国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業 ~広島事務所の新しい取り組み、能登半島地震被災地向け広域災害後方支援活動を加えて(2)~
2024年3月4日(月)16:37
BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業
BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受けました。「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えつつ、併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT 機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
2024年2月、島根県大田市北三瓶地区、広島県呉市安浦地区及び天応大浜地区の3つの活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「情報共有のためのアプリ活用」です。なお、2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。BHN広島事務所がまとめ役となり、新たに開設を予定しているBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業を遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動のための各種準備作業」を継続しています。
■ 研修場所、島根県大田市北三瓶センター
2024年2月8 日、島根県大田市北三瓶センター、住民10人+まちづくりセンター職員2人、この日の研修テーマは、「地域での情報共有のため、スマホの基本操作を再確認しながら情報共有(転送)、グループビデオ通話」を実習しました。講師はBHN広島事務所の福田 卓夫氏が担当しました。
●地域での情報共有
まず、文章を編集するために、文字のコピー・貼付け等スマホの基本的な機能を再確認しました。次に、情報共有のため、自身で作成した文章や受信した文章・写真等の情報を他の人に転送する方法を実習しました。また、スタンプのカテゴリー等、LINEの新しい機能も確認しました。
●グループビデオ通話
LINEの通話操作を再確認し、一対一の通話操作とは異なる操作となるグループビデオ通話を試してみました。オンラインミーティングが簡単にできることを体験できて、とても喜ばれました。遠隔地とのコミュニケーションだけでなく、地域内でもグルーブ打合せ等にも活用できるという感想もありました。
●その他、郵便局の荷物配達事前通知サービス
日常生活の便利なサービスとして、郵便局の荷物配達事前通知サービス「eお届け通知(LINEでお知らせ)」等を紹介しました。荷物が届くことが事前にわかり、不在予定のときには配達日時の変更を申し込めば良いので便利です。
■ 研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館
2024年2月15日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民9人、この日の研修テーマは「スマホで情報共有」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。
●スマホで情報共有
BHN広島事務所で作成した研修用資料「共有機能の使い方」に沿って説明・復習しました。「あら、この資料持ってるよ」とこれまでの研修資料をバインダーにまとめてくださっている方がその資料を探して見つけました。とてもありがたいことで嬉しくなりました。
写真の共有は慣れた手つきでグループLINEに投稿できました。その際、LINE操作をしている方から「最近スマホのキーボードが狭くなって入力しづらい」との質問がありました。他の方のスマホのキーボードと比較しても明らかに横幅が狭いのが判りました。
「ネットで調べてみましょう」と、またまたおさらいが続きます。「検索のやり方はいつかここで勉強したけど、普段はあまり使うことがないから」との声もありました。わからないこと、調べたいことに対して、どのように入力したらいいのかわからない方もいます。慣れることも必要だと感じました。ネットで調べてみると、解決方法が図解で示されていたのでそのページのURLをグループラインで共有しました。解決方法を各自のスマホで確認できることを学べる良い機会でした。
●研修後は情報交換の場
スマホ研修会後は、毎回、何かしら便利グッズの情報交換があります。今回は、「簡単に作れるポプリ入れ」です。お茶パックに乾燥したラベンダーを詰め込み、ハギレ布を使って袋にした物でした。皆さん、興味津々の様子でした。 最後に、持ち寄ったお花を前に記念撮影し、今回も楽しいスマホ研修会でした。
■研修場所、広島県呉市天応大浜アパート集会所
2024年2月21日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、住民5人、講師はBHN広島事務所の寺岡 和子氏(主任講師)、沖野 啓子氏、岡崎 幸子氏、廣中 香氏が担当しました。この日のテーマは、「令和6年能登半島地震被災地を思う、スマホ研修(紙情報のデジタル保存、LINE表示名の変更処理、グループビデオ通話)」でした。
●令和6年能登半島地震被災地を思う
はじめに、令和6年能登半島地震被災地支援について、広域災害後方支援要請があればいつでも応じられるように、BHN広島事務所では各種準備作業を開始していることを伝えました。それに関連して、皆さんが体験された2018年西日本豪雨災害時の出来事、避難生活のこと等の話が出ました。
広島県呉市天応大浜アパート自治会長の沖田さんからはBHN広島事務所の支援活動に対し、「発災直後から5年間に及ぶ息の長い支援活動に大変感謝している、Wi-Fiやパソコン、プリンター等が非常に有効に活用できている」と発言がありました。沖田さんをはじめ皆さんがICTを上手に活用されているので当方もうれしく思いました。「何かしたいけれど今はまだ避難所生活で受け入れられる状況にはないであろう、落ち着いたらオンラインで交流ができるようになるかもしれない」と体験者としての思いを話し合いました。
●スマホ研修(紙情報のデジタル保存、LINE表示名の変更処理、グループビデオ通話)
先ず、紙情報のデジタル保存について研修しました。「Keepメモ」を起動して、対象を写真撮影するだけで保存されることを確認しました。これまでは、カメラを起動して撮影したものを保存するしかできないと思っていたので、これにはびっくりしました。実際に、新聞記事やレシート等を撮影して保存する練習をしました。更に、これまでに保存したものを検索し、削除することもやってみました。
次に、LINE表示名の変更処理について研修しました。表示名をニックネーム等にしているのを自分がわかりやすい表示名(本名)に変更する。相手には変更がわからない。自分のプロフイール画像、背景の変更も練習しました。
そして、グループビデオ通話について研修しました。次回は本格的なオンラインミーティングサービス「Google Meet」を使いますが、今回はLINE通話でオンライン交流の練習をしました。うまく繋がって今回都合で参加できなかった杉原さんがオンラインで参加できてみんな大喜びでした。
■令和6年能登半島地震被災者支援事業に対する広域災害後方支援活動(2)
2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。BHN広島事務所がまとめ役となり、新たに開設を予定しているBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業を遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動のための各種準備作業」を継続しています。
BHN広島事務所(島根開発センター)では、令和6年能登半島地震被災者支援活動のために現地に送る機器の点検・整備・部品調達等を実施しています。
・パソコンのOS更新、CMOS電池交換、研修用資料等の搭載、オンライン会議設定
・タブレットの充電、アプリの更新、研修用資料等の搭載、オンライン会議設定
・プリンターの動作点検、Wi-Fiルーター(home5G HR、SH-52B)等接続設定
・CO2センサーの動作点検・接続設定
・PC~TV接続ケーブル、電源コード、プリンターインク、印刷用紙、体温計等の調達
パソコンとタブレットには、BHN広島事務所で作成し、これまでの西日本豪雨被災者被災者支援活動等で使用してきた研修資料を搭載しています。また、各機器のネットワーク接続等の各種設定は済ませて、現地で電源を入れさえすればすぐに利用できるように配慮しています。令和6年能登地震被災地へ発送できるようになれば、島根県大田市北三瓶まちづくりセンターを利用して、地元住民にも協力してもらい梱包作業等を行い発送する予定です。
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二