国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~広島事務所の被災者支援活動、能登半島地震被災地向け広域災害後方支援活動を継続(10)~

2024年11月5日(火)16:44

 

 

BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業

BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業 (その1)

2024年10月3日島根県大田市北三瓶地区、10月16日広島県呉市天応地区、10月17日広島県呉市安浦地区の3つの活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「スマホの基本操作研修、防災情報の活用」です。

なお、2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。更に、2024年9月20日から令和6年奥能登豪雨災害が発生しました。BHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を継続しています。

 

 

■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター

 

2024年10月3日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民12人+まちづくりセンター職員1人+BHN広島事務所メンバー オンライン参加3名(沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、杉原 瑞枝氏)、この日の研修テーマは、「AIを活用した写真の編集と整理」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。

 

●広島と結びオンライン研修会

先月に引き続き、広島事務所のメンバー3人が北三瓶研修会にリモート参加する形でのオンライン研修を試行しました。北三瓶まちづくりセンターの会場内には、講師用パソコン1台とリモート参加者の状態確認用パソコン1台を配置し、広島事務所のメンバー3人はそれぞれ自宅からパソコンで接続しました。時々、広島側の様子を確認し、質問等に答えながら進めました。

 

BHN広島事務所メンバー3人が北三瓶研修会にリモート参加
オンライン対話中のスクリーンショット
(2024年10月3日撮影)

 

●AIを活用した写真の編集

 

最近AIによる画像編集機能が充実してきている「Googleフォト」を使って、最近追加された新しい機能を試してみました。

被写体の背景をぼかす、空の色だけを変える、明るさを補正する等が簡単にできます。明るさの補正では、人の顔が片側半分暗く写っている写真も自動補正した上に、仮想的なライトを追加することもできて、きれいに補正できることを体験して、皆さんAIの効果に驚かれていました。

 

AIを活用した写真の編集
(2024年10月3日撮影)

 

●AIを活用した写真の整理

 

皆さん、これまでにとった大量の写真をどう整理し活用するのかというところが課題になっています。そこで、Googleフォトの機能を使って写真の活用と整理を実習しました。

まず、複数の写真を組み合わせたコラージュの作成です。写真を選択し、用意されているいくつかのテンプレートを選べば完成です。皆さんとても楽しく作業を進め、気に入った作品ができると、周りの人と見せ合って喜んでいました。さっそくLINEで孫等に送った人もいました。写真の整理では、AIが人物ごとに分類していることを確認し、写真の内容や撮影場所の地名等をキーワードにして検索することも試してみました。

 

楽しいコラージュができました
(2024年10月3日撮影)

 

できた作品をさっそく孫に送りました
(2024年10月3日撮影)

 

AIによって、写真が人物ごとに分類されていることを確認
(2024年10月3日撮影)

 

●インスタグラムを活用した地域情報の発信

 

地域のグループの活動や近くにできたカフェの情報がインスタグラムで発信されているので、それらを見てみました。参加者の中には、自分の取り組みを情報発信したいという人もいるので、今後、その具体的なやり方を研修することにしました。

 

島根県大田市北三瓶まちづくりセンター職員が
しっかりサポートしてくれています
(2024年10月3日撮影)

 

●使用したテキスト「スマホ写真の編集と整理」

 

この日のスマホ研修会で使用したテキスト、2024年10月版テキストBHN広島事務所「スマホ写真の編集と整理」(福田卓夫 作成)、を掲載します。

 

2024年10月版テキスト
BHN広島事務所「スマホ写真の編集と整理」
(福田卓夫 作成)

◆画像をクリックするとPDFが開きます◆

 

 

■研修場所、広島県呉市天応地区

 

2024年10月16日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、呉市天応地区住民4名+坂町住民2名、この日の研修テーマは「坂町からの2人を迎えて、AIを活用したスマホ写真の編集と整理、防災情報の活用について研修」、講師はBHN広島事務所の沖野 啓子氏(主任講師)、寺岡 和子氏、廣中 香氏、岡崎 幸子氏、杉原 瑞枝氏が担当しました。

 

●2018年西日本豪雨被災地、坂町から2人を迎えて

 

広島県呉市天応地区に隣接する広島県坂町の仮設住宅団地において、2018年西日本豪雨被災者支援活動としてBHN広島事務所が当時行っていたパソコン研修会に参加されていた2名の方に、この日のスマホ研修会に参加していただくことができました。

