国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~広島事務所の被災者支援活動、能登半島地震被災地向け広域災害後方支援活動を継続(7)~
2024年7月26日(金)16:50
BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業
BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その1)
2024年7月、島根県大田市北三瓶地区、広島県呉市天応大浜地区及び安浦地区の3つの活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「防災情報の活用」です。
なお、2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。BHN広島事務所がまとめ役となり、新たに開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を継続しています。
2024年7月4日、BHN広島事務所(島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)では、令和6年能登半島地震被災者支援事業に活用するICT機器を梱包した第3回目機材発送業務を実施しました。BHN北陸事務所では、これらの機材を活用して、2024年7月19日、令和6年能登半島地震被災地、輪島市(2カ所)の仮設住宅団地集会所において、「BHNパソコンコーナー開設作業」を実施しました。
■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター
2024年7月4日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民10人+まちづくりセンター職員1人+BHN広島事務所メンバー オンライン参加5名(沖野、寺岡、杉原、岩本、廣中)、この日の研修テーマは、「オンライン研修試行、生成AI活用、災害時を想定した実践的な防災情報活用研修」でした。講師はBHN広島事務所(島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。
●広島と結びオンライン研修会
先月に引き続き、広島事務所のメンバー5人が北三瓶研修会にリモート参加する形でのオンライン研修を試行しました。北三瓶まちづくりセンターの会場内には講師用パソコン1台とリモート参加者の状態確認用パソコン1台を配置し、広島事務所のメンバー5人はそれぞれ自宅からパソコンで接続しました。
●生成AI活用研修
スマホでGoogleのAI「Gemini」が使えるように、まずアプリのインストールを行い、AIに質問してみました。AIに「三瓶山周辺のカフェを教えてください」と質問すると、知っているカフェのリストが出て、その場所がマップで表示される・・・というようなことを体験しました。AIから希望する回答を得るためには、質問の仕方も重要なので、様々な分野で利用しながら、有効な活用方法を研究することにしました。
●防災情報活用訓練
「NHKニュース・防災アプリ」を使って、雨雲の動きと今後の雨の降り方予測を確認する手順を練習しました。防災情報は日常的にも役立つ情報なので、皆さん熱心に手順を確認しました。
更に、災害時に土砂崩れ等を発見したことを想定して、その場所と現場の状況を素早く連絡する練習を行いました。LINEで位置情報を送信し、現場写真を撮ってすばやく送信する手順を身につけるよう、何度も練習しました。
■研修場所、広島県呉市天応大浜アパート集会所
2024年7月17日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、住民5人、講師はBHN広島事務所の沖野 啓子氏(主任講師)、寺岡 和子氏、杉原 瑞枝氏、廣中 香氏が担当しました。この日の研修テーマは「6年前の西日本豪雨災害を振り返る、防災情報の活用研修」でした。
●6年前(2018年)の西日本豪雨災害を振り返って
2018年7月6日に発生した西日本豪雨は、西日本地域一帯に、特に広島県・岡山県・愛媛県の3県に、甚大な人的被害・住宅被害をもたらしました。
2024年7月6日、6年前の西日本豪雨災害を振り返って、地元の各テレビ局が特番を放送しました。この日の研修参加者の方2名がそれぞれのテレビ番組に登場されました。この日は、当時を回想し、「車で出勤していて結局帰宅できずに会社に泊まったこと」・・・「自宅はすべて流され、仮設住宅から現在の大浜住宅までずっと自治会長として活動してきた様子」等を話されました。
時間が経った今だから話せるようになったこともあると思いますが、「災害発生の初期段階には情報等が無かった」、「避難への対応の遅さや仮設住宅の建設が遅かった」、「また、大災害になった原因の一つに、古い砂防ダムの管理ができていなかったこと」等も挙げられていました。そして、「経験を踏まえたうえで、避難マニュアルの作成、行政への呼びかけも継続していくのが今後の課題」と力強い言葉がありました。
