国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業 ~広島事務所の被災者支援活動、新しい段階の広域災害後方支援活動への取り組み(21)~

2025年9月24日(水)15:41

 

 

BHN広島事務所(所長:福田 卓夫氏)は、2018年西日本豪雨被災地(広島県)、2021年令和3年7月・8月豪雨被災地(島根県、広島県)を対象に、「ICTを活用した地域コミュニティ再生・活性化支援活動」を実施しました。西日本豪雨被災者支援事業

BHN広島事務所では、西日本豪雨被災地の広島県呉市天応大浜地区・安浦地区及び令和3年7月・8月豪雨被災地の島根県大田市北三瓶地区の3つの支援活動拠点より、ICTを活用した支援活動の継続要請を受け、「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」において、支援活動の継続要請に積極的に応えています。併せて、①広島事務所の事業継続及び近接地域で発生する新しい国内災害へ即応体制の維持、②豪雨災害被災者支援事業で獲得した各種経験・ノウハウのデジタル資料化、③南海トラフ巨大地震及び首都直下地震等に備える「既得通信機材等を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備」等を進めています。国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業

2024年1月1日16時10分に発生した令和6年能登半島地震、更に、2024年9月20日から発生した令和6年奥能登豪雨災害に対し、BHN現地事務所(宮城、熊本、広島)ではBHN広島事務所がまとめ役となり、2024年4月1日に開設したBHN北陸事務所が実施する令和6年能登半島地震被災者支援事業に対し、遠隔地から支援する「広域災害後方支援活動」を実施し、令和6年能登半島地震被災者支援事業は順調に軌道に乗っています。

BHN広島事務所では、「BHN北陸事務所が担当している令和6年能登半島地震被災地とBHN広島事務所が担当してきた2018年西日本豪雨被災地等との被災地間ネット交流会」を実施しています。更に、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めています。

2025年9月4日島根県大田市北三瓶地区、9月17日広島県呉市天応地区、9月19日広島県呉市安浦地区の活動拠点で実施した被災者支援活動をまとめて報告します。3拠点共通テーマは「ネット会議活用研修会、汎用生成AIの活用法としての写真編集」です。

 

 

■研修場所、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター

 

2025年9月4日、島根県大田市北三瓶まちづくりセンター、住民12名+北三瓶まちづくりセンター職員1名(山田みどり氏)+BHN広島事務所メンバー オンライン参加6名(沖野啓子氏、寺岡和子氏、杉原瑞枝氏、岡崎幸子氏、岩本一子氏、廣中 香氏)、この日の研修テーマは、「広島と接続してオンライン研修会、汎用生成AIの活用法としての写真編集」でした。講師はBHN広島事務所(所長、島根開発センター、北三瓶まちづくりセンター)の福田 卓夫氏が担当しました。

 

いつものように、CO2センサーで環境確認!
(2025年9月4日撮影)

 

いつものように、広島メンバーはネット参加!
(2025年9月4日撮影)

 

●汎用生成AI「MicrosoftCopilot」を使って研修

今回は、汎用の生成AI「Microsoft Copilot」を使って、写真をジブリ風に変換することを研修しました。5月にBHN熊本事務所で行われたスマホ研修会で、「自身で撮影した写真をAIでジブリ化してみたら喜ばれた」という報告を見て思いつきました。

Microsoft CopilotはWindowsパソコンには備わっていますが、スマホには入っていないので、先ずそれをインストールするところから始めます。インストール出来たら、スマホに保存されている写真を選択して、「この写真をジブリ風に変換してください」等と指示をすれば、変換してくれます。皆さん、とても楽しんで取り組んでいました。

用意したマニュアルと違う画面が出たりすると、どうしたら良いかわからなくなります。ひとつずつ解決して、全員ができるようになりました。

出来上がった画像を、早速、普段からLINEでやりとりしている孫に送ったという人もいました。受け取ったお孫さんは、きっと「ばあちゃん、こんなこともできるのか!」と驚いたことでしょう。北三瓶のシニアの皆さまは、着実にデジタル活用パワーアップしています。

 

今回は、汎用生成AIのひとつの機能を試しましたが、AIは今では様々なことができるようになっていますので、今後とも暮らしに役立つ利用を研究していきたいと思います。

最後に、集合写真を撮りました。ジブリ風で。(笑)

 

北三瓶のシニア皆さん、
写真をジブリ風に変換、上手く出来ました
(2025年9月4日撮影)

 

各テーブルから、次々に歓声が上がりました
(2025年9月4日撮影)

 

ネット参加中の広島メンバーも、見事にできました
(2025年9月4日撮影)

 

北三瓶のシニアの皆さん揃って
久しぶりに集合写真を撮りました
(2025年9月4日撮影)

 

北三瓶のシニアの皆さん揃って
久しぶりの集合写真、ジブリ風に変換しました
(2025年9月4日撮影)

 

 

■研修場所、広島県呉市天応地区

 

2025年9月17日、広島県呉市天応大浜アパート集会所、呉市天応地区住民5名、坂町住民2名,この日の研修テーマは「防災対策、AIの活用」、講師はBHN広島事務所の杉原 瑞枝氏(主任講師)、沖野 啓子氏、寺岡 和子氏、岡崎 幸子氏、廣中 香氏の5名が担当しました。

 

この日の研修テーマ「防災対策とAI活用」を説明
(2025年9月17日撮影)

 

