国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~広島事務所の新しい取り組み、防災・減災のためのスマホ研修~

2023年7月25日(火)9:58

 

 

BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年の事務所開設以来、2018年7月に発災した西日本豪雨被災地、2021年7月・8月に発災した令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施してきました。西日本豪雨被災者支援事業

BHN広島事務所は、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受けました。同事務所では、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えつつ、併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業

2023年7月、島根県大田市北三瓶地区、広島県呉市天応大浜地区及び安浦地区の3つの活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。2023年7月の3拠点共通テーマは「防災・減災のためのスマホ研修」です。なお、ICT研修会の実施に際しては、引き続き、CO2センサーで密にならないように監視し、マスク着用、手指消毒等の基本的な感染対策を行いました。

 

2023年7月6日、島根県大田市北三瓶センター、住民8人+まちづくりセンター職員2人、講師はBHN広島事務所の福田 卓夫氏が担当しました。この日の研修テーマは、「防災情報の活用、動画作成、ネットバンキングの利用」でした。 

 

●防災情報の活用

梅雨時期の大雨が心配される状況なので、参加者各自が持参したスマホを活用して気象庁の「キキクル」(危険度分布)の開き方、使い方を復習するとともに、必要なときに素早く情報を見ることができようキキクルの起動用アイコンをホーム画面に追加しました。これで通常のアプリと同様に簡単に開くことができるようになりました。

次に、各種防災情報を一元的に見ることができる「NHKニュース・防災」アプリの使い方を復習しました。天気予報、雨雲データマップ、土砂災害危険度マップ、河川情報等の利用方法を確認しました。

 

「キキクルの使い方を復習」
(2023年7月6日撮影)

 

「NHKニュース・防災の使い方を復習」
(2023年7月6日撮影)

 

●動画作成

スマホで撮った写真を繋げて動画を作成する実習を行いました。スマホで撮った写真等を見るときに使っているアプリ「Googleフォト」の動画作成機能を使って、写真を数枚選びBGMを付けた短い動画を作成しました。更に、できた動画をLINEで送信する手順も確認しました。さっそく、作成した動画をお孫さんに送った人もありました。

日常的に使っているアプリにこのような機能があることを知って、手順さえわかれば簡単に動画も作成できることに感激されていました。難しいと思っていた動画作成が自分たちにも“手の届くところにある”ことを実感できたようです。

北三瓶地区には、他の地区では見られないような自然や文化があるのに十分には情報発信できていないという課題があるので、スマホ研修会に参加したメンバーで北三瓶の魅力を伝える動画を作成して発信することを考えてみようということになりました。

 

「動画作成に挑戦中」
(2023年7月6日撮影)

 

●ネットバンキングの利用

近年、安全かつ簡単に利用できるようになってきたスマホによるインターネットバンキングについて、その特徴と利用方法を解説しました。かつては、パスワード漏洩による被害も発生し不安に思われていたが、現在では、生体認証やワンタイムパスワードの利用等により、安全性が確保され、更にスマホアプリが使いやすくなり、誰でも簡単な操作で利用できるようになっていることを説明しました。

 

「ネットバンキングを解説」
(2023年7月6日撮影)

 

北三瓶地区には金融機関の窓口やATMがなく、口座の残高確認をするにも市の中心部まで行かなければならないような状況なので、このようなサービスを利用することを勧めました。今後とも、地理的ハンディを克服できる住民のICT活用をサポートします。

 

 

2023年7月19日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、住民5人、講師はBHN広島事務所の杉原 瑞枝氏(主任講師)、沖野 啓子氏、岡崎 幸子氏、寺岡 和子氏、廣中 香氏が担当しました。この日の研修テーマは、「防災情報の活用、個別ICT活用相談」でした。

 

●防災情報の活用

梅雨末期のこの時期、改めて防災・減災の為の知識を確認しました。大田市北三瓶地区で研修された「NHKニュース・防災」アプリの使い方のマニュアルを配り、利用方法を研修しました。

起動画面からみんな揃ってテキスト通りにタップして「マップ」を選択すると雨雲の状態が地図上に表示されます。つい先ほど、雨が降っている時には青色だったのに今は色がついてないよと口々に話し、雨雲レーダー画面がリアルタイムに確認できることに驚かれていました。

