国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~広島事務所の新しい取り組み、情報共有のためのアプリ活用~

2023年12月11日(月)15:59

 

 

BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業

BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受けました。「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えつつ、併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業

2023年11月、島根県大田市北三瓶地区、広島県呉市安浦地区及び天応大浜地区の3つの活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。2023年11月の3拠点共通テーマは「情報共有のためのアプリ活用」です。なお、それぞれの会場では、引き続き、CO2センサーで密にならないように監視し、マスク着用、手指消毒など基本的な感染対策を行いました。

 

「CO2センサーで密にならないように監視」
(2023年11月16日撮影)

 

2023年11月2日、島根県大田市北三瓶センター住民11人+まちづくりセンター職員2人、講師はBHN広島事務所の福田 卓夫氏が担当しました。この日の研修テーマは、「情報セキュリティ、情報共有のためのアプリ活用、年賀状作成」です。

 

● 情報セキュリティ

LINEとヤフーのサービスを提供する会社が合併したことにより、先月からLINEを開くと、新たなプライバシーポリシーへの同意を求める表示が出るようになり、これはどういう意味でどう対応したらいいのかわからず混乱が生じていました。そこで、その意味を今回説明しました。

「プライバシーポリシー」は、事業者が個人情報の取り扱い方針を明文化したもので、個人情報の収集、活用、管理、保護等に関する方針が定められています。事業者が提供するサービスを安心して利用するために確認しておいた方がいいものだということを認識してもらいました。併せて、迷惑電話が外国からかかってきた事例や、詐欺メールの事例を紹介し情報セキュリティに関する注意喚起を行ないました。

 

「プライバシーポリシーとは」
(2023年11月2日撮影)

 

● 情報共有のためのアプリ活用

情報共有のためのスマホアプリの活用方法として、LINEのアルバム機能とメモアプリを紹介し、使い方を実習しました。

LINEのアルバム機能では、まず参加者のひとりに「秋の風景」というアルバムを作成してもらい、それぞれが撮った写真の中からテーマに合ったものを選んで追加してもらいました。グループで写真を共有するのにとても便利な機能なので、地域のイベント写真の共有や、地域の魅力を発信する資料の素材収集としても活用できます。

メモアプリとして「Google Keepメモ」を紹介し、たくさんある機能をひととおり実習しました。チェックボックス機能を使って買い物のメモとして利用することや、更に文章を書いてLINE等ほかのアプリに転送するというような使い方ができると好評でした。

 

「LINEのアルバム機能を復習」
(2023年11月2日撮影)

 

「秋の風景、各自写真を持ち寄り、アルバム作成」
(2023年11月2日撮影)

 

● 年賀状作成

前日にリリースされたばかりの日本郵便のアプリ「はがきデザインキット2024」を使って年賀状を作成しました。用意した2台のプリンターを使って、とても円滑に印刷までできました。わからないところを互いに教えあったり、出来上がったものを見せ合ったりして和気あいあいと楽しく作業ができました。

Wi-Fiを経由して、スマホからプリンターに直接印刷できるので、とても便利です。これまで苦労していた年賀状作成がとても手軽にできたと、とても喜ばれました。

 

「スマホで年賀状を作成し印刷する手順の研修」
(2023年11月2日撮影)

 

「各自作成した年賀状をプリンターに出力中」
(2023年11月2日撮影)

 

「わからないところは互いに教えあって、全員が
できるところまで進めることができました」
(2023年11月2日撮影)

 

「島根県大田市北三瓶地区、この日参加した皆さんと集合写真」
(2023年11月2日撮影)

 

2023年11月16日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民5人、談交会1人、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。この日の研修テーマは「LINEの確認、今さら聞けないスマホ基本操作、QR コード読み取りのおさらい等」です。

総務省の「デジタル活用支援事業」のテキストを使用し、スマホの基本操作を確認し、日ごろの利用上の疑問に答えました。

 

● LINEの確認

LINEとYahooのサービスを提供する会社の合併によるプライバシーポリシーへの同意についてお聞きしました。参加者の方々は全員、同意を行っておりLINEの使用には支障はありませんでした。ただ、同意した記憶のない方がおられました。何でも「同意する」ことの恐ろしさ、注意をお伝えしました。

 

● 今さら聞けないスマホ操作

普段、スマホを使っている上での困りごとをお聞きしました。呉市安浦地区ではまだ初心者の方が多く、使い慣れていないのが実状です。「インターネットは恐ろしくて使わない」との意見もあり資料の『インターネットを使う時の注意点』を皆さんで読み上げました。