●防災対策、ローリングストックの重要性について討論

9月1日は防災の日、過去の経験(阪神大震災時に神戸にいたこと)を踏まえて「一番に回復したのは電気で、電子レンジが使えた」ということから、レトルト食品の備蓄の話になりました。

その中でも「ローリングストック」について考えてみました。普段食べている食品を多めに買い置き、定期的に食べながら非常時に備えようということです。食べたら買い足すことで、常に新しい非常食を備蓄しておくことができることを確認しました。「賞味期限」の確認を定期的にしながら消費し、買い足すことが大切だと話し合いました。

 

●AI技術の活用

続いて、生成AI 「Microsoft Copilot」を使って、写真をジブリ風やアニメ風に変換することを研修しました。先ずは、アプリが入っていない方が全員でしたので、アプリのインストールから始めました。みなさん、少し手こずりながらも、何とかインストールできました。

「北三瓶の研修用テキスト」をしっかり見ながら講師がゆっくり説明していきました。スマホに保存されている写真を選択して、ジブリ風やアニメ風、水彩画風等、好みの画像に変換してくださいと指示をして変換してもらいました。

少し待ち時間があるので、焦らずに待っていると、それぞれ素敵な画像が完成しましたので、各自の完成品をLINEグループに送ってもらいました。中でも、愛犬の写真をアニメ風に変換したら「すごくかわいい~~」と皆さんに好評で、とても喜ばれていました。残暑厳しい一日でしたが、笑い声の響く、楽しい一日でした。

 

アプリのCopilotをインストール
そして、それぞれ素敵な画像が完成
(2025年9月17日撮影)

 

スマホ研修会が終わると、外には、生協さんの移動販売車が待っていました。

 

外には、生協さんの移動販売車が到着
(2025年9月17日撮影)

 

 

■研修場所、広島県呉市安浦老人福祉会館

 

2025年9月18日、広島県呉市安浦老人福祉会館、住民5名、研修テーマは「AIを活用して写真をジブリ風等に変換」、講師はBHN広島事務所の廣中 香氏が担当しました。北三瓶の資料を使用しながら研修を進めました。

 

先ず近況報告から、そして、7年前を振り返って

朝降った雨もあがり、少しだけ過ごしやすくなった午後でした。先日、強い雨が降った時の様子が話題になりました。「雨が強いと雨雲レーダーを見ながら、雨が止む時間を確認したりするのよ」、「雨雲の動きが時間を追ってわかるのは便利よね」、「西日本豪雨の時はスマホも無かったからねと7年前を振り返る話」も出ました。

ちょうど7年前、2018年9月、仮設住宅団地での避難生活が始まりました。土砂災害、浸水被害、、、災害の状況や住んでいた場所は違っていても、同じ仮設住宅団地に住んでいるだけで親近感があり、助け合い、支え合っていたよね、と大変な避難生活だった当時を思い出して話し合いました。

 

●畑で実った野菜を持ち寄って

この日持ち寄った野菜は、冬瓜とゴーヤです。冬瓜は分けて持ち帰りができるように切り分けてありました。野菜の値段が高騰する中、採れたての野菜は有難く皆さんで持ち帰りました。

 

この日持ち寄った野菜は、冬瓜とゴーヤ
(2025年9月18日撮影)

 

●AIを活用して写真をジブリ風等に変換

先ずは、Microsoft Copilotのアプリをインストールすることから始めます。先月、生体認証を行なった方は円滑にアプリのインストールができました。生体認証をまだ登録されてない方は、指紋認証から始めます、この指紋認証には時間がかなりかかりました。アプリのインストールができた方には、雑談をしながら待っていただきました。

Copilotのアプリを開いても、マニュアル通りにはいきません。「どこから写真を選択するの?」、「ジブリ風って何?」、色々な質問が次から次に出てきます。ジブリ風がわからない方には水彩画風で変換するよう提案しました。

写真の変換には時間がかかりましたが、同じ写真をジブリ風や水彩画風にと変換しましたが、出来上がった写真の雰囲気が少しずつ違うことがわかりました、同じものはできないということですね。

写真の変換だけでなく、色々な質問をして、時には話相手になることもできることをお伝えすると、「そんな凄いことには、ついていけない」と疑っている方もいました。目まぐるしく進むICTに、少しでもついて行けたらと思いました。

 

ジブリ風、水彩画風...色々と挑戦
(2025年9月18日撮影)

 

 

■BHN広島事務所による「新しい段階を迎えた広域災害後方支援活動」

 

BHN広島事務所は、BHN北陸事務所からの要請に応えて、2025年4月~7月、令和6年能登半島地震被災地との被災地間ネット交流会に参加しました。BHN広島事務所では、令和6年能登半島地震被災地と被災地間ネット交流会を継続実施しながら、「今後国内各地で発生する新しい国内災害、とりわけ、南海トラフ巨大地震等に備える、既得及び新規通信機材を利活用する広域災害後方支援ICT機能整備活動」を進めていきます。

 

これまでの活動状況は以下のページをごらんください。
国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その1)
国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業(その2)

 

国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業
理事(プロジェクトマネージャー)
有馬 修二

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*BHN 自主事業「国内災害ICT支援活動拠点ネットワーク事業」、事業期間:「2019年4月1日~2027年3月31日(以後、継続していく予定)」は、NTT西日本株式会社(CLUB NTT-West)、NTTファイナンス株式会社、株式会社NTTドコモ(d POINT CLUB)のポイント寄付にてご支援いただいて、事業を継続しています。
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