●防災情報活用訓練
様々な情報を一つのアプリで見ることができる「NHKニュース・防災アプリ」を再確認しました。地域の設定には、自宅の他に2カ所を設定してもらいました。
ニュース記事を読むこと、天気予報を見ることは普段からしているとのこと、マップにして地図上で見る方が分かりやすいこと、「表示切替」で様々なメニューを選択して詳細情報を見ることができること、河川の様子を画像で見ることできること等々を確認しました。非常時だけでなく、普段から開いて確認するようにしようと話し合いました。
「天応グループLINE」では、日常的にコメントや画像を送って活用されています。この日は、「リアクションをつけること」をやってみました。「スタンプにより、手軽に、誰が既読か分かるのが良い」ですね。
更に、「現在地の情報を送る」をやってみました、同じ部屋の中にいるのに、微妙に位置情報(番地)が違っていました。手動で修正が必要な場合があることも確認しました。また夏休み中には、外出先から「位置情報」を送ることに挑戦しようと話し合いました。
■研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館
2024年7月18日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民8人、この日の研修テーマは「防災情報の活用、LINEの防災活用」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。
●グーグルレンズで撮って「花の名前確認作業」から
梅雨明け発表があるかな?といった暑い日でした。コロナの感染拡大も少し気になるので換気を行いながら始めました。この日、持ち寄ってくださったお花、花の名前をグーグルレンズで撮って確認する作業が定番になりました。
●防災情報の活用研修
先月に引き続き防災情報の活用研修を行いました。この研修会では、防災に関するアプリやサイトをいくつか紹介してきましたが、実際に参加者の皆さんが日頃どれだけ活用しているのかを訊ねてみました。「雨雲レーダーは大物の洗濯をする時には見ますよ」主婦ならではの意見です。日頃からアプリやサイトを活用することが大切だとみんなで話をしました。ただ、自分の知りたい情報が、どのアプリを開いたらいいのかわからないといった意見もありました。
そんな中、「NHKニュース防災アプリ」は、最新のニュースから雨雲レーダーの動き、ハザードマップ、河川情報、気象情報がコンパクトに見ることが出来て、便利だと皆さんの意見が一致しました。スマホを使い慣れてない方には、一つのアプリを徹底的に使いこなす方がわかりやすいのだと感じました。浸水を経験された方は河川の氾濫が一番の関心だと話されました。そして、みんな揃ってやってみる復習機会は一層効果的だとわかりました。
梅雨が明けても、今度は台風シーズンです。参加者のお一人が自治会で行った防災訓練で簡易トイレの作り方を勉強したので、次回は実際にみんなで作ってみましょうと提案されました、楽しみです。
■令和6年能登半島地震被災者支援事業に対する広域災害後方支援活動を継続(7)
2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。新たに開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、BHN広島事務所がまとめ役となり遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を継続しています。
2024年7月4日、9:30~12:00、「島根県大田市北三瓶まちづくりセンター」において、令和6年能登半島地震被災者支援事業、被災者支援活動用ICT機器4セット分(第3回目発送2セット分、次回以降発送予定2セット分)の数量確認作業、箱詰め作業を、10人の皆さまの協力を得て行い、予定通りBHN北陸事務所(石川県金沢市)へ7月5日夕方配達指定で発送しました。
2024年7月5日夕方、BHN北陸事務所へ到着した被災者支援活動用ICT機器2セット分は、7月19日、令和6年能登半島地震被災地、石川県輪島市に開設された仮設住宅団地集会所(2カ所)に搬入し、「BHNパソコンコーナー」として開設作業を完了しました。
発送作業に参加した人からは、「能登の状況が気になっていたので、支援活動に参加できてよかった」と述べられました。作業当日は都合が悪く参加できなかった人からも、「次回は参加したいので声をかけてほしい」という積極的な反応がありました。
これまでの活動状況は以下のページをごらんください。
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二