国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~広島事務所の被災者支援活動、新しい段階の広域災害後方支援活動(22)~
2025年11月10日(月)9:37
BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業
BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材等を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
2024年1月1日16時10分に発生した令和6年能登半島地震、更に、2024年9月20日から発生した令和6年奥能登豪雨災害に対し、BHN現地事務所(宮城、熊本、広島)ではBHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を実施し、令和6年能登半島地震被災者支援事業は順調に軌道に乗っています。
BHN広島事務所では、「BHN北陸事務所が担当している令和6年能登半島地震被災地とBHN広島事務所が担当してきた2018年西日本豪雨被災地等との被災地間ネット交流会」を実施しています。更に、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めています。
2025年10月2日島根県大田市北三瓶地区、10月15日広島県呉市天応地区、10月16日広島県呉市安浦地区の活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「ネット会議活用研修会、気象・防災アプリの移行等」です。
■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター
2025年10月2日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民8名+北三瓶まちづくりセンター職員1名(山田みどり氏)+BHN広島事務所メンバー オンライン参加5名(沖野啓子氏、杉原瑞枝氏、岡崎幸子氏、岩本一子氏、廣中 香氏)、この日の研修テーマは、「広島と接続してオンライン研修会、地域のLINE連絡網(鳥獣被害対策)、気象・防災アプリの移行」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。

いつものように、CO2センサーで環境確認!
(2025年10月2日撮影)

いつものように、広島メンバーはネット参加!
(2025年10月2日撮影)
●鳥獣被害対策用LINE連絡網について
この日の研修は、北三瓶まちづくりセンター職員の山田 みどり氏から、「鳥獣被害対策用LINE連絡網」についての説明から開始しました。
北三瓶地区では、近年猿による農作物への被害が発生していることから、LINEを使った連絡網を構築しています。猿の出没情報を共有し、猿が出たときには駆けつけて集団で追い払い被害の防止を図る取り組みを行っています。この研修会の参加者の多くも、この連絡網に参加しており、研修が役立っています。

北三瓶まちづくりセンター職員の山田 みどり氏から説明
「鳥獣被害対策用LINE連絡網について」
(2025年10月2日撮影)
●気象・防災アプリの移行設定
2025年10月1日から、NHK ONEという新しいネットサービスが始まったことに伴い、私たちが利用してきた気象・防災アプリ「NHKニュース・防災」が新しいアプリに移行するというので、その導入・設定を行いました。
旧アプリを起動して「アップデート」から新アプリをインストールし、気象・災害情報の地域設定とプッシュ通知の設定を行いました。旧アプリをインストールしたときと同じ設定が必要です。新アプリの機能は同じで、同様に使えることを確認しました。

「NHKニュース・防災」の新アプリへの移行マニュアル
(2025年10月2日撮影)

広島チームの様子も確認しながら進めました
(2025年10月2日撮影)
■研修場所、広島県呉市天応地区
2025年10月15 日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、呉市天応地区住民4名、坂町住民2名, この日の研修テーマは「気象・防災アプリの移行、LINEの音声入力研修」、講師はBHN広島事務所の寺岡 和子氏(主任講師)、杉原 瑞枝氏、沖野 啓子氏、岡崎 幸子氏、廣中 香氏の5名が担当しました。
●気象・防災アプリの移行設定
北三瓶まちづくりセンターでのテキストを使い、「NHK ONEニュース・防災」のアプリの移行設定をしました。旧アプリを起動して「アップデート」から新アプリのインストール、インストールに少し時間がかかりましたが、皆さん順調にできました。
続いて、気象・災害情報の地域設定、プッシュ通知の設定を行いました。画面は旧アプリと同じで、見慣れた画面で操作はスムースにできました。移行が完了したのを確認して旧アプリをアンインストールしました。
これからも積極的に利用して、情報の収集に役立てたいと確認し合いました。

広島県呉市天応地区、この日の研修資料
(2025年10月15日撮影)

広島県呉市天応地区、寺岡 和子氏が主任講師を担当
(2025年10月15日撮影)

少し時間がかかりましたが、皆さん順調にできました
(2025年10月15日撮影)
●LINEの音声入力研修
次に、LINEの「コメント入力」を音声でする操作を確認しました。相手に音声で伝える『マイク』と音声を文章に変えて入力する『マイク」の二つがあることを説明しました。
二つの『マイクアイコン』に戸惑いながらも、ワイワイ言いながら操作してみました。
LINEのグループにコメントを送って確認しました。これも何度も使用して慣れることが必要ねと話しました。スマホは機器ごとに表示画面や操作が違うのでサポートは、マンツーマンになりました。私たちも事前にしっかり予習が大切だねと再確認しました。

広島県呉市天応地区、音声入力研修にも挑戦しました
(2025年10月15日撮影)
■研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館
2025年10月16日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民7 名、研修テーマは「気象・防災アプリの移行、LINEの音声入力研修」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。北三瓶まちづくりセンターで使用したテキスト、天応地区で使用したテキストの両方を使用しながら研修を進めました。
●近況報告
この日も、近況報告から始まりました。「近所に老人介護施設が完成しつつあってショートステイの金額等が掲げてあるけど、相当なお金がかかるね」、「ずっと自宅で暮らすことができたら、それが一番よね」、関心事は身近なことのようです。皆さんが、お元気でこうして集えることが長く続くことを願わずにはいられませんでした。
●気象・防災アプリの移行
北三瓶まちづくりセンターでのテキストを使い、「NHK ONEニュース・防災」のアプリの移行設定をしました。旧アプリを探すことから始まります。「この間までホーム画面にあったのに」とアプリを探すだけでも賑やかです。旧アプリをタップしたら、それからはテキスト通りに手順を進めていきます。プッシュ通知の設定が終わると作業も終了です。新しいアプリの使い方は旧アプリと同じで安心されていました。

これまで活用してきた旧アプリを見つけます
(2025年10月16日撮影)
●LINEの音声入力研修
LINEの音声入力研修を始めました。LINEのコメントには音声を録音して伝えるマイクと、音声を文章に変えるマイクがあることを説明しました。
実際にやってみないと伝わらないようなので、それぞれLINEを開きマイクが二つあることを確認してみました。しかし、ある方のスマホ端末では、どう探してもマイクが一つしかありません、来月までの宿題になりました。
グループラインに、音声を録音したコメント、音声を文章に変換したコメント、をそれぞれ投稿して確認しました。
●記念撮影、そして水彩画風に
最後に記念撮影しました。ついでに、先月学習したCopilotを使って水彩画風に変換してみました。

最後に記念撮影、先月学習したCopilotを使って水彩画風に変換
(2025年10月16日撮影)
■BHN広島事務所による「新しい段階を迎えた広域災害後方支援活動」
BHN広島事務所は、BHN北陸事務所からの要請に応えて、2025年4月~7月、令和6年能登半島地震被災地との被災地間ネット交流会に参加しました。BHN広島事務所では、令和6年能登半島地震被災地と被災地間ネット交流会を継続実施しながら、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めていきます。
これまでの活動状況は以下のページをごらんください。
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二
