国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業 ~広島事務所の被災者支援活動、能登半島地震被災地向け広域災害後方支援活動を継続(12)~

2024年12月23日(月)14:17

 

BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業

BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業

2024年12月5日島根県大田市北三瓶地区、12月18日広島県呉市天応地区、12月19日広島県呉市安浦地区の3つの活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「オンライン研修会、年賀状作成」です。

 

 

■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター

 

2024年12月6日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民11名+北三瓶まちづくりセンター職員1名(山田 みどり氏)+BHN広島事務所メンバー オンライン参加4名(沖野 啓子氏、杉原 瑞枝氏、岡崎 幸子氏、廣中 香氏)、この日の研修テーマは、「年賀状作成、地図アプリの活用、クレジットカード不正利用防止対策」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。

 

● 広島と結びオンライン研修会、初冠雪した国立公園「三瓶山」

先月に引き続き、広島事務所のメンバー4名が北三瓶研修会にリモート参加する形でのオンライン研修会を試行しました。北三瓶まちづくりセンターの会場内には、講師用パソコン1台とリモート参加者の状態確認用パソコン1台を配置し、広島事務所のメンバー4名はそれぞれ自宅からパソコンで接続しました。時々、広島側の様子を確認し、質問等に答えながら進めました。島根県大田市北三瓶まちづくりセンターから見える国立公園「三瓶山」は一週間前に初冠雪がありました。

 

一週間前に初冠雪した国立公園「三瓶山」
(2024年12月6日撮影)

 

● 年賀状作成

日本郵便が提供しているアプリ「はがきデザインキット」を使用して年賀状を作成する研修を行いました。同じアプリを昨年も使っているので、皆さんスムーズに作成し印刷することができました。最近、新たに参加された方も、アプリをインストールして、年賀状を作成し印刷するところまでできました。年賀はがきに印刷して出すだけでなく、年賀状を画像として保存しSNSやメールで送る手順も確認しました。

 

スマホで年賀状を作成し、その場で印刷
(2024年12月6日撮影)

 

参加者それぞれ、思い通りの年賀状ができました
(2024年12月6日撮影)

 

● 地図アプリの活用

地図アプリ「Googleマップ」の使い方を実習しました。今回は基本的な機能をひととおり知って、活用できるようにすることを目標として行いました。

まず地図を航空写真等に切り替えることができること、目的の場所を検索してそこまでの経路を検索しルート・所用時間・距離等の情報を確認できること、食事をする場所を探しているときに口コミ情報も含めてお店の情報を調べることができること等について、それぞれ試してみて操作手順を確認しました。このアプリは普段使っていても、知らなかった便利な機能を知ることができたと喜ばれました。

 

北三瓶まちづくりセンター職員山田みどり氏、丁寧にサポート
(2024年12月6日撮影)

 

● クレジットカード不正利用防止対策

最近よく報道されているクレジットカードの不正利用の防止について注意喚起しました。カード番号やパスワード等の入力を求めるフィッシングメールに注意すること、カードの利用状況をチェックし身に覚えのない利用があったときには直ちにカード会社に通報すること等、不正利用防止対策を説明しました。

 

クレジットカード不正利用防止のために
(2024年12月6日撮影)

 

● 使用したテキスト「Googleマップの使い方」

この日のスマホ研修会で使用したテキスト、2024年12月版テキスト「Googleマップの使い方(BHN広島事務所・所長 福田 卓夫)」を掲載します。

 

2024年12月版テキスト「Googleマップの使い方」
(BHN広島事務所 福田 卓夫)

◆画像をクリックするとPDFが開きます◆

 

 

■研修場所、広島県呉市天応地区

 

2024年12月18日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、呉市天応地区住民5名+大浜地区住民1名+坂町住民2名、この日の研修テーマは「年賀状作成」、講師はBHN広島事務所の寺岡 和子氏(主任講師)、杉原 瑞枝氏、岡崎 幸子氏、廣中 香氏、沖野 啓子氏の5名が担当しました。

 

● 年賀状の作成

この日は、いつもの呉市天応地区住民5名に大浜住民1名が新たに参加、そして坂町からの2名を加えて、参加住民8名で賑やかなスマホ研修会になりました。

寺岡 和子氏が主任講師になり、スマホで年賀状を作りました。「カラリオ年賀状」アプリをインストールするところから始め、先ず「差出人」の入力画面で自分の住所氏名を入力、連名にする方もいました。次に「通信面」で、好みのサンプルを選択して編集、差出人を自分にして完成です。思ったより簡単にできたことに参加者の皆さんは驚かれていました。

いざ印刷となったのですが・・・。ここで思わぬつまづきがありました。印刷に時間がかかることは予想していたので、2台目のプリンターを準備していましたが、プリンターの選択が混乱していたようで、なかなか印刷がスムーズにいかず時間がかかってしまいました。なんとか研修時間内に、皆さん全員の年賀状が完成して、うれしい笑顔が見られました。

天応大浜アパート自治会長さんから集会所ICTコーナーに設置しているパソコンを見てほしい依頼され、今年最後の巡回・設備点検作業を合わせて実施しました。一年の締めくくりの活動日が、大勢の参加者でにぎやかに楽しく終了できて、うれしい気持ちでいっぱいでした。