BHN広島事務所メンバーと坂町の皆さまとは、LINEグループで交流を続けてきており、近いうちに会おうという話に発展していました。そこで、天応大浜アパート自治会長・沖田さんに相談したところ、この日のスマホ研修会に受け入れていただけることになりました。天応の住民の方々に温かく受け入れていただいて、今後も参加していただけることになりました。

 

坂町からの2人を迎えてスマホ研修会
(2024年10月16日撮影)

 

●AIを活用した写真の編集

 

大田市北三瓶地区での研修で使用したテキストを使って、「Googleフォト」アプリによる写真の編集を実習しました。

集会所のベランダに出て各自スマホで空・雲・海等を5~6枚撮り、部屋に入ってから明るさや色合いを修正しました。例えば1枚の写真の空の色合いを「サンセット」にしてみると「な~るほど、夕日の色じゃね。いいね!」と口々に言っておられました。

 

集会所のベランダに出て、各自スマホで空・雲・海等を撮影
(2024年10月16日撮影)

 

続いて背景をぼかしすことも体験しました。「周囲がぼけて被写体がよりいっそう鮮明になってきたような感じだね」と言われた方もいらっしゃいました。

次に、写真を組み合わせてコラージュを作成しました。テキストに沿って操作していくと、あっという間に素敵な組み合わせの作品ができました。「わぁ~、楽しい!」という声が上がりました。出来上がったものを、皆さんLINEに添付して交換し合いました。

 

●防災情報の活用

 

LINEは緊急時の連絡網になり、自分の位置を知らせたい時は位置情報の送信で簡単にできます。電話が繋がらない時にも安否確認ができることを復習しました。

相手に正しい位置が送れるよう、地点を示すピンが正しい位置を指しているかを確認して送信することを確認しました。

 

 

■研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館

 

2024年10月17日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民12人、この日の研修テーマは「理学療法士による健康体操指導、スマホ写真の活用」、講師は健康体操指導講師:理学療法士 住田ゆう氏、BHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。

 

●理学療法士による健康体操指導

 

この日は、理学療法士さんに「ケガをしない体をつくり、いつまでも元気に楽しく過ごそう」をテーマに、けがをしないために必要なことのお話や自宅でできる簡単な体操を教えて頂きました。

参加者の皆さんは、いかに健康で元気に過ごせるかが最大の課題と言われる方もおられました。ケガをしないためには食事、運動、睡眠が大切なことをわかり易く聞くことができました。お話の途中でも「どんな運動がいいの?」、「年齢により運動時間は違ってくるの?」、「食が細くなって栄養が摂れているか心配」と質問をしたり、参加者の皆さんもご自身の体験等を交えながら意見交換ができました。

 

家庭でできる簡単な体操、一緒に体を動かしました
(2024年10月17日撮影)

 

配布されたテキスト
けがをしないからだづくり(運動、睡眠、食事)
(2024年10月17日撮影)

 

●スマホ写真の活用

 

スマホで撮った写真を組み合わせてコラージュを作成しました。テキストを使って6枚までの写真を組み合わせる方法を説明しました。「こんなに簡単に写真の組み合わせができるのね」、「1枚の写真より組み合わせた方が素敵に見える」と感心した様子でした。スマホに慣れている方は作業も早く、できあがったコラージュ写真を早速グループラインで共有しました。

 

コラージュを作成
(2024年10月17日撮影)

 

 

■令和6年能登半島地震被災者支援事業に対する広域災害後方支援活動を継続(10)

 

2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。更に、2024年9月20日から令和6年奥能登豪雨災害が発生しました。BHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を継続しています。

 

●新しいパソコン12台の初期設定作業及びその後の各種整備作業を実施しました。

 

2024年9月26日BHN広島事務所(島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)では、令和6年能登半島地震被災者支援事業において活用する新しいパソコン12台の初期設定作業を北三瓶ICT研修生の皆さま(7人)にご参加いただいで実施しました。

その後、各種の整備作業を実施しBHN北陸事務所へ発送できる状態に整えました。パソコンには、更に、最近のICT研修で好評だったAI活用のテキスト等の資料も追加保存し、現地ですぐに活用できるようにしています。

 

 

これまでの活動状況は以下のページをごらんください。

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その2)

 

 

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二

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*BHN 自主事業「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」、事業期間:「2019年4月1日~2027年3月31日(以後、継続していく予定)」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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