国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業 ~広島事務所の被災者支援活動、新しい段階の広域災害後方支援活動への取り組み(20)~
2025年8月26日(火)17:00




BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業
BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材等を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
2024年1月1日16時10分に発生した令和6年能登半島地震、更に、2024年9月20日から発生した令和6年奥能登豪雨災害に対し、BHN現地事務所(宮城、熊本、広島)ではBHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対して、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を実施し、令和6年能登半島地震被災者支援事業は順調に軌道に乗っています。
BHN広島事務所では、「BHN北陸事務所が担当している令和6年能登半島地震被災地とBHN広島事務所が担当してきた2018年西日本豪雨被災地等との被災地間ネット交流会」を実施しています。更に、今後国内各地で発生する新しい国内災害(とりわけ、南海トラフ巨大地震等)に備える、「既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めています。
2025年8月7 日島根県大田市北三瓶地区、8 月21日広島県呉市安浦地区の活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。2拠点共通テーマは「被災地間ネット交流会への対応、スマホセキュリティ対策」です。
■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター
2025年8月7日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民11名+北三瓶まちづくりセンター職員1名(山田 みどり氏)+BHN広島事務所メンバー オンライン参加5名(沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、杉原 瑞枝氏、岩本 一子氏、廣中 香氏)、この日の研修テーマは、「広島と接続してオンライン研修会、スマホ・パソコンを安心して利用するためのセキュリティ対策研修」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。

いつものように、CO2センサーで環境確認!
(2025年8月7日撮影)

いつものように、広島の皆さんはネット参加!
(2025年8月7日撮影)
●突然現れるサポート詐欺など等に要注意
先日、市内でマイクロソフトを騙る「サポート詐欺」被害があったので、その状況を詳しく説明して注意喚起しました。この事例では、パソコン画面に突然、「このパソコンはセキュリティ上の理由からブロックされています。マイクロソフトのサポートに電話してください。」というような表示が出てパソコンが操作できなくなってしまった、ということです。
実際には、偽の警告画面が全画面表示で出て、操作できなくなったと誤って認識させられ、表示された偽のサポートに電話をした結果、「トラブルを解消するためのサポート費用」を騙し取られたということでした。
他にも、スマホを使っているときに、画面に大きく表示される迷惑な広告の事例と対処方法を説明しました。ICTを安心して利用するためには、危険な事例を知って、不正な画面が現れたときの見分け方・対処方法を知っておく必要があります。危険なものもあることをしっかり認識し、訳が分からないまま画面に現れた指示通りに操作を進めていくのではなく、立ち止まって確認することが必要だと改めて確認しました。

突然現れる詐欺画面等に要注意!
(2025年8月7日撮影)

この日は緊張感があふれた研修会でした
(2025年8月7日撮影)
●パスワードからパスキーへ
パスワード漏洩によるなりすまし被害が増加していることから、パスワードからパスキーへの転換が進められつつあります。
パスキーは生体認証により端末で認証を行う方式なので、なりすましはできない仕組みで、安全性が高く、利用者にとってもパスワードを適切に管理するという負担がなくなるので積極的に利用した方がいいのです。
Googleアカウントは既にパスキーに対応していて、その利用を勧めているので、全員パスキーを設定しました。まずは、その前提となる生体認証の設定ができていない人もあったので、顔認証か指紋認証を設定しました。そのうえで、パスキーを設定しましたが、あらかじめ生体認証がきちんとできているので、とても簡単な操作で設定が完了しました。
顔認証を設定した人は、とても簡単にロック画面解除ができるようになり、感激されました。また、パスキー設定については、皆さん認識はなく、いくら事業者が勧めても普及は進みそうにないので、このような研修の機会の重要性を改めて認識しました。引き続き、利用者が安心してICTを活用できるようにサポートします。

パスワードからパスキーへ
(2025年8月7日撮影)
■研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館
2025年8月21日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民7名、研修テーマは「スマホを安心・安全に利用するためのセキュリティ対策」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。北三瓶の資料を使用しながら研修を進めました。
●先ず、近況報告から
この日も猛暑日で、会場までの道のりは日傘をさしても暑くて大変だったと思います。それでも畑で実った野菜を持ち寄っての話が弾みます。「日差しが強いせいか、きゅうりは早々に枯れてしまった」と今回はナスとオクラです。「瀬戸内はこんなに晴れているけれど、中国山地の山沿いは黄色くなって雨が降っている。鹿児島付近は真っ赤になっている。」と、おひとりが慣れた手つきで雨雲レーダーを見て知らせてくれました。台風も近づいており、天気アプリは活用されているようです。

今日も、花より野菜!
(2025年8月21日撮影)
●スマホのシステム更新
システムの更新については、聞いたことはあるがその必要性についてご存じの方はいらっしゃいませんでした。セキュリティに関することなら重要ね、と早速テキストの手順に基づいて操作してみました。
Android端末の方が多いのですが、皆さんテキスト通りに進んでご自分のスマホのシステムのバージョンを確認できました。ほとんどの方が自宅にWi-Fi環境にないため、この場でのアップデートを勧めました。少し時間はかかりましたが、全員のスマホが最新の状態になりました。アップデートのお知らせはあるものの見落とすこともあるので、時々は研修会で更新の有無を確認してみようと思います。

スマホを安心・安全に利用するために、画面ロック!
(2025年8月21日撮影)

スマホのシステム更新!
(2025年8月21日撮影)

『システムアップデート、最新の状態です』を確認!
(2025年8月21日撮影)
システムのアップデート更新の後は、アプリケーションの更新も進めました。
●久しぶりの記念撮影
久しぶりの記念撮影では、ちょっとだけ緊張しました。

久しぶり、揃って記念撮影
(2025年8月21日撮影)
■BHN広島事務所による「新しい段階を迎えた広域災害後方支援活動
BHN広島事務所は、BHN北陸事務所からの要請に応えて、2025年4月~7月、令和6年能登半島地震被災地との被災地間ネット交流会に参加しました。BHN広島事務所では、令和6年能登半島地震被災地と被災地間ネット交流会を継続実施しながら、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めていきます。
これまでの活動状況は以下のページをごらんください。
国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その1)
国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その2)
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二