 

この日は2台目のプリンターを準備しました
(2024年12月18日撮影)

 

寺岡 和子氏が主任講師、各自年賀状作成に着手
(2024年12月18日撮影)

 

「なかなか良いね」と笑顔がはじけました
(2024年12月18日撮影)

 

 

研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館

 

2024年12月19日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民10名、この日の研修テーマは「スマホアプリを使った年賀状づくり」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。

 

● 持ち寄った花を生けること、今時の年賀状事情

毎月恒例になった持ち寄った花を生けることから始まりました。寒い冬でも花があるだけで場が明るくなります。

皆さんが揃ったところで、今時の年賀状事情を聞きしました。年賀状じまいをされた方、年賀状を出す枚数は減ったけれど恒例だからと細々と続けておられる方とそれぞれでした。

「仮設住宅の談話室で何十枚も印刷してもらったね」と当時を思い出される方もおられました。

 

この日も持ち寄った花を生けることから始まりました
(2024年12月19日撮影)

 

● 年賀状の作成

12月19日、12月も後半に差し掛かり、既に年賀状を準備した方がほとんどでした。そこで、今日はスマホで送る年賀状を作ってみることにしました。

先ず、年賀状アプリのインストールから始めました。アプリの中には様々なデザインがあり、選ぶにも時間がかかります。縦書き、横書きそれぞれのデザインを選び、あとは自分の名前を入力するだけです。

「名前も縦書きと横書きを間違えないように選ばないとおかしな年賀状になるね」、失敗は成功のもとです。自分で好きなメッセージが入力できると分かった方は、メッセージが入力できるデザインに変更する等、各種工夫を取り入れて使いこなされていました。元旦には素敵な年賀状がグループLINEに届くことでしょう。

スマホをお持ちでない方には、講師のスマホで気に入ったデザインを選んでいただき、名前だけ入力してはがきに印刷してみました。スマホとプリンターだけで素敵な年賀状があっという間に完成することに驚かれていました。今年最後の会でしたが、参加された皆さんに喜んでもらえてよかったです。

 

印刷した年賀状を持って記念撮影
(2024年12月19日撮影)

 

 

■令和6年能登半島地震被災者支援事業及び新しい国内巨大災害の発生に備える広域災害後方支援活動を継続(12)

 

● 令和6年能登半島地震被災者支援事業への広域災害後方支援活動

2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。更に、9月20日から令和6年奥能登豪雨災害が発生しました。BHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を継続しています。

令和6年能登半島地震被災者支援事業向けに新規調達した新しいパソコン12台の各種整備作業を実施し、BHN北陸事務所へ発送できる状態に整えました。新しいパソコン12台には、最近のICT研修で好評だったAI活用のテキスト等の資料も追加保存し、能登半島地震被災地ですぐに活用できるようにしてきました。

新しいパソコン12台は2024年12月4日BHN北陸事務所へ発送しました。BHN北陸事務所では到着した新しいパソコン12台を、2016年熊本地震被災者支援活動から長期間活用してきたパソコンを整備・再利用して開設してきた令和6年能登半島地震被災地の仮設住宅団地集会所11カ所BHNパソコンコーナーへの取り換え配備作業を開始しました。なお、今回取り外したリユースパソコンはBHN北陸事務所に残置し、今後の被災者向けパソコン研修会等において有効に活用していく予定です。

 

● 新しい国内巨大災害の発生に備える広域災害後方支援活動

BHN広島事務所では、更に、新しい国内巨大災害の発生に備えるための広域災害後方支援活動を継続しています。2024年12月12日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンターでは、これまでBHN宮城事務所において、2011年東日本大震災被災者支援活動から長期間活用してきた旧型パソコンの整備作業を実施しました。

OSがWindows10であり、このままでは来年でサポートが終わり使えなくなるので、最新のWindows11バージョン24H2 に更新することにしました。しかし、そのためにはクリーンインストール(ストレージを初期化して新規にインストールする)が必要で、大変な作業となるので、大田市北三瓶まちづくりセンターにおいて毎月行っているICT研修会参加者に協力をお願いしたところ、6名に協力していただくことができました。

OSを新規にインストールするという、通常のパソコン利用では経験のない作業でしたが、手順をワンステップずつ説明し確認して進めて行ったので、トラブルもなく円滑に作業を終えることができました。この日は20台のパソコンにOSをインストールでき、事前に行っていた10台と合わせて、30台に最新OSをインストールできました。既に10年以上使っているパソコンですが、国内災害被災者支援活動用として、もう少し使っていけそうです。

 

広域災害後方支援活動、備蓄用PCの初期設定作業
BHN広島事務所、北三瓶まちづくりセンターパソコン研修生の皆様
(2024年12月12日撮影)

 

これまでの活動状況は以下のページをごらんください。

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その2)

 

 

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二

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*BHN 自主事業「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」、事業期間:「2019年4月1日~2027年3月31日(以後、継続していく予定)」は、西日本電信電話株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄附にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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