡航費を節約するために、研修のオンライン化が検討されており、タイTOTで開発しているプロトタイプの紹介なども行われました。

 

会合では、着席テーブル毎のグループに分かれ、下記項目につき、ブレーンストミングを行うことにほとんどの時間を費やし、その結果をとりまとめて事務局に対する提言を作成しました。

 

(ア)オンライン研修受講者に対するインセンティブの付与方法や、フェースツーフェース

の研修との望ましい使い分け

(イ)真に必要な研修テーマの明確化(研修テーマに関する各国へのアンケートの見直し)

(ウ)研修引き受け機関への評価と研修生の評価方法(お世辞の評価が多く、実態がつかみ

にくいのが実態)

(エ)研修生の選抜方法の改善(英語力不足や研修意欲の低い研修生が選ばれることがある

という問題)

(オ)フェローシップのあり方(参加可能な研修生の数を増やすため、半額補助が検討され

ている)

 

BHNでは2013年度もAPT研修を提案しており、今回の会合の中でえた情報も参考に、よりよい研修を実施していきたいと考えています。

 

事務局長 山下 孚

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