国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業~広島事務所の被災者支援活動、新しい段階の広域災害後方支援活動への取り組み(15)~
2025年3月31日(月)15:25




BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業
BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材等を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
2025年3月6日島根県大田市北三瓶地区、3月19日広島県呉市天応地区の活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。2拠点共通テーマは「情報セキュリティ、オンライン研修会」です。
2024年1月1日16時10分に発生した令和6年能登半島地震、更に、2024年9月21日から発生した令和6年奥能登豪雨災害に対し、BHN現地事務所(宮城、熊本、広島)ではBHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を実施し、令和6年能登半島地震被災者支援事業は順調に軌道に乗ってきました。
BHN広島事務所では、2025年1月より、新しい段階の広域災害後方支援活動に取り組んでいます。「BHN北陸事務所が担当している令和6年能登半島地震被災地とBHN広島事務所が担当してきた2018年西日本豪雨被災地等との被災地間ネット交流会」の実現を待ちながら、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めています。
■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター
2025年3月6日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民10名+北三瓶まちづくりセンター職員1名(山田 みどり氏)+BHN広島事務所メンバー オンライン参加5名(沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、岡崎 幸子氏、岩本 一子氏、廣中 香氏)、この日の研修テーマは、「情報セキュリティ、カレンダー(スケジュール管理)に関する研修、広島と結んだオンライン研修会」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。この日のスマホ研修会は、住民が持ち寄った雛飾りの中で行いました。

北三瓶まちづくりセンタースマホ研修会
(2025年3月6日撮影)

広島からオンライン参加した皆さんとテキストを共有
(2025年3月6日撮影)
●情報セキュリティ
前日に島根県内で、警察官や検察官をかたる電話に対応して1億円をだまし取られるという特殊詐欺被害が発生したことでもあり、改めて注意喚起しました。
新聞記事により、この特殊詐欺の経過を詳しく説明し、同様な被害が最近広島県内でも発生していることや詐欺メールの事例を詳しく紹介し、少しでも疑問に思ったら立ち止まって相談するように呼びかけました。また、このことを家族や地域に広めてもらうようにしました。

住民が持ち寄った雛飾り等に囲まれたスマホ研修会
(2025年3月6日撮影)
●スマホでスケジュール管理
スマホでスケジュール管理を行うことができる「Googleカレンダー」の使い方を実習しました。既に使っている人もありましたが、基本的な機能を説明し、まずはこの研修会の予定を入力してもらいました。応用編として「毎月第一木曜日」等、繰り返す予定の設定もやってみました。
更に、スマホのホーム画面で1カ月分の予定を常時表示する「ウィジェット」の設定もやってみましたが、機種によって操作が違うところがあり探りながらやりました。スケジュール管理がスマホで簡単にできることを確認して、喜ばれました。

「北三瓶まちづくりセンタースマホ研修生の皆さま」、
「広域災害後方支援活動チームの皆さま」
(2025年3月6日撮影)

「住民が持ち寄った雛飾り」と「雪の国立公園三瓶山」
(2025年3月6日撮影)
■研修場所、広島県呉市天応地区
2025年3月19日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、呉市天応地区住民5名+坂町住民2名、この日の研修テーマは「パスワード管理、スマホの共有機能の使い方、防災情報の確認」、講師はBHN広島事務所の岡崎 幸子氏(主任講師)、沖野 啓子氏、杉原 瑞枝氏、廣中 香氏の4名が担当しました。いつものようにCO2センサーで室内環境を確認しながら、ICT研修会を開始しました。

いつものようにCO2センサーで室内環境を確認しながら、ICT研修会を開始
(2025年3月19日撮影)
●防災アプリの復習
この日の主任講師から、「キキクル」、「NHK防災ニュース」、「呉市WEB版防災」、何度も操作して慣れておきましょうと話しました。まだ取り込んでいない人もいらっしゃったので、アプリの取り込みもしました。天応大浜アパート自治会長さんが「地域での防災会議に出席して避難訓練等をしている」と話されました。日頃からの防災訓練は大切なことだねと参加者全員で確認しました。

まずは情報アプリの確認からスタート
同じサイトですが何度も見方を練習
(2025年3月19日撮影)

坂町のサイトも必要だねと気づきました
(2025年3月19日撮影)
●Googleカレンダーの使い方
テキストに従って操作をしました。機種によって表示画面が少し違うので苦労しながら、なんとか2025年4月の予定を書き込みました。入力が苦手な人は音声入力も試して、成功しました。これも度々利用して自分のものにすると便利なツールです。既に使っていらっしゃった方も「あ~、こんなことも・・・」と発見がありました

Googleカレンダーの使い方を練習
(2025年3月19日撮影)

初めての方は資料を見ながら練習開始
(2025年3月19日撮影)

既に使っている方は、「あ~、こんなことも・・・」と発見がありました
(2025年3月19日撮影)

お料理のちょっとしたヒントを載せた楽しい手作りカレンダー
(2025年3月19日撮影)
■BHN広島事務所による「新しい段階を迎えた広域災害後方支援活動」
●令和6年能登半島地震被災者支援事業への広域災害後方支援活動
2024年1月1日、16時10分、令和6年能登半島地震が発生しました。更に、2024年9月21日から令和6年奥能登豪雨災害が発生しました。BHNの既設事務所(宮城、熊本、広島)では、BHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に新設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を継続してきました。2024年末までの広域災害後方支援活動で、令和6年奥能登豪雨災害被災地の仮設住宅団地集会所12カ所で開設する「BHNパソコンコーナーに配備する新・旧全ての機器整備・発送業務」を完了しました。
今後は、新しい視点からの取り組みとして、「2024年令和6年能登半島地震災害(含む、奥能登豪雨災害)被災地の皆さまと2018年西日本豪雨被災地の皆さまとネットで結んだ新旧被災地間ネット交流会」の実現に向けて、広島側の準備を進めていきます。
●新たな国内巨大災害の発生に備える広域災害後方支援機能整備への取り組み
BHN広島事務所(島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)では、新たにリユースタブレット100台を受領し、性能確認試験工程に入りました。
今回、新たに受領したリユースタブレット100台とVR(Video Research社)シール100枚は、国立大学法人 電気通信大学 Ph.D. 石垣 陽様からBHN広島事務所(所長 福田 卓夫氏、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)へ直接発送していただきました。
BHN広島事務所(島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の広域災害後方支援活動チームの皆さまにご協力いただきながら、慎重に性能確認試験をしながら活用準備を進めています。スマホと同じアプリは動作可能で、更に大きな画面を生かしてパソコンと同様な利用が可能と考えられます。新旧被災地間ネット交流会に効果的に活用できないかを検討しています。
更に、新たな国内巨大災害に対処する、新しい在宅避難者向けコミュニティセンター、新しい大規模仮設住宅団地集会所等へ、新たな機能を備えて開設する「BHNパソコンコーナー、BHN ICTコーナー等に配備する機器」の一つとしての性能確認試験を実施していきます。
これまでの活動状況は以下のページをごらんください。
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二