「表示切替」をして各種の情報を試しました。「ニュース」「こちらもチェック」に「防ごう熱中症」とあったので、みんなが開きました。「この地区は、警戒になっとるよ」と言われたすぐあとに、「いやぁ~、これは厳重警戒になっとる」よく見ると場所が「東京」になっていました。一同大笑い「これから夏に向けてここを度々見ようね」ということになりました。スマホで身を守る様々な情報を得られることを確認していただくことができました。

 

防災対策について意見交換しているとき、自治会長の沖田さんから体験談を話していただきました。「災害が迫っているときには、行政の対応を待つのではなく、自ら防災情報を収集し、早めの行動をとる必要がある」と改めて確認しました。

 

「NHKニュース・防災アプリの使い方を解説」
(2023年7月19日撮影)

 

「NHKニュース・防災アプリ画面、マップを選択」
(2023年7月19日撮影)

 

●個別ICT活用相談

メールやLINEの操作方法について相談に答えました。参加した皆さん、8月のカレンダーを作成し持ち帰られました。月一回の研修会ですが、楽しみに待って下さっています。

 

 

2023年7月20日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民9人、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。この日の研修テーマは、「防災情報の活用、個別相談」でした。

 

●防災情報の活用

「広島県民だより」の一部を配布して、防災への備えを改めて確認しました。その後、先月も使用した「NHKニュース・防災アプリ」の使い方のテキストを配り、もう一度利用方法を研修しました。

 

「広島県民だよりを配布、災害時の備えについて復習」
(2023年7月20日撮影)

 

以下、講師を担当した廣中 香氏からの活動報告に基づいて記載しました。このところ頻繁に起きる豪雨災害について、ニュース映像を見ると2018年西日本豪雨災害が発生した当時を思い出すと言われる方もおられました。参加者のスマホから2018年7月7日午前6時に自宅2階から撮影した河川の濁流する様子の動画を数人で見ました。

その動画を見て一人の方が『私は自宅に水が入ってきて踝(くるぶし)まで浸かった時に2階へ避難しようか?それとも玄関が開くうちに外へ避難しようか迷ったが、自宅が流されるかもしれないと思い、思い切って「まちづくりセンター」まで歩いた。もう少し遅かったら道路が水没してまちづくりセンターまでも歩けなかったと思う』と話されました。

また『災害直後はこうした話ができなかったが、5年経った今だから話せるのかもしれません』とも話され、避難のタイミングはそれぞれで、豪雨から一夜明けて救助用ボートで自宅の2階から脱出できた方もおられました。その場、その時の状況と自身の体調も踏まえて避難のタイミングは大切だと話し合いました。

それから、『避難所では丸2日間、食べる物が無くて困った。近くのスーパーは水没していたし、唯一のコンビニはみんなが押し寄せて品物はすぐに無くなった。3日目にようやく避難所に物資が届き始めた。後で知ったことだが、安浦町自体、災害があったことが報道もされなくて支援が遅かった』

この意見は安浦の住民から痛いほど聞いてきました。安浦町民のSOSがなぜ届かなかったのかも今後に活かせたらと思います。

 

ひと通り被災当時の話が終わった頃に、全員で「NHKニュース・防災アプリ」を起動しました。するとニュースのトップに「梅雨明け」の文字が・・・。「今までも十分暑かったけれど、これから夏本番ね」との声も聞かれました。アプリ内では「ニュース」から順番に右に移動し「天気予報」画面では赤枠で「熱中症情報」の表示が出ていました。『これだけ暑かったら厳重警戒よね』、『午後からが厳重警戒、夜になっても警戒だから安心はできないよ』、『スマホでここまでわかるのね』と色々な意見が出ました。

参加者9名の中で被災当時スマホをお持ちの方は2名、現在は7名の方がスマホを持つまでになっています。必要な情報はスマホから取得できるということを繰り返し研修して今後に活かしてほしいと思いました。

 

「暑い日には、熱中症情報が大切」
(2023年7月20日撮影)

 

●個別相談

メールがたくさん来て困るという方に、メールマガジン配信停止の手続きとメール削除を支援しました。その他、LINEの文字が小さく見えにくいという方に文字サイズ変更を支援しました。

 

 

BHN広島事務所が担当している3カ所の活動拠点では、2023年7月3拠点共通テーマとして「防災・減災のためのスマホ研修」に取り組みました。2023年7月豪雨が日本列島を縦断した時期と重なり緊張感が溢れた研修となりました。

 

 

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
理事(プロジェクトマネジャー)
有馬 修二

 

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*BHN 自主事業「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」、事業期間:「2019年4月1日~2027年3月31日(以後、継続していく予定)」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社(NTTグループカード)、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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