また、調べたい事がある時の検索の仕方等も実際にスマホを使って調べてみました。「この間、お刺身食べ放題のお店に行ったけど、お店の名前がわからないの」、「地域名とお刺身食べ放題で検索してみましょう」、「あった」、名前がわかってスッキリした様子でした。

 

「スマートフォン初心者編のテキスト」
(2023年11月16日撮影)

 

● QR コード読み取りのおさらい

持参した「呉市政だより」の裏面にあるQRコードを使って、デジタルブックを閲覧しました。カメラを起動する方、Googleレンズを起動する方等、自分のスマホ操作を覚えている方もおられました。QRコードで読み取り後、ブラウザで閲覧しているのにどうしてもアプリのインストールの誘導があり苦笑しました。アプリをインストールされた方もいましたが、本人の希望で、後でアプリをアンインストールしました。

 

「呉市の市政だよりをQRコードで読み取り、スマホで閲覧」
(2023年11月16日撮影)

 

● 淡交会様によるお抹茶とお菓子で茶話会

この日も、淡交会様の支援によりお菓子とお抹茶をご馳走になりました。淡交会様は西日本豪雨被災地の仮設住宅団地集会所において被災者支援活動を実施していた時から、茶話会実施のご支援をいただいている会です。

なお、参加されていた住民の一人が入院されていると聞きました。独居で対応が少し遅れましたが命に別状はないとのことで安心しましたが、住民の方々はこれから自分たちにも必要となる介護について関心があるようでした。心配事等些細なことでもこの場で話せること、またその困りごとを地域包括支援センターや保健センター等に繋げることは可能かと思います。皆さんが集える場所で気になることを気兼ねなく話せる場でもありたいと思いました。

 

「スマホの操作の後は、お抹茶を頂きながらお喋りが弾みました」
(2023年11月16日撮影)

 

2023年11月29日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、住民6人、講師はBHN広島事務所の杉原 瑞枝氏(主任講師)、沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、岡崎 幸子氏、岩本 一子氏、廣中 香氏が担当しました。この日のテーマは、「活き活きシニアの健康法、オンラインミーティング研修、年賀状作成研修」でした。

 

● 活き活きシニアの健康法研修会

 最初に、シニアネットひろしまの「Word」講座で使用した、「活き活きシニアの健康法テキスト」を配布しました。日常生活の中に取り入れたい健康法なので皆さんに配りました。全員で大笑いしたり、深呼吸したり...。

すると、自治会長の沖田さんが「これはとても良いテキストです、自治会全員の方にコピーして配ります」とおっしゃっていただき、とっても嬉しかったです。

 

「活き活きシニアの健康法にそって、笑ったり深呼吸したり...」
(2023年11月29日撮影)

 

● オンラインミーティング研修

住民の皆さんが、オンラインミーティング機能を活用できるようにするための研修と準備を行いました。これまでも、コロナ禍で現地に行けないときに何度かオンラインでの活動を試行したことがありましたが、住民の方が慣れていないこともあり、うまくつながらないというようなこともありました。

そこで、来月は本格的にオンラインでやってみようということにしました。そのために、集会所に設置しているパソコンや参加者が持っているパソコンに、オンライン会議室へ簡単に入れるような設定を行い、「オンラインミーティング機能活用方法」を研修しました。

 

「オンライン会議室へ簡単に入れるような設定を行い、操作方法研修」
(2023年11月29日撮影)

 

● 年賀状作成研修

住民の皆さんの年賀状作成を支援しました。例年の様にわいわいがやがや、各自見本を見て好みの年賀状を作成し、2台のプリンターをフル稼働させて、裏面・宛名面を印刷しました。そのほか、来年のカレンダー作成等も行いました。

「2台のプリンターをフル稼働させて印刷」
(2023年11月29日撮影)

 

「広島県呉市天応大浜地区、この日参加した皆さんと集合写真」
(2023年11月29日撮影)

 

BHN広島事務所が担当している3カ所の活動拠点では、それぞれ新しい工夫を取り入れながら活動を実施しています。2023年11月の3拠点共通テーマとして「情報共有のためのアプリ活用」に取り組みました。新しい国内災害に備えながら、活動を継続していきます。

 

 

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二

 

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*BHN 自主事業「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」、事業期間:「2019年4月1日~2027年3月31日(以後、継続していく予定)」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社(NTTグループカード